- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396632977
感想・レビュー・書評
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27:以前別のアンソロジーで読んだ短編と書き下ろしを加えた短編集が発売されたというので、遅くなったのですがようやく読みました。……あの、す、すごく好き、かも……!
何かを演じている登場人物たち。その目的も理由も様々ですが、自分と、自分でない自分のわずかな隙間に、ぎゅうっと苦しくなる。文章はやさしくて、凝った言い回しや気取った表現がないのも素朴でとってもいい感じです。一番好き! と声高に叫ぶ作品ではないのだけど、じわじわしんみり、いいなあ……。書き下ろしの「小梅が通る」が素敵! おすすめです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
乙一さんの別ペンネームという噂の中田永一さん。
4編の恋愛短編。
乙一さんほどグロテスクな部分はないけれど、
乙一さんぽいと言えばぽいのかな。特に「なみうちぎわ」なんかのストーリーは。
どちらにしろ、普段あまりラブストーリーを読まないけど、
こういった少しひねりというか、種明かしがあるものだったら楽しく読めました。 -
いずれも地味で目立たない存在の主人公が、恋愛未満と言っていいくらいの淡い気持ちを頂くまでの過程を描いた爽やかな小説。プロットを要約してみるとかなりマンガ的な特殊なシチュエーションなのだが、主人公達の地味で控えめな性格もあってあまり無理を感じない。大げさな表現や無理やりな展開も少なく、淡々とした描写の中に主人公や周囲の人物の心の変化が丁寧に描かれている。恋愛に通じる淡い気持ちが芽生えるまでを描しているので、これから何かが始まる予感と共に読み終わることができ、非常に暖かな読後感の残ることも印象的だ。
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同じ作者の「くちびるに歌を」がとてもおもしろかったので。
短編4編。
「なみうちぎわ」が好き。
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元々表題作の「百瀬、こっちを向いて。」が好きで買った単行本。
改めて一冊全部読んで、表題作以外で好きなのは「小梅が通る」かなぁ?
表題作の話を人にすると自分の説明が悪いのかはわからないけれど、決まって少しドロドロした話だね、と言われる。
言われて構図だけ考えたら確かに…と思うけど実際に読んでいる時にそういう印象は全くないところがすごいなぁと感じた。
とりあえずぼくは百瀬が好きです。 -
みなさんのコメントを見て、中田永一=乙一だと知りかなり驚きました。お話はどれも素敵でした。ハッピーエンドが好きな人にはおすすめだと思います。教師と生徒のお話はドロドロになりやすいというイメージがあったんですけど「キャベツ畑に彼の声」はさわやかに終わっていて良かったです。
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短編集。
『百瀬、こっちを向いて。』は、早見あかりちゃんで映画化されてるのは知ってたけど、まだ見ていなかった。
面白かったけど、短編だしあっさり終わってしまって、なぜこれが映画化?というのが感想。調べてみたら、映画はいろいろ設定が変わってるらしい。
他の『なみうちぎわ』『キャベツ畑に彼の声』『小梅が通る』。どれも面白かった。
恋愛アンソロジー「I LOVE YOU」などで読書界を騒然とさせた話題の大型新人、初めての恋愛小説集。