ひと (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 11070
感想 : 997
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396347185

感想・レビュー・書評

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  • 両親を亡くし独りになってしまった主人公があらゆるひとに巡り合い自分の生き方を見つけていくお話。
    コロッケをおばさんに譲るところから始まり、ずっと譲り続けていた主人公が譲れないものを見つける。
    凄く身近に感じられるストーリー展開で、真面目な主人公を素直に応援している自分がいました。
    揚げたてホクホクのコロッケが食べたくなるお話でした。

  • 人間ひとりでは生きれないから、周りの人達よって人生は大きく変わる。縁をつなぐのも、縁をきるのも自分自身。信頼出来る、助け合える、楽しくなれる縁さえあれば人生は豊かになると思わせてくれました。私も今の縁を大切にしていきます

  • 二十歳で天涯孤独になり、大学は中退。
    唯一の親戚からは、お金をたかられる。
    なかなかベビーな状態なのに、するすると読める不思議。
    普段は自分の事を『僕』と言うけど、青葉と話す時は『おれ』になってて少しニヤニヤ。
    大人しいけど、芯が強い主人公なので、応援したくなります。
    続編が有るので機会があれば読んでみたい。

  • 主人公の柏木聖輔は母の急死で大学中退。
    金もなく砂町銀座商店街をふらふらして、惣菜屋の督次に拾われバイト生活が始まる。

    この聖輔は遠い親戚の基志に金をたかられ、大学のバンド仲間にはアパートをラブホ代わりに使われるなど、お人好しというか少しイライラもしたけど、そういうところも含めて、青葉に好かれたのだろうね。

  • 聖輔、穏やかで優しくてとってもいい。
    頼っていいと言ってくれる人に、困ったことがあったら頼って、これからも頑張って生きていってほしい。

  • ドキドキハラハラがあるわけではない。
    ただ、主人公聖輔の言葉で日常が語られていく。
    その言葉ひとつひとつがスッと入ってくる。
    心にストンと収まる感じだ。

    聖輔が関わるのは大方がいいひとだ。
    中にはそうでないひともいるが、そんなひととの関わりから学び成長していく。
    そして、そんな聖輔をさりげなく助けてくれるひとたち。

    若い時の苦労は買ってでもしろ、と言われるが、聖輔の身に降りかかるものはあまりにも大きい。
    だが、その状況から前を向き、一歩ずつ進む姿勢にはとても好感が持てた。
    もしも私の身近に聖輔がいたら、きっと放っておけないだろう。

    ひとはひとによって育てられる。

    とても爽やかな読後感だった。

    • LULUさん
      Manideさん
      コメントありがとうございます。
      この作家さんは初読みだったのですが、とても良い作品に出会えたなと思います。
      読んでいて心が...
      Manideさん
      コメントありがとうございます。
      この作家さんは初読みだったのですが、とても良い作品に出会えたなと思います。
      読んでいて心がホッとする、そんな感じですね。
      他の作品も読んでみたいです。
      2023/06/25
    • Manideさん
      LULUさん、こんにちは。

      小野寺さん、初読みだったんですね〜
      私は小野寺さんのファンです(^^)

      類似作品は、まち、と、ライフで、私は...
      LULUさん、こんにちは。

      小野寺さん、初読みだったんですね〜
      私は小野寺さんのファンです(^^)

      類似作品は、まち、と、ライフで、私はどちらも好きな作品でした。

      この作品が好きな人は、人のつながりを大切にしてたり、意識してる人だったりするのかな〜と、最近思います。人生のタイミングによって、いろいろ意識することが変わるでしょうから、その本が好きになるかどうかは、タイミングも重要なんでしょうね。面白いですね。

      2023/06/28
    • LULUさん
      Manideさん

      小野寺さんの「まち」「ライフ」読んでみますね!
      ありがとうございます。
      Manideさん

      小野寺さんの「まち」「ライフ」読んでみますね!
      ありがとうございます。
      2023/06/28
  • 大学を中退してフリータになった男のお話
    総菜屋でコロッケ買おうとしたら・・・
    出てくる人が皆なんかいい人で(ひとり嫌なのもいるんだが)
    主人公の人柄もあるのかな?
    主人公の成長物語な感じです
    でもまだその先があってもよさそうな感じでした
    続編はあるのかな?

  •  二十歳という若さで両親を失い、孤独の身となった正輔。人々の温かさから、生きていく上で大切なことを学んでいくストーリー。

     彼は亡くなった両親のことを思い出しながら、進むべき道を選んでいった。自分にとって大切な人は、亡くなってからも心の中で生き続ける。思い出の中から生きるヒントを差し伸べてくれる。本書から、かけがえのないことを学べた。

     亡くなった人だけではない。連絡が途絶えた人、距離が離れていった人、自分と関わった全ての人との思い出から、私は生きるヒントを貰っている。大切なことに気づくことができた。

     彼は真面目でやさしく、謙虚な性格であった。人の気持ちを考え、自分を犠牲にし、譲ってしまう。迷惑がかからぬよう、自分で解決しようとする。「頼ること」、「全て犠牲にしなくていいこと」。このふたつを周りの人達から教えられた。

     そして、譲れない気持ちを手にすることができた。彼のことをいつまでも応援したいと思った。

  • 純心だなぁ。

    聖輔のような優しく謙虚で相手を本気で思い遣ることができる子は、実際どれだけいるのかな?

