ドライブインまほろば

著者 :
  • 祥伝社
3.89
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本棚登録 : 452
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635572

感想・レビュー・書評

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  • 「・・・・生まれてきて・・・なんにもいいことなかった」
    「なにひとつ・・・・いいことなんてなかった・・・」
    「僕はなんで生まれてきたんやろ。なんで・・・」

    あなたのまわりにこんな辛い言葉を口にする子どもはいるだろうか

    こんな苦しい言葉をやっとの思いで発することができた小学6年の憂

    実の父にも義理の父にも虐待を受け、さらには虐待以上の酷いことまでも
    母親は男のことしか頭にない

    たったひとり家族は妹だけ
    妹を守るため憂は殺した
    義理の父を

    生きる意味がわからない
    生きる必要がわからない
    行き続けるためにずっと理由を探してきた

    「人を殺した人間」である憂が本当に求めているものは、なんなのだろうか?


    苦しくて、苦しくて、苦しくて…、だけど、最後に希望の光が見えることで救われるそんな一冊

    • 1Q84O1さん
      ユッキーさん、おいで!
      遠田ワールドへ!щ(゚д゚щ)カモーン
      ユッキーさん、おいで!
      遠田ワールドへ!щ(゚д゚щ)カモーン
      2023/12/19
    • かなさん
      1Q84O1さん、こんばんは。
      わ…私も読んだことある作品っ!
      エンディングに救いがあって
      よかったなぁ…と思ったんですよね!
      十年...
      1Q84O1さん、こんばんは。
      わ…私も読んだことある作品っ!
      エンディングに救いがあって
      よかったなぁ…と思ったんですよね!
      十年池とドライブインまほろば、行ってみたいですよね。
      2023/12/20
    • 1Q84O1さん
      かなさん、こんばんは!
      最後に希望が見えてホッとしましたε-(´∀`*)ホッ
      確かに十年池は見てみたいですね!
      ドライブインまほろばで食事も...
      かなさん、こんばんは!
      最後に希望が見えてホッとしましたε-(´∀`*)ホッ
      確かに十年池は見てみたいですね!
      ドライブインまほろばで食事も( ̄ー ̄)ニヤリ
      2023/12/20
  • 峠越えの酷道沿いで「ドライブインまほろば」を経営する女性は1人娘を喪くしている。

    ある夏に少年た幼い妹が現れて、夏休みが終わるまで置いてほしいと言う。

    そこから物語は始まるのだが、もう最初からこの少年に引き込まれてしまって一気読み。

    単にネグレクトを強調した小説ということではなく、深くて悲しくて苦しくて…。

    ただ絶望感から救ってあげたいという気持ちが何よりも上回った。

  • 苦しくて辛くてなんで読んでるんだろうと思いながら
    最後までノンストップで読ませるこの凄さに☆5

    遠田潤子4作目で一番の悲惨な境遇だった(*_*)

    物心ついた頃から実父に虐待され、継父からも虐待…
    もう凄まじい内容です。
    ただ描写は詳しくは描かれていないのが読み手にとっては救いでした(>人<;)

    「生まれてきて…なんにもいいことなかった」
    「僕はなんで生まれてきたんやろ」
    「僕には生きる意味がわからない」
    「生き続けるためにずっと理由を探してきた」

    ただひたすら妹を守るため12歳の主人公・憂は生き続けてきた。
    この少年は「死にたい」ではなく「生きたい」と願い続けていたのです。゚(゚´ω`゚)゚。

    読書は素敵な時間…
    この歳になって「素敵な話」だけで残りの人生の貴重な読書時間を使わないぞ!と思うようになりました。

    もっと深く遠田作品の良さを知りたいと思うのです。




    • まことさん
      みんみんさん。こんにちは♪

      いつも、いいね!ありがとうございます。
      遠田作品、読まれているのですね!
      私も、ブクログを始めてから、はまった...
      みんみんさん。こんにちは♪

