風草の道 橋廻り同心・平七郎控 (祥伝社文庫 ふ 5-11)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396338787

感想・レビュー・書評

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  • 橋廻り同心・平七郎控 シリーズ 11

    《龍の涙》
    橋番の善兵衛が殺された。
    善兵衛は、人の羨望を集める程の、大店、材木問屋「信濃屋」の主人だったが、3年前、火事が元で、店が潰れ、橋番人となっていた。

    そんな善兵衛だが、7年前、行き倒れの男を助け「この金を上手く使って、這い上がれ。挑んでみるんだ」と、十両を渡した。

    その粋な計らいだけが、今の自分の良い思い出だと話していたのだが・・。

    《風草の道》
    久里浜沖で、流人船が難破し、流人の鹿之助ただ一人が助かった。
    ところが、3日後、鹿之助は、姿をくらましてしまった。

    一方、北町奉行所の、榊原奉行は、その鹿之助が、友人・村岡彦四郎の倅ではないかと、危惧していた。

    鹿之助は、外腹の子故、養子に出されたのだったが、
    榊原は、今は亡き、友人の村岡の事を、鹿之助に伝えたいと、平七郎に、鹿之助探索を、秘密裏に命じた。

    前回で、おこうに思いのたけを伝えた平七郎。
    それ以来、ギクシャクな二人。
    ちょろちょろと、良い所で出てくる、おこうに求婚している憎めない仙太郎。
    鹿之助に、粋な計らいをした、一色。

    なかなか、面白い内容だった。

  • 表題作は読了感がほっと暖かくなる作品だった。

  • 第十一弾
    独立二話構成
    主人公に係わる色々な人々、悪は挫き、優しき人々には温かく、そしておこうとの仲は

  • 藤原緋沙子の『見届け人秋月伊織事件帖』と共に好きなシリーズ、があるが、これは、橋廻り同心 平七郎控 シリーズの11である。

    「龍の涙」と「風草の道」の2話である。
    「龍の涙」は、一昔前に、材木問屋だった、善兵衛が、時の名人に、金に糸目をつけずに彫ってもらった龍の彫り物の煙管を落ちぶれても愛用していて、、昔、大金を渡して、助けてやった男に殺されるのだが、この煙管が、決め手となって、捕まるのである。

    「風草の道」は、北町奉行の榊原の親友で、外腹の子を大地主に養子に出したが、島送りになる。
    そもそも其の原因が、人の良さが、災いした。
    紆余曲折が、あってから、自分は、厄介もので、養子に出されたと思っていたのが、母に会い、そして、父の友の計らいなどで、罪が、減等されて、解き放ちになる。
    最後の母の見送りと路銀とともに、渡す握り飯は、ほろろと、させるシーンである。

    どれも、人の良いものが、被害者になってしまうが、父の大鷹と称されたのと、同様に 黒鷹と呼ばれる平七郎の働きと、部下達の連携プレーが、見事である所と、庶民的感情の起伏があり、野分の風などの描写が、良い。

  • 藤原さんのシリーズの中では隅田川御用帳に続いて古くて長いシリーズ。今回はおこうとの話は全く進展しないのねえ~

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    久里浜沖で流人船が難破した。助かったのは、流人の鹿之助ひとり。しかし三日後、彼は姿をくらます。北町奉行の榊原は鹿之助が親友の倅でないかと危惧し、立花平七郎に極秘の探索を依頼する。探索の中で、徐々に明らかになる鹿之助の閉ざされた過去。養子としての葛藤、凄絶な恋、そして流人になった理由…数奇な運命に翻弄された男を、平七郎はどう裁くのか!?

    令和元年5月25日~26日

  • 2017.5.22

  • L 橋廻り同心平七郎控11

    このシリーズも長くなってきたなぁ。母上、ほとんど出番なし。おこうもあんまり関わらず、定廻り的に平七郎がうごきまわる。ちょっとマンネリかな。

  • 橋廻り同心 平七郎シリーズ 第11弾。短編と中編の2編からなる。中編では手下総動員体制で探索し下総に旅に出る新機軸も展開する。しかし、話自体は短編も中編もあまりピリッとしたものを感じない。人情話は相変わらずの藤原作品らしさを感じるが展開には少し荒っぽさを感じる。旅に出る新展開もあまり必要性は感じず目先をちょっと変えただけのよう。だんだん橋同心という特色も薄くなり、シリーズとしての方向性が見えなくなってきたのも気になる。前巻で大きな進展があったおこうとの仲も藤原作品らしくやっぱり停滞したまま(笑)

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著者プロフィール

藤原緋沙子(ふじわらひさこ)
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。シナリオライターとして活躍する傍ら、小松左京主催の「創翔塾」で小説を志す。2013年に「隅田川御用帳」シリーズで第2回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。本書は土佐の絵師として人々の幸せを願い描き続けた金蔵の生涯を温かい眼差しで活写した渾身の時代小説。著者の作家生活20周年記念作品である。著書に「橋廻り同心・平七郎控」シリーズ(祥伝社文庫)他多数。

「2023年 『絵師金蔵 赤色浄土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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