花や咲く咲く

  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536293

感想・レビュー・書評

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  • H29/6/18

  • なんかじわじわ来た。                 本当に「戦争なんて」という気持ちになる。 当たり前だった日常が少しずつ崩れ落ちていき、自分の気持ちの在り方さえわからなくなる様子が切なくなる。          決して非国民なんかではなく、当たり前の感情だと思った。

  • B29が本土爆撃を開始した昭和18年夏、その緊迫した情勢のなかで闇物資の布でブラウスを仕立て戦後のファッションシーンを夢見てはしゃぐ少女たちには違和感を抱くところなのだが…
    しかし思い起こしてみれば我が国では直接戦闘は行われておらず主要都市は焦土と化したものの男達が出征して行くことでしか戦争を実感できない地域が殆んどであったのは間違いない事実。
    つまりこの長閑に見える少女たちもひめゆり部隊の悲劇の少女たちも実は同じ時代に生きた少女たちなのである。
    中三の教科書に載ったそうだがこの新しい戦争の描き方に挑んだあさのさんの想いをきっと感じ取ってくれる若い感性があることを信じたい

  • 戦争中の普通の女の子4人の、日常。
    じわじわと訴えてくる。

  • 泣けた…がっつり泣けた

    戦時下の女学生のはなし
    ファッションに興味がある女の子たち

    学校や社会が押し付ける軍国主義に染まりながらも違和感や矛盾をかんじる
    でも国のためにという気持ちはきちんとある

    そういう感覚はたしかにあったんだろうな(無心に信じてたひともいただろうし)
    疑問をかんじながらもそういうご時世だからと耐えていたお母さんのような人もきっといっぱいいて

    でも今、お話になるとどうしても反戦とかそういうのが当たり前で
    戦争がいやだというのが当然って前提になるから
    「ほんとに当時こんなこと思えたのかな?」って思っちゃうけど
    まぁでもそうだったのかな

    食べ物や勉強したいという気持ちやおしゃれしたい気持ちや笑いたい気持ちを
    我慢しなければならない社会と
    いけないとわかっていながら欲してしまうところがリアルかな

    健気でかわいそうで泣ける

  • 戦争が始まって、激しくなって、敗戦を迎えた日本のある女の子たちの話。おしゃれに憧れたり、そんなところは今と変わりないなと思った。平和、幸せ。

  • 暗い時代の中に希望や将来があふれてて,なのに最後に完全なハッピーエンドにしないあたりが「らしい」かなーと思った。

  • 戦争で戦っていたのは兵隊さんだけじゃない。
    過去が有るから、今がある
    幸せって、平和って…

  • 昭和18年、女学校に通う三芙美。
    理不尽な事も口に出しては言えない時代。
    笑顔も許されないけれど、友達4人で過ごす時間は笑顔が溢れる。
    三芙美の母親の凜とした姿が潔い。
    戦時下の話だが重くなり過ぎず読み易かった。

  • 終戦記念日に読んだからというわけではないが、胸にこっそりと、いつまでも残るだろう1冊。

    私も縫い物をするので、美しい布を前にしたときの少女達の心の昂ぶりが痛いほどわかる。戦時下の4人の少女達の夢は・・・儚い夢、切ない夢、けれど大きな大きな彼女たちの夢。哀しい時代に夢を抱き続け、友を想い続ける強さ優しさが胸に迫る。
    こういう視点からの戦争小説が出てくることに嬉しさを感じつつ、一緒になって笑い、ワクワクもし、心配して、泣いて・・・
    及ばない想いを馳せる一時だった。

著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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