妻の終活

著者 :
  • 祥伝社
3.84
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本棚登録 : 470
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635763

感想・レビュー・書評

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  • 号泣ーーーーー!!!!
    第7章 覚悟 から、もぅ涙が止まらなかったよ。

    仕事しかしてこなかった廉太郎と、その妻の杏子。
    仕事に打ち込むことが、家族のためになると信じて
    家庭のことを杏子に任せっきり。
    「THE・昭和の時代の親父」って感じ。

    そんな廉太郎が癌と診断された杏子のために、
    少しずつ家族に歩み寄るのが、
    可愛いじぃじだなぁーと思いながら読んだよ。
    だからこそ、もぅ、号泣ー。

    死について恐怖はあるのは、本人も
    周りの家族たちも一緒。
    それを改めて考えさせられたよ。

    そして、杏子さんの真の強さ。
    ある意味怖いし、でも優しいし…。
    それが、最後の最後に分かった。

    フォローしているshintak5555さんの感想から
    読みたくなったけど、
    読んで正解だったー!!

    • shintak5555さん
      ★5つ嬉しいデス。
      今でも思い出すと涙が!
      ★5つ嬉しいデス。
      今でも思い出すと涙が!
      2021/04/03
  • 読書備忘録574号。
    ★★★★★。
    涙が溢れました。こういう作品を電車で読むのはシンドイです。やばいと思ったら一旦読むのを止める。笑
    一ノ瀬廉太郎と杏子は70歳近い高齢夫婦。
    杏子が「明後日病院に付き添ってほしい」と廉太郎に相談する。廉太郎はいわゆる絶滅危惧種的昭和人。
    既に嘱託社員であるにも関わらず「明後日は平日だろ。仕事が休める訳ない!一人で行け!」とけんもほろろ。
    そして、杏子が病院に行った日、杏子は帰ってこなかった。家のことは一切何もできない廉太郎。外で働くことが偉くて、専業主婦は食べさせて貰って、楽な家事をやるだけの存在と思ってきた。杏子が戻って来るまでの数日で家は荒れ放題になった。
    杏子は、既に結婚して3人の子持ちの長女美智子と共に帰ってきた。怒鳴り散らす廉太郎。逆切れする美智子。静かな杏子。杏子は盲腸癌。既に全身に転移しており余命1年。
    何が起きたのか分からない廉太郎。それでも末期がんの杏子に家事をやらせてしまう。
    そして、妻が旅立つまでの1年が始まる・・・。
    夫が一人で生きていけるようにと杏子が家事のひとつひとつを根気強く丁寧に教えていく。
    廉太郎は教わる中で、これまで自分が妻にしてきたこと、負担させたこと、妻に対する態度をひとつひとつ振り返る。若かりし頃の自分を夢想する。そして心の中で若い自分にメッセージを送る。
    症状が悪化し腹水が溜まり入院する杏子。枕元で廉太郎Ver2.0が見守る。
    そして杏子が初めて心の内を言葉にする。
    「怖いの。」「痛いのが怖いの。食べられなくなってくのが怖いの。力が萎えてゆくのが怖いの。このまま目が覚めなかったらどうしようって、寝るのが怖いの。」
    「うん、うん」
    「死ぬのが、怖いの」
    「俺も、お前を失うのが怖いよ」
    「ごめんなさい、ごめんなさい」
    「謝るな」
    「あなたを一人にして、ごめんなさい」

    「あのね、お父さん。もうちょっとで庭の薔薇が咲くんですよ」
    「ああ、そうだな。また咲くな」
    「私、家に帰ってもいいですか」
    「もちろんだ」「あれはお前の家なんだから」
    そして、魂の在宅介護が始まる!
    家を顧みなかった夫が、妻の最後に直面してやっと夫婦になる。家を顧みなかった父が、やっと娘2人と一歩だけ和解する。涙が止まらん!
    熟年夫婦版「君の膵臓が・・・」です。
    ほんと、先立つ恐怖、連れ合いに先立たれる恐怖、残される恐怖。残す恐怖。

