ゲゲゲの女房

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 223
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408107271

感想・レビュー・書評

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  • ドラマも映画も見ていない。
    ただ、今の女性には珍しい健気な妻の話というので、
    「あら、私かしら(笑)」と思って読みたいと思ったのでした。

    貧しい時代や、いろんな場面場面がついつい自分と重ねてしまう。
    こだわりを持った人の伴侶になるというのは本当に大変なものだ。
    でも、水木さんは家族を思いやってとても優しい方だ。
    有名になって忙しい時代は、水木さんも毎日ピリピリして、
    奥様もかなり辛い時もあったようだけど。
    「20メートルの家出」の場面は、私も涙してしまった。
    気持ちがわかり過ぎて。
    「すべてを受け入れるだけの人生」です。私も。

    「人生は、終わりよければ、すべてよし」
    と私も思える日が来るだろうか。
    よく頑張ってここまで来たねと自分を褒めてあげれる人生だといいな。

    とても読みやすく、素敵な本でした。奥様に感謝。

  • 水木さんとお見合いする場面から俄然面白さが加速してわーっと読んでしまいました。朝ドラは見なかったけれど、きっと面白かったのだろうなとちょっとだけ後悔。続編が出ているのは知らなかったです。いつかそれも読んでみたい。

  • 水木しげるに対する印象が良い意味で変わった。とてつも無い苦労と修羅場をくぐってきた経験、そして努力があった上での緩いメッセージと画風。もう1度水木作品を読み込んでみようと思った年末年始、

  • テレビの再放送をちょっと見て、来年から耳にするようになる地方の言葉が気になって、図書館で借りてきた。読みやすい文体からつたわってくる著者の人柄に、癒されるような、心地よさを味わいながら、ゆったりと読了。確かに今とは時代が違い、結婚への考え方、女性としての生き方も違うわけだが、著者の言う、「結婚、就職などの人生の入り口でその後がすべて決まってしまう訳ではない」し、そういう考え方に我々がとらわれてしまいがちではないか、という指摘は説得力を持つ。
    受け身の人生だったのかも知れないが、その中に、水木しげるという男を心の底から信じきるという、ある意味で「強い」生き方を貫いたと言えるのではないだろうか。
    誰もが幸せと思える人生を送れるとは限らない。しかし、一つの考え方、生き方として、「おわりよければすべてよし!」と言い切れる水木夫妻の幸せを読者が共有、共感することが出来る本書の意図は成功している。

  • (2016.01.07読了)(2012.10.27購入)(2010.03.19・第10刷)
    副題「-人生は……終わりよければ、すべてよし!!-」
    漫画家、妖怪研究者、水木しげるさんが、2015年11月30日、93歳で亡くなりました。
    追悼を兼ねて、積読のこの本を読んでみました。興味深く読めました。
    朝ドラで、放映されたのは、2010年です。当時は、まだ勤めていたので、土曜日ぐらいしか見ていませんので、どんなドラマだったのかは少ししかわかりませんでした。
    この本の内容だけでは、6か月のドラマにはならないので、脚本家がほかの資料に当たったり、想像力を膨らませて作り上げたのでしょうが、見て面白いドラマにはなっただろうと思います。
    水木しげるさんの本名は、武良茂さんということです。茂さんが39歳、布枝さんが29歳の時に結婚しています。お見合いをして、5日後の結婚だそうです。
    結婚前の話では、茂さんの収入はそこそこあるという話だったのが、結婚してみたらそんなに収入はなくて、質屋通いの多い状態だったとのことです。
    「月刊ガロ」編集者として、南伸坊さんや松田哲夫さんなどが登場します。
    1965年に「別冊少年マガジン」に掲載された『テレビくん』が講談社児童漫画賞を受賞して、やっと次々と仕事が舞い込むようになった。
    忙しくなって、アシスタントを必要なったときには、つげ義春さんや池上遼一さんなどが登場します。
    水木さんの代表作は、「ゲゲゲの鬼太郎」ですが、最初は、「墓場の鬼太郎」として断続的に連載していた。
    1966年には、「悪魔くん」がテレビアニメとして放映された。
    1968年に「ゲゲゲの鬼太郎」がテレビアニメとして放映された。
    1982年には、ハワイへ家族旅行に行っています。1984年には、家族でヨーロッパ旅行に行っています。水木さんは、ゲーテが好きなので、フランクフルトでゲーテの生まれた家を訪ねたときは興奮していた、とのことです。
    1991年に水木さんは、紫綬褒章を受賞しました。

