時を巡る肖像 (ジョイ・ノベルス)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408505015

感想・レビュー・書評

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  • 絵画修復士の御倉瞬介を主人公とした美術系ミステリ。ガチガチのトリック→ロジックというよりは、医学や化学の理論を用いた設定や、美術家の情や業がメインとなった作品集といった印象。
    『ピカソの空白』
    事件の設定自体よりも、冷泉朋明の性格が一番の謎となっている作品。
    『『金蓉』の前の二人』
    自画像を中心として、人としての業が描かれている。
    『遺影、『デルフトの眺望』』
    ダイイングメッセージは知識がないと解けないけど、それを残そうとした男の感情が心を暖かくさせる。
    『モネの赤い睡蓮』
    謎解きの場面までに描かれた些細な描写が手がかりとなってくる、直球の謎解き。なのだけど、心に残っているのは藤崎ナツの複雑な心情。
    『デューラーの瞳』
    トリックも非情に魅力的なのだけど、やはりこれも登場人物の複雑な心情が一番の魅力になっている。

著者プロフィール

1959年、北海道生まれ。1994年に「密室の矢」が読者投稿アンソロジー『本格推理3』(光文社文庫、鮎川哲也・編)に採用され、以降も「逆密室の夕べ」と「ケンタウロスの殺人」の投稿作品が採用された。98年、長編「3000年の密室」で作家デビュー。代表作は「時を巡る肖像」「密室キングダム」。日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブの各会員。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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