戦国武将の「政治力」 (祥伝社新書 101)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396111014

感想・レビュー・書評

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  • 現代の政治家と紐付けしてあるのが面白いね。

  • 戦国時代の武将と現代の政治家とをオーバーミックスさせたような内容の本でなかなか面白く読むことができました。
    さすがに織田信長のような人物は現代には存在しない希有な存在なのかもしれませんが、徳川家康や豊臣秀吉、明智光秀型の人間であれば現代にも似通う政治家が存在するたとえが分かりやすかったですし、真田幸村の父である真田昌幸や北条早雲という隠れた名将がいたのだなぁということが発見でした。

  • 小説では美化されるきらいがある戦国武将の行動を、人間のリアルな欲望をベースに著者の視点で解説された内容。勿論一つの考え方なんですが、戦国武将をかじっている程度でも、十分その論理展開を楽しむことが出来ました。

    ・足利義政は最高の文化人だが最低の政治家だった。応仁の乱も放置。
    ・尾張は東国が京を目指すために避けて通れぬ場所であったため、自身が天下を治めることが他国からの侵略を防ぐ道と考えた。
    ・政治力は多くの人々の」力を結集して一つの方向へ向かわせる力。
    ・毛利と和睦して兵を返す秀吉への追撃を止めたのは安国寺恵瓊。秀吉と好も。
    ・秀次は殺される予定ではなかったが、太閤の意を反して動こうとしたため切腹となった。
    ・家康は平和を願ったのではなく、自家を存続する効果的な手段を目指した結果という見方も。
    ・家康はたいした能力がなくても、周りの知恵を発揮させるタイプ
    ・関が原はたった半日の戦い。家康の準備万端さが現れる一面。
    ・多数協力しての包囲網。でも「自分は損害を少なくしたい」と思うのが常。

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  • 政治学のゼミで自分のオススメの本を紹介する、
    というのがあったのでこの本を紹介しました♪

    政治学…というと堅苦しく感じてしまいますが、
    今ブームの歴史を織り交ぜれば、とっても楽しく読めちゃうのが不思議。
    以下ゼミで配布したレポートより引用です。
    ちょっと長いけど、面白かったので…信長についての部分。

     信長は本能寺の変によって倒れることになるが,そもそもなぜ明智光秀は信長に反旗を翻したのか。よく「信長に対して光秀が恨みを抱いたから」と言われるが,それが即謀反につながるとは考えにくい。そこでつながるのが森喜朗に反旗を翻した加藤紘一である。この「加藤の乱」は失敗に終わったが,その原因は謀反後の政権構想が描けなかったことと大義名分が弱かったことの2点である。明智光秀も同様であったため本能寺の変後自らも倒れることとなってしまったのではないか。失敗する要素は時代を超えて存在する。
    で,光秀が反旗を翻した理由だが,光秀自身の政治力低下にあると見られる。67歳という高齢であった上に(55歳という説もあり),信長下で担当していた地域を失い降格され,低下していく政治的影響力。誰にも頼られないということは,誰も頼りにできなくなる。そこで本能寺の変を起こしたのだ。
     だが,光秀は政治力というものを読み違えていた。小泉純一郎は初め自民党総裁選の本命候補ではなかったが,「自民党をぶっ壊す」というフレーズにより自民党に不満を持っていた国民から支持を得,総理になった。低かった政治力を、時流をとらえることによって見事に浮揚させたのだ。一方,光秀は低下していた政治力を浮揚させるため動かせる軍勢を総動員して事を起こし,信長を一気に殺して流れをつくろうとしたが,はたしてどれだけの人間が信長の死を望んだのかを理解していなかった。光秀が描いた「一気に流れをつくる」作戦は,それを望まない人々の厚い壁に阻まれて,時の流れにはならなかったのである。

    こんな感じで、戦国時代と現代の政治について書かれています。
     
    あと、この本は政治全体よりも政治家個人に注目していたので、
    歴史(政治)は繰り返されているというよりも
    同じような政治家が出てきたので同じような行動が
    繰り返されている,という印象を強く感じました。
    戦国時代全体の流れの中での政治の動きや、
    それと比較した現代の政治について知ることができたら
    いいなぁとちょっと思ったり。

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著者プロフィール

作家、政治史研究家

「2018年 『「大日本帝国」失敗の研究【1868-1945】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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