たびを: 花村文学の旅立ち

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (1005ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408534855

感想・レビュー・書評

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  • この本を読むのにはかなりの決心を要した。なんと言っても上下段で1000ページを超えるボリュームだ。それで、今読み終えたばかりだが、読んで良かったと心から思える。そして、これだけ読みながらワクワクできる小説もなかなかない。少々大袈裟だが、あの時読む決心をして良かったと思う。

    これは旅の物語である。旅とは、出会いであり、人生である。この物語の主人公の虹児は、日本一周を目指し、スーパーカブで旅に出る。スーパーカブってのがまたいい。そして、色々な人と出会う。そして、登場人物はみんな魅力的だ。旅はいいな。出会いはいいなと情景にも似た想いを抱いた。同時に、一緒に旅をしているような得をした気分にも浸れた。
    旅をしながら、虹児は、たくさんのいい女と出会う。そしてモテる。そんなに都合良くいくか?と思いながらもなんとなく許せてしまう。花村萬月にはそれだけの力がある。
    とにかく読んで損はない作品。またこのような作品に出会いたい。

    • chie0305さん
      わあ、この本読み終わったんですね!花村萬月さんも気になってる作家さんの一人です。長女の受験で今、読書が中断していますが、
      手元の本を読みお...
      わあ、この本読み終わったんですね!花村萬月さんも気になってる作家さんの一人です。長女の受験で今、読書が中断していますが、
      手元の本を読みおえたら(随分ある…)読んでみたいです。
      2017/02/13
  • 二浪中の谷尾虹児、同級生でヘルス嬢の野島モモの死に傷心、彩香への贖罪。そんな沸々とした日々を過ごすときに賀曽利隆「極限の旅」に魅せられ、スーパーカブで日本一周の旅に出る。東京から時計回りに東海、紀伊半島、四国、南九州から北上、山陰、北陸、東北、北海道一周、東北太平洋側南下、房総半島を抜ける約3ヶ月の旅。途中、何人もの男女のライダーと出会い、行動を共にする。そして、友情も芽生え、束の間の恋も経験。伊良湖岬で出会った優子との京都での一ヶ月の生活が印象深い。いろんな経験が虹児を成長させた旅だったんだなと思った。

  • 1000ページを越える大作。読了に約10日かかった。少年がホンダスーパーカブで日本一周の旅に出る。行き着くとこで様々な人と出会い親交を深めいろんな体験をする。読んでいるうちに自分もその土地に旅しているような錯覚を覚えた。泣ける場面あり頑張れって応援したくなる場面、感動する話し。最高傑作だと思った。再読してみたい。

  • スーパーカブの旅とエッチ。ときどき文学。

    ■あらすじ。
    さえない19歳の青年がある事情によりスーパーカブで日本一周の旅に出ることに…
    旅先で起こる様々な人間ドラマと恋愛、ひと夏の青春をちょっぴり文学を交えて巡る超大作です。


    ■読書感想文。
    1005ページ・約1キロにも及ぶ超分厚い小説ですが、この重厚な面持ちとは裏腹に、カブでの日本一周と旅先で起こる恋愛に一喜一憂し、道中で感じる文学的思想に心が揺さぶられます。
    小説に出てくる登場人物たちは、とてもキャラクターがたっていて、いい人もいれば主人公と同じ気持ちで早くこいつ居なくなれと思わされる曲者も登場するわけですが、文学的視点を交えて描写しているので、人の生き方とか魅力とかを好き嫌いを超えた部分で改めて認識させられます。
    カブが好き・恋愛物語が好き・旅小説が好きという方には、おすすめです。
    私はこの作品に出てくる京都の女性に惚れました。「あぁ、あんな女性に囲われてみたいっ。」

  • 長い けど好き

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『ブルース』『笑う山崎』『二進法の犬』「武蔵」シリーズ、『浄夜』『ワルツ』『裂』『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『対になる人』など。

「2021年 『夜半獣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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