    • ほくほくあーちゃんさん
      読みましたー!!
      もぅ号泣!!!!
      これは電車では読めませんね( TДT)
      読みましたー!!
      もぅ号泣!!!!
      これは電車では読めませんね( TДT)
      2021/04/03
    • shintak5555さん
      ほくほくあーちゃんさま。
      同じ感覚だったみたいで嬉しいです。
      病室で杏子さんが弱音をはくところを思い出しちゃいます。
      やっと自分の言葉を聞い...
      ほくほくあーちゃんさま。
      同じ感覚だったみたいで嬉しいです。
      病室で杏子さんが弱音をはくところを思い出しちゃいます。
      やっと自分の言葉を聞いてくれる夫と認めたってことなんでしょう。
      もっともっと若い時から気付け!って感じです。
      2021/04/03
    • ほくほくあーちゃんさん
      本当に若いときに気づいてほしかったー!!
      でも、きっと、このような状況じゃないと気付けなかったんでしょうね。
      いやー、号泣ですね!!
      本当に若いときに気づいてほしかったー!!
      でも、きっと、このような状況じゃないと気付けなかったんでしょうね。
      いやー、号泣ですね!!
      2021/04/04
  • タイトルからして泣けるよな…そんな風に思いながら読んだけど、案の定泣きました。
    ザ・昭和の親父!の廉太郎と、その妻・杏子。
    杏子の病気が発覚し、そこから廉太郎が今まで蔑ろにしていた家族と少しずつ向き合っていく…と、まぁよくある話と言えばよくある話。なんだけど、この廉太郎がまたリアルな親父で、読んでいてムカつくし、父親を敵視する長女の気持ちには同調してしまうし、とまぁ喜怒哀楽をやたらと揺さぶられるお話だった。
    そこまで感情を掻き乱されたからこそ、第7章ではグッとくるものがあった。
    でもこのお話は他人事ではなくて、いずれ自分の家族にも訪れること。その時、この廉太郎たちのように寄り添えるかどうか、色々不安になった。でもその漠然とした不安に向き合うキッカケとなったので、単純に良いお話だったというだけでなく、そう言った意味でも読んで良かったなと思う。

  • お父さんがどうしても苦手。
    この時代のヒトはこうだなぁ。

  • 二人はいつか一人になる

    子供達にはわからない
    夫婦でしか分からない気持ちってあるから
    案外お母さんはこのお父さんで幸せだったのでは

    読む側の年代でそれぞれ
    受け止め方が違う本だと思った

    白い薔薇が印象的でした





  •  夫は仕事一筋で家庭を顧みなく、不都合が生じると仕事を言い訳に目を逸らし、または妻に責任を押しつけ暮らしてきたが、ある日、娘や妻から妻が検査の結果、末期がんで予後1年と知らされる。

     女性の方が一般的に男性より平均寿命が長いから自分より先に妻に先立たれることはない、と思っている男性は多いと思います。ここに出てくる夫も同じ。
     この夫は更に、言葉ひとつとっても思いやりに欠け、いつの間にか家族との溝ができ、家庭での居場所を失ってしまいますが、本人は気づいていません。
     妻の病をきっかけに、自分がいかに妻に支えられて生きてきたかを痛感します。でも最初は現実や近い将来、妻がいなくなると受け入れられない。
     妻もこのままでは自分がこの世を去ったあと、一人で暮らせないだろうと案じます。

     家庭のキーパーソンを失う事の重大さを感じ、病の受容や、患う人の残された生活の尊厳、個人の自立した生活とは…など、色々考えることが多かった一冊。

     昭和時代の古い考えを引きずったままの夫の言動に、いちいちイラッとしてしまったりもしたのですが…(汗)

  • 母の事を思いだしました

  • とにかくムカつくなこの昭和爺さん!とムカムカしながら読んでて(実感こもりすぎ)最後は良かった~と思ったところからの!!!うーん。奥さんは幸せだったのかなぁ。心配事は無くなったから少しは気が楽だったのかな。

  • 亭主関白で家庭を顧みない。
    そんな夫であり父である男の妻が
    余命1年と宣告される。

    妻の終活を迎え、変わろうとする姿が
    いじらしい。
    でも遅いんよねー。

    家族が生きてるうちに、というか
    日々感謝しながら暮らしていこう。
    そんなことを痛感しました。

  • これは廉太郎世代の男性はすべからく読んだ方がいいのでは…

    正直、このクソ親父!お前が!!死ねばいい!!くらいの気持ちになるのだけど、それがこの作品のすごいところだよなぁ。
    だって、実際のところこの世代の男の人、こういう人が多いもの。

    ただ、残された少ない時間で廉太郎が香子さんへの感謝と愛情を伝えていくところはすごくよかった。でも、それはもっと早くできたはずだし、もっと大事にすべきだったぞ。

    でもラストの廉太郎の過去の裏切りエピソードはほんと胸くそだったなぁ。

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂井希久子の作品

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