- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396114503
感想・レビュー・書評
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著者は博識ですね。
実在の居酒屋名が沢山出てきます。
居酒屋巡りにも使えます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半は、戦後のカストリ、バクダンなど大衆酒の変遷から、坂口安吾、高見順、内田百閒ら酒豪文士の伝説トリビアよせあつめ。
後半に社会階層研究者としての本分(?)をおもいだし、社会階層と酒消費量による現代日本の「酒格差」分析へ。もう本領がどっちかわからないけど、酒飲みには面白いと思います。
社会階層によって「何を飲むか」の飲酒文化が異なっていた時代から、「貧乏はどの酒も飲まず、金持ちはなんでも飲む(大意)」の一元傾向への変化。
新書なのでざっくりしすぎなとこはありますが、日本のヘンテコな酒税制度がもたらす逆進性への指摘は鋭いです。 (小林) -
確かにそうだったと頷いてしまう(もっとも知らない時代もあるのだけれど)。自分が社会人になった頃はまだ日本酒はだめだったもんなあと思い出したり、バブル景気がなければ今の日本酒はなかっただろうなあと思ったり。何よりも著者が日本の酒環境によくなってもらいたいと思っているのがよくわかる。
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西荻にはまだ闇市時代の建物が残る居酒屋がある。たしかにあった、汚かったがいい雰囲気でした。
焼きトンを焼き鳥と呼んでいる肉を串に刺して焼く事を焼き鳥という言う。 -
酒場訪問記的な著作は世の中に数多く存在するが、本書のように社会学的な見地から書かれたものは他に類をみないのではないだろうか。ロジカルな内容に感銘を受けた。読んだ後に、著者が大学の先生であることを知った。
しかし、表題は「大衆酒場の戦後史」としたほうがよりフィット感があるのではないだろうか。居酒屋というと、どうしてもあのブラック企業に代表されるチェーン系を想起してしまうからだ。いや、大衆酒場というのが既に死語なのかもしれない。