- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396331603
感想・レビュー・書評
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明治の初期は驚くことに江戸時代よりも記録が乏しい。動乱期であったためであろうか?この物語は、その当時若者がどのように英語を学び、自らの強みとし、仕事に、国のために励んだのか、、というストーリーを。
雨竜千吉とお順という二人を軸にして、話は進む。
江戸末期から明治のころ、国を思う若者たちは、オランダ語をかなり流暢に話したという。
今のような環境でない時代、どれだけの気概を持って学んだか。
実際に日本にやってきた外人お抱え技師や、身分も変わった大名の子供や、士分、町民の子らが、どういう風に語学を学んだか、彼らの頑張りに今の日本があるのであろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりの宇江佐さんです。
時代恋愛小説、そんな言葉が浮かぶ作品です
面白くないわけではありません。一定の品質は保たれています。でも、何か飛びぬけたものも感じられません。
恐らく主人公の性格設定に有るのだと思いますが、「おうねぇすてぃ」をキーワードとしながら、どこか純粋さのようなものが感じられないのです。強く言えばシニカル。一途さや強さを感じさせず、何故か淡々と話が進んでいくのです。お順の設定はまずまずだと思うのですが。
宇江佐さんらしく、手触りの良さは一級品ですが、それに包まれているものの実態がしっかりしていない。そんな感じの作品でした。
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L
明治維新後、英語を学びたい若者たちの話。
ときの流れについていけず。縦書きのカタカナにも辟易。 -
おもしろい。
目のつけどころは良いんだけれど…。
アメリカ人に嫁いだお順と通訳士を目指す千吉の恋。
実在の人物をモデルにした数々の脇役との絡みも面白く、展開も二転三転となり、読中は複数のラストを予測できる。
なかなか良いな、という要素がいっぱいあるのだが、十分活かしきれなかった感があり、残念。
最も残念なのは、〆に説教臭い一文を入れたこと。
これ、いらんやろ?と一気に小説の世界から冷めて、げんなりだった。 -
主人公たちはそれはそれでいいのだけれど、
小樽の彼女が、ものすごくかっこよくて、そして悲しくて、彼女の存在に涙した。
あの子がいなくちゃ、気づけなかったことも多いはず。
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宇江佐真理さんの小説は3冊目……なのだが。。。
う〜ん、なんだろ。。。
『<b>斬られ権佐</b>』を読んだ後だからだろうか。ちょっとイマイチ。明治維新直後っていう、文化が入り交じり始めた違和感ありありの頃の描写とかがいいのに、それだから違和感があるのか。
とにかく物足りない感じでした。
<font color=green>「なあ、雨竜さん。ここにショウジキ、マゴコロって書いであるけど、エゲレス語で何んという?」</font> -
(12/10読破)
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珍しく明治維新が舞台の連作小説。
時流に翻弄されながら生きてゆく登場人物たちに勇気付けられる。