    会社にも1人いる。

    子として親を亡くすのは非常に辛いことだが、親として彼のような息子を世に送り出せていたなら、自分自身の存在意義もあったのではないかと思える。

    自分は親でも何でもないのに。

    でも、この小説は本当に心がホッとする。

    薄暗くちょっと汚れている自分の心が洗われるようで。

    最後、がっくりはしなかったが、私のようなおじさんが、これ読んでてよかったかな?と焦ってしまった。

    でも、あったかくなる、いい作品だと思います。

    • shukawabestさん
      hiromida2さん
      コメントありがとうございます。遅くなってすみません。

      hiromida2さんも、大変な状況の中、こうやってコメント...
      hiromida2さん
      コメントありがとうございます。遅くなってすみません。

      hiromida2さんも、大変な状況の中、こうやってコメントをいただけていること自体が、とてもありがたいことでもあり、書かれているレビューに目を通すだけで、「よし」と励みにさせてもらっています。

      身内の不幸や母親のボケは、高齢でもあり、多くの方が経験することで、普通の出来事かもしれません。皆さん、そんな中、いろいろな思いを秘めてしっかり生活され、周囲とも冷静にコミニュケーション取られいることを思うと、「自分もいい加減しっかりせねば」と思う毎日です。亡くなった親戚は僕が50年ずっと世話になりっ放しの人で、僕自身の思いも強かったものの、ここ数年の家族の尽くし方、孝行がここまでできるのかというくらい懸命で、亡くなった後も後悔しきり、というのが、見ていてすごい愛情だなと感じていました。

      母親については、頭も身体も誰しも衰えてくるのが当然なので、様子を見て、声を聞けただけでもありがたい、という気持ちになってきました。親を亡くされた方にはそれはできませんし、この歳になって贅沢は言えないなと。

      僕よりもずっと厳しい人生・毎日をしっかり送られているhiromida2さんに本棚やレビューだけでなく、対話もしていただけるのはとてもラッキーだなと感じています。普段ガス欠気味の自分にエネルギーを注いでもらっている感じがあるので。

      今日はこのへんにします。遅くなってすみません。

      引き続き、hiromida2さんの本棚が更新されていくのをゆっくり眺めるようにしていきます。
      2022/04/03
    • hiromida2さん
      shukawabestさん

      こちらこそ、本当にありがたいです。
      大変な時に、丁寧なコメント頂き、状況がとても伝わって…しみじみ心に沁みまし...
      shukawabestさん

      こちらこそ、本当にありがたいです。
      大変な時に、丁寧なコメント頂き、状況がとても伝わって…しみじみ心に沁みました。
      私なんて、ダラダラ生きてますよ(^^;;
      私の方こそ、パワー頂き感謝してます‼︎
      お互い辛いことあっても、明るく頑張りましょうね♪ ありがとうございます。
      2022/04/04
    • shukawabestさん
      hiromida2さん

      ありがとうございます。
      明るく頑張ります。このブクログ以外にも、もう一つ、日々楽しめるものを作って・・・。

      hi...
      hiromida2さん

      ありがとうございます。
      明るく頑張ります。このブクログ以外にも、もう一つ、日々楽しめるものを作って・・・。

      hiromida2さんの本棚にもいくつか気になっている作品がありますので、また、読んだらひょっこり載せておきます。

      今日も温かいコメント、ありがとうございます。いい1日でした。いつも遅くなりすみません。

      おやすみなさい。
      2022/04/04
  • 「ひと」との出会いで人生は大きく変わる。
    一人でもきっと生きてはいける。
    感情が掻き乱される事もない。
    独りでいれば煩わしさもない。
    それは自由かもしれない。
    でも、誰かと深く関わり、共に生きていく事で、独りでは見られない景色がある。
    何でもない日常に色がつく。
    自分の弱さも脆さも醜さも認めた上で、「ひと」との繋がりはなくさずにいたい。

    一人で頑張らなくてもいい。
    頼っていいよと言ってくれる人には頼ってもいいんだと教えてくれた。
    何もかも諦めなくてもいい。
    何もかも譲らなくてもいい。
    優しくされたら、その分誰かに優しさを返す。
    それくらいでいい。
    今、その余裕がなかったとしても、いつか、少しずつ返せればいい。
    あの時の優しさに、気遣いに、本音に、いつか気がつく事が出来ればいい。

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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