百瀬、こっちを向いて。

著者 :
  • 祥伝社
3.95
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感想 : 413
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396632977

感想・レビュー・書評

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  • 「愛と恋の違いについて抱いているイメージがある。燃焼反応の化学式だ。愛とは状態のことで、恋とは状態が変化するときに放出される熱なのではないか。」

    「百瀬、こっちを向いて。」というタイトルがドキドキ。
    ずっと気になっていてようやく手に取る。
    高校生の恋愛短編集であったか。
    どうしても「桐島…」と比べてしまい、この本は主人公たちが所謂スクールカースト底辺ばかりなので歯痒いばかり。
    自分もこの頃「石ころ帽子」が本気で欲しかったから歪んだ自意識過剰さが尚更痛いんだろうけど。
    「百瀬、こっちを向いて」
    「なみうちぎわ」
    「キャベツ畑に彼の声」
    「小梅が通る」
    どれもそれなりにチクリとして、晴れない雲の中で目を凝らすような気持ちになる。あの頃のように。
    でも読後、あーあ全部書いちゃった。という気分になった。そこまで書かなくてもなあ。
    どれも素敵なお話しだったはずなのにな。

  • ・福岡が、舞台?、ということで手に取った。まだ、考え中だがそういうテーマの読書会を、みつけたので。参加できた。迷いに迷って前日。
    ・表題作
    百瀬こっちをむいてほか3編が収められてる。
    中田栄一さんは、いろんなペンネームで執筆されているようだ。

    主人公の相原くんは、地味でダサめなんだけど、神林さんや宮崎くんがちょっといない感じ。
    高校から卒業して8年ごくらいまでのはなし。
    で、宮崎くんは百瀬に舞姫渡したりして。

    んー。
    相原くん、あれだな。わたしは良かったと思うよ。久留米駅とか、博多駅とかでてくる。ストーリーとは関係ないかも。
    でも、知ってる情景が目に浮かんできてやっぱり土地ってあるかもって思い直した。

    ほおづきこわし。
    ・なみうちぎわ
    あぁ。こんなことあったら。5年も眠り続けるなんて。

    ・キャベツ畑に彼の声
    ・小梅が通る

  • 「百瀬、こっちを向いて」「なみうちぎわ」「キャベツ畑に彼の声」「小梅が通る」の、4つの短編集。

    それまで自分にとって普通の存在だった人が特別な存在になっていく、恋のプロローグの物語。
    それぞれ、いろんな「嘘」が素材になって、恋が芽生えていきます。

    「嘘」の種類によりますが・・・、
    嘘を許せるか許せないか・・って、受け取り手の思慮深さにもよるだろうなぁ・・・と思いました。
    登場人物には思慮深い人が多かった。
    読んでいて清々しい気持ちになります。

    恋の始まりとしては、「そんなのあり?」・・・という普通ではないエピソードばかりですが、「ありでしょ!」と最後には首を縦に振ってしまうような物語で楽しめました。

  • 市川拓司さんの帯を見て読んでみたんだけど、まさか短編集だったのががっかりでした。
    でも、一つ一つのストーリーがしっかりしていて読み応えがありました。

  • 4つの恋愛短編集。
    4つめの「小梅が通る」が1番好きだった。
    こんなに純粋でみずみずしい恋愛ものは久しぶり。
    学生時代はまだそんなに遠い過去ではないけれど、それぞれの登場人物たちがすごく眩しく見えて、もう遥か昔のことのようだなあ。

  • 表題作、「なみうちぎわ」は、個人的に好きだ。
    これがデビュー作?だと思われるが、今後に期待したい。

  • 愛は止められない。たしかに。

  • 四編の短編集。
    「なみうちぎわ」と「小梅が通る」が好きだな。
    ときめいて顔がにやけた。どちらも続きがあるなら読みたい。

    一時間くらいで読めたから、さっくり読みたい方におすすめ。

  • 凡庸な外見と性格、コミュニケーション能力も低く、人間レベル2の相原ノボル。

    学校一の美少女である神林先輩の恋人は、ノボルが小さい頃から親しくしている宮崎先輩だったが
    彼は百瀬とも付き合っており、神林先輩の疑いの目をそらすためにカモフラージュとして、百瀬と付き合っている設定になることになってしまったノボルの募る想い。

