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- Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
- / ISBN・EAN: 9784400623373
感想・レビュー・書評
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今年はモーツァルト生誕250年ということで「モーツァルト・イヤー」の様相を呈している。本書は神学者バルトによるモーツァルト論。本書の一章は彼の「教会教義学」からの抜粋であるところが興味深い。彼は自らの組織神学の体系の中でモーツァルトを論じているのだ。バルトによると、モーツァルトの音楽は「創造の善性」を映し出すものである。それは彼が、「あくまでも何か自分を語らずにはいられない、いや語りたくてならぬ、そういった痙攣からは驚くほど自由であった」ということと無関係ではあるまい。「みごとな音楽というものは、おさなごのように万物の中核を知りつくしていなくては生まれてこないものだ」。多くの一流の神学者や思想家が音楽にも造詣が深いのは、おそらくロゴスの深みを知り抜こうとするからこそ、その限界をも理解するに至るからなのだろう。バルトは信仰についての思考をめぐらすことについてさえも、その限界を認識していたように思われる。「天使たちが神を讃美しようとして、ほかでもないバッハの音楽を奏するかどうか、これには絶対の確信はもてない。・・・・・・けれども、彼らが仲間うちで相集ったときには、モーツァルトを奏し、そのとき神様もまたその楽の音をことのほか悦んで傾聴なさるだろうこと、これは確かだ」
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