    【目次】
    一章 静かな安来の暮らし
    二章 結婚、そして東京へ
    三章 底なしの貧乏
    四章 来るべきときが来た!
    五章 水木も家族も人生一変
    六章 名声ゆえの苦悩と孤独
    七章 終わりよければ、すべてよし
    あとがきにかえて

    ●原稿料が入ったら(71頁)
    お金が入ったといっても、いつ次にお金が入ってくるかわからない状況だ(中略)から、そんなぜいたくな品を買わずに節約を続けてはどうかしらといったのですが、水木の考えは違いました。いつ次に入ってくるかわからないのだから、あるうちに、食べたいものを食べ、飲みたいものを飲みたいというのです。
    ●お守り(82頁)
    水木は、家族や親戚から、山ほどもらったお守りをすべて、門司からパラオに行く船から海に捨てたといいます。こんなにたくさんの神様に頼んだら、神様同士が喧嘩してしまうのではないかと考えたからだそうです。
    ●生きる意志(84頁)
    お守りを全部流したのも、本当は「神様の喧嘩」なんかが理由じゃありません。自分の「生きる意志」こそが、自分を守ってくれると信じていたからだと思います。
    ●奥さん(237頁)
    水木は以前、雑誌の編集者に「奥さんはどういう人ですか?」と聞かれて、
    「『生まれてきたから生きている』というような人間です」
    と答えたそうです。
    ●選んだ道で(250頁)
    どんな生き方を選んだとしても、最初から最後まで順風満帆の人生なんてありえないのではないでしょうか。人生は入り口で決まるのではなく、選んだ道で「どう生きていくか」なんだろうと、私は思います。

    ☆関連図書(既読)
    「総員玉砕せよ!」水木しげる著、講談社文庫、1995.06.15
    (2016年2月20日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    巨人・水木しげると連れ添って半世紀。赤貧の時代、人気マンガ家の時代、妖怪研究者の時代、そして幸福とは何かを語る現在…常に誰よりも身近に寄り添っていた妻がはじめて明かす、生きる伝説「水木サン」の真実!布枝夫人にとって、夫と歩んだ人生とは、どんなものだったのか…!?水木しげる夫人が、夫婦の半生を綴った初エッセイ。

  • すごい、の一言。
    手塚治虫や石ノ森章太郎に比べて長生きしているのは、たくさん寝てるから。
    あと、好きなことで生きていることと、逆境が長く続いても、成功するのが当たり前だと思っていたこと。

  • 素敵 苦労 円満

  •  水木サンの漫画でものすごく印象に残っているコマがあって。

     水木サンの漫画の解説でもどなたか書いてらしたと思うけれども、水木サン本人が自宅に悪魔をつれて帰ってきた話があって、水木サン宅でわがもの顔の悪魔を奥さんが見て「よく食べる人ねえ」ってぼやくコマがあるんですが、この奥さんの動じなさが、まったく水木サンの奥様そのものだったんだなぁ、と読んでいて思うのでした。
     鬼太郎とねずみ男が水木サンの家に住んだとき(『ゲゲゲの鬼太郎』(7、講談社)収録「朧車」)も、「あんた顔がすこし似てるからって……あんな気味悪いもの引っぱり込んでどうするのです?」って奥さんのセリフ。当然漫画に出てくる奥さんも実際の奥さんがモデルなんだろうな。
     水木サンが「『生まれたから生きている』というような人間です」って奥様を評しているけど、生きていることに動じないというのがどれだけすごいことか。ここまで動じないからこそ、水木サンも怪奇に足を突っ込むことができたんじゃないかなぁとか、そんなことを思いました。
     お手伝いのライターの方がどのくらい手伝ったのか(ものすごく読みやすいので)首をひねるところはありますが、ある日本の奥さんの自伝として、すんばらしくよく書けていると思います。
     この自然な動じなさが、なんといっても好きなところだ。

  • 朝ドラをちゃんと見ていなかったので、今更ながら読んでみた。水木先生がサインで書く「なまけものになりなさい」とは、「なまけものになれるように努力できるときに努力しておけ」という意図だったと初めて知った。血のにじむような漫画家生活の末の言葉は重みが違う。

  • 読むことができてよかったな、と思った作品です。
    本当につらい時期が多いです。
    そう、自由業と言う職業は
    決して安定と言う要素がない職業。
    なのでがむしゃらにがんばらねばならない…
    と言うのはなおさらだったのでしょう。

    そして心に残ったのは
    努力は見えるようにしてはいけないということ。
    これは確かにそうだなと思いました。
    ひけらかす努力は努力とは言わないですし。

    やさしい雰囲気の漂う本です。

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