      いつも、いいね!ありがとうございます。
      遠田作品、読まれているのですね!
      私も、ブクログを始めてから、はまった作家さんです。
      人を不幸のどん底になぜ、これ程までに、落とすのか。ですよね!
      この作品は、子どもが、とても可哀想でした。
      まだまだ、不幸のオンパレードの作品群があります。
      「アンチェルの蝶」とか。
      でも、なんか、それ以外にも、好きな作品もありました。
      「廃墟の白墨」。「雨の中の涙のように」などは、とても好きな作品でした。
      なんか、偉そうに語ってしまってごめんなさい。
      遠田作品、まだまだ、奥が深いです。楽しまれてください。
      みんみんさんの、レビュー、楽しみにしています(*^^*)。
      2022/10/20
    • みんみんさん
      まことさん。こんにちは〜♪
      遠田シンドローム発見!嬉しいです(^ ^)
      ほんとよくぞここまで…と毎回おののいてます笑
      一作づつ読んで行きます...
      まことさん。こんにちは〜♪
      遠田シンドローム発見!嬉しいです(^ ^)
      ほんとよくぞここまで…と毎回おののいてます笑
      一作づつ読んで行きますよ〜!
      連続はヤバいので( ̄▽ ̄)
      2022/10/20
  • 山の中の一軒家、「ドライブインまほろば」の経営者でもある比奈子は幼い娘を事故で亡くした経験があり、その悲しみを癒すかのような生活を送っていた。ある日、憂と来海の2人が現れ、夏休みが終わるまでここにおいてください…と頼まれ、葛藤しつつも了承し新たな生活を送ることになった…。性犯罪、DV、ネグレクト、殺人…様々な問題をはらんだ内容だったけれど、落ち着きべきところへ落ち着いた感あって、ほっとしました。十年池…見てみたいなぁ~キレイなんだろうな…、「ドライブインまほろば」のような安らげる空間も近くにあればいいなぁ…そんな風にも感じました!

  • 軽い気持ちで読み始めたのに内容のベビーさにびっくり。
    『ネグレスト』『DV』『性暴力』
    辛い内容なのに先が気になる。
    読み進めてこのまま終わってしまうのかと思い気や未来が見えるラストにホッと出来る。

    この作家の他の作品も読んでみたい。

  • 幸せな人が一人も登場しない、苦しくなる小説でした。でも、読みやすい文章と、結末を知りたすぎて、一気に読んでしまいました。
    まったく違う観点として、保育園に、孫を迎えに行くわたしにとって、この本を読んでしまったことで、ことの重大さに改めて気づかされた想いがしました。

  • 自分の名前の字を
    憂鬱の憂ユウと説明する小学生

    憂のことが心配で可哀想で
    読み終えるまでしんどかった

    結局、悪人は死んだ
    罪は償うわけだが
    命は未来は守られたのはよかった

    性被害のニュースで騒がしく
    複雑な気持ちでアイドルを見てしまうようになっていたのでこれはタイムリーな本だった
    改めて被害者の気持ちを思った

  • 「人殺しになるくらいなら、生まれてけえへんかったらよかった」
    奈良県南部の秘境の村を通る峠越えの旧道沿いで、細々と営業を続ける「ドライブインまほろば」。
    ある日、憂と名乗る少年が幼い妹を連れて現れ、「夏休みが終わるまでここに置いてください」と懇願する。
    一人娘を喪った過去を持つ店主の比奈子は、逡巡の末、二人を受け入れた。
    だが、その夜更け、比奈子は月明かりの下で慟哭する憂に気付く。
    震える肩を抱きしめる彼女に、憂は衝撃の告白をはじめた……。
    ーー愛を知らずに育った者が生きる意味を問い続ける、再生の物語。

    虐待とかネグレストとか腹立つけど、周囲の人が少しずつ良い人で・・・伯父さんも悪人なんだけど根は良い人で・・・最後ほっこりまとまってホッとした。

  • 父と義父から虐待を受けていた憂。
    事故で娘を亡くした比奈子。
    双子の弟と共に悪の道へ踏み出してしまった兄銀河。
    不幸に見舞われた3人が目指したのは、10年に1回だけ現れるという幻の池だった。

    登場人物に1人も幸せな人がいない。
    特に憂の不幸は極めつけ。
    なんで憂なんて名前をつけたんだろうと思っていたら、その経緯までもが不幸そのもの。

    いろんな親がいて、いろんな今年がいる…。
    そうではあるけど、でも、親はしっかりしないと。
    子供にとって親が全てなのだからとモヤモヤしました。

    比奈子のお母さんの立場もなかなか難しい。
    彼女はどうするのが正解なのでしょうか。
    あのような事故はきっと他にもあるはず。
    お母さんのとる行動としては、何が正解かを考えてしまいました。

    最後に救いがありホッとしましたが、良いイメージの持てないというところで印象に残る作品でした。

  • ブクログで見かけて、レビューも見ていたのでわかっていました
    わかっていたけど、なかなかに重い作品でした

    読み進めるのがけっこう辛かったけれど読むのは止められませんでした

    辛い内容でしたけど、最後には希望が持てるようなそんな終わり方だったのでほっとします

    虐待は、本当に辛いですね

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

遠田潤子の作品

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