    他短編。

    昏睡状態から5年を経て目覚めた姫子と年下の小太郎。
    国語の教師兼作家をしていることを見破った久里子の恋。
    外見を気にしている柚木に素直な気持ちを見せてくれた寛太。

    あれだね。中村航みたいな感じ。
    しかし乙一だったのか…
    これを読んでキュンキュンできないくらいに、私はオトナになってしまった)^o^(何

  • 学生世代の恋愛小説集。
    いずれも結末は予定調和といえばそうなのですが、読みながらこちらも望んでいたので満足です。
    一番気に入ったのは「小梅が通る」。二人ともけなげで好感が持てました。
    爽やかな一冊。

  • うまく作ってあるな、という印象。ただ卑屈な主人公が三作続くのでそこはちょっと重たい。

  • 乙一の別名
    短編集。
    ブスメイクをしていた少女が外出先で素顔をクラスの男子に見られてしまい…

  • 薄影の青春

    あまり手に取らないジャンル。
    割とクラスで目立たないような人物が主人公として取り上げられている。
    同級生にからかわれたりして自己防衛のために、少し斜に構えたような厭世的な態度。
    それでいて特別な一人になりたいと望む認知欲。

    大勢の群像劇、というよりメインの登場人物に焦点は絞られ、そのやりとりで話は進められる。
    たった一人、その人の存在で世界に色がつく。
    その人に向き合いたい、見てほしい、認められたい。そうやって、人は少し変わっていく。
    個人的にはもっと動こうよ、と思うのだが、現実では少しの変化さえも難しい時があるしなぁ。
    現実でこれだけ動けたならいい方か、と思ったりも。

    高校生の一瞬のときめき

  • 『百瀬、こっちを向いて。』
    『なみうちぎわ』    
    『キャベツ畑に彼の声』 
    『小梅が通る』     

  • 短編集。個人的には表題作「百瀬」が一番よかった。
    この作家さんの本は二冊目だけど、これを読んだら
    この後も読んでみたい、と思えた。
    ちなみに乙さんの本はちょっと好みじゃないので
    二冊読んでストップしてます。
    それだけ読後感が違うという事かな。

  • 某作家さんが好きなのですが
    本、出なくなりました。
    2011年に久々に出ましたがなんかもう最近どうなのよ?と思ったら

    複数の名前で本出してたんですね…orz

    という訳で読んでみました。

    恋愛っぽいジャンルはあまり好きな方ではないのですが
    相変わらず、の独特の雰囲気がまたたまりません。

    最後の「小梅が〜」のモテない系女子の気持ち分かり過ぎる!(笑)

  • 短編集。
    ちと変わった出会い方をした人たちの恋の話。
    「小梅が通る」が好き。

  • 高校生くらいの、甘酸っぱい感じの恋愛短編小説×4。
    恋する切なさとか、苦しさもどかしさ、みたいなのがいっぱい詰まってました。

    ちょっと容姿にコンプレックス抱き過ぎかな。
    人間レベル2とか言ってるわりに、セリフがくさいかな。
    自分が高校生の時の日記読み返してみたら、そんなものか・・・と、ちょっと懐かしくなってみたり。

  • 主人公、全員根暗な短編集。表題作のものより、他の方が好きかな。

  • ある場所で立ち止まった人たちが、自分なりの一歩を踏み出す短編集。設定に捻りが効いていて、どれも優しい読了感。「なみうちぎわ」と「小梅が通る」が特に好き。

著者プロフィール

1978年福岡県生まれ、2008年『百瀬、こっちを向いて。』でデビュー。他の著書に『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』『私は存在が空気』。別名義での作品も多数。

「2017年 『僕は小説が書けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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