人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡(祥伝社新書284)
- 祥伝社 (2012年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396112844
感想・レビュー・書評
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昨年、サンセバスチャンの、本書にも紹介されているレストランに行ってきました。よい体験でした。
バスクの歴史的背景は知っていたけれど、分子料理だとか、ここに紹介されていることはまったく知りませんでした。
そこに行かなければ得られないものがある、ということを、丁寧に、大切にした結果が、サンセバスチャンの今、ということのようです。
サンセバスチャンというよりスペインに話が散らばってしまっている感はありますが、日本の「失われた」とされている時間に、スペインが何を得たかがわかります。
タイトルがいかにも、だし、著者は結構いつも斜め下な感じの人で、期待していなかったのですが、意外や意外、まずまず面白い本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■文化・料理・観光
1.ヌエバ・コッシーナ:新しい職。料理のオープンソース化。
2.バルセロナの観光戦略でもっとも大切なことは、「市民と観光客が一体になる」ことだと感じました。
3.バルセロナのストリート・パフォーマンスレベルが高く、街を盛り上げている。
4.化学は単純な原理を教えてくれます。
そして、この原理は食品の分野にも適応できます。
すなわち料理をつくるうえでのさまざまな作業の意味を教えてくれるのです。
5.パス名産のワイン「チャコリ」:バスク地方で作られる白ワインで、味は若く、フレッシュで、フルーティでわずかながらの酸味があり、バルなどでのピンチョスや魚介類の料理とも相性が良いワインです。
6.お金で手に入らないものを持っているのが「上流」。車が趣味は下品な話。
7.もし、間違っていたらどうしよう、と考えている間は、常に後手にまわり、成功は遠のくばかりです。
間違っていようがなにしようが、自分たちが信じる「いま」に自信を持つこと、これが大切だと思います。
8.世界を知る。
その上で己を知る。身の丈を知る。
古いモノを守り、あたらしいモノを融合させ「いま」を考える。
そして、オープンな姿勢で、多くの者とシェアしてゆく。 -
21世紀最大の産業は「観光産業」。観光立国として成長するスペイン、地域の特徴を活かして美食の街となったサン・セバスチャン。いかに日本が観光産業に遅れているか分かる。
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表題通り、サン・セバスチャンがなぜ美食の街として、成功したのか。
バスク地方含め、スペインの風土の歴史、日本の観光戦略への提言と多岐にわたることが分かり易く書かれている本書。
巻末のサン・セバスチャンガイドではなく、もっと本文が欲しっかったのが本音だが、高城ファンには間違いなく納得できる1冊