山手樹一郎長編時代小説全集 12

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  • 春陽堂書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394101123

感想・レビュー・書評

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  • 伏姫の放った八つの霊玉と牡丹の痣を持つ若者達、数奇な運命に導かれ目指すは安房南総里見家。一日も早く、万民が喜ぶ平和な国を作る為に! 曲亭馬琴の描いた一大巨編をみずみずしい青春小説の筆致で描いた、長く読み継がれる八犬伝小説の名作。浜路も雛衣も死なない幸せ八犬伝!

    八犬伝の小説と言えば山田風太郎版かこの山手樹一郎版かと言うくらいにメジャーな八犬伝。ようやっと読了しました。何が良いって浜路が死なないで信乃とらぶらぶなところです! 大雛好きの私としては雛衣が死なないところもすごく良いんだけどちょっとイチャイチャが足りないような気がします! って言う方は昭和29年版東映八犬伝五部作をお薦めする。浜路と信乃は見せられないよな官能的なことまでやっておるのに…でも大雛おいしかったありがとうございます。大雛っていうか角太郎だし角雛か。
    厚みがあってびっくり上下二段組だけど庚申山編で終わってます。あの道節でさえも仇討ちは後回しとして里見家に向かうことを承諾するんだからすごいw 化け猫退治までに七犬士がまたいい具合に集結してすごいニヤニヤしてしまう。荒芽山がなくて、行徳編が終わると毛野ちゃん編というか石浜城編になるのですがも~~~話には聞いてましたがこの毛野ちゃんがちょう可愛いです!!! 女装男子×女子ってすんぎょい私の大好物なんですけどそれがあるのもよかったなあ、お夏ちゃんしんじゃったけど( ;∀;) 後世の毛野のイメージって絶対これが大きいんじゃないかなと思います。こういう男を手玉に取るおきゃんな毛野大好きだぜい。
    庚申山編で終わる通り大部分が序盤の大塚村編だったり。信乃と浜路が大変けしからんですね、しのはま好きは必読だと思います、ほのかに官能小説ですよ…いちゃいちゃしおって! もっとやってもいいのよ!!! しかも「最初は伯母夫婦の養子だしいけすかない」ってところから始まってるのもイイ! 「この子も可哀想だ」→「お前には俺がついてる」→はじめてのチュウ→エンダァァァ みたいな流れなのでほんと悶絶した。あと信乃と浜路が入れ違いになるのもよくある話であ~もどかしいな~って思ってたりしました。ウム王道である! 信乃はいい意味で将来に熱い希望を抱く青少年でその若さに好感が持てたよ。荘助はめっちゃ懐深くて達観してて一体何をどうしたらそうなれるの荘助好き過ぎるわ!惚れたわ!もともと好きだけど。角太郎まで「世の中はたのしい」とか言っちゃってるしほんと明るいなおい!
    基本的に明るくて本当にいい小説だけど沼藺と房八は亡くなるのである(´;ω;`) 山林夫妻ほんと哀れ…でも信乃が親兵衛の為に尽くすっての読んでここでまたきゅんとしたす。親兵衛は初登場以来出てこないけど成長したところも見たかったな~と思わせる程の良作でしたっ おいしい八犬伝ごちそうさまですーー

  • 5年ぶりぐらいに再読。
    全体のバランスを考えると前半がやや長めに感じられる。
    その分、もっと読みたいと思える作品。
    RPG好きなゲーマーにも是非勧めたい。きっと楽しめると思う。

  • 新編八犬伝。八犬伝大好きなので買ってみたのですが、ちょっとアレンジが過ぎるかな…という印象も。それでもすごくノリがいいので、ドキドキしながら読めました。登場人物それぞれの個性もすごく出てます!…が、やっぱり最後までは書いてもらえないのが長編の運命なのか。そこだけはとても残念です。

  • 新編八犬伝。原作にはない展開やアレンジされた部分もあり、面白く読めました。キャラの口調などにも特徴があって読みやすいです。おきゃんな毛野さんが可愛いですv
    ただ、物語が途中で終わっているのが残念です。最後までこのノリで読みたいです!

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著者プロフィール

明治三十二年(一八九九)栃木県生まれ。本名井口長次。明治中学卒業。博文館の編集者だった昭和八年「サンデー毎日」の大衆文芸賞で佳作となり、これ以来山手樹一郎を名乗る。昭和十四年、博文館を退社、長谷川伸の門下に。翌年にかけ新聞に連載した『桃太郎侍』が成功を収める。以後、大衆の求める健全な娯楽作品を次々書き、貸本屋で第一位の人気を得た。昭和五十三年(一九七八)没。他作品に『遠山の金さん』『崋山と長英』(野間文芸奨励賞)など多数。

「2022年 『夢介千両みやげ 完全版(上)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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