一億円の犬

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408538464

感想・レビュー・書評

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  • 私自身、犬を飼っているので読みながらイライラしていました。ふと気づくと流れが変わり、一気に呑み込まれます。前半でイライラしていたことなど忘れ、一気読み。ダメダメな主人公を救いすぎないところも今っぽくて微炭酸のサイダーのような味わい。 #読了 #ブクログ

  • 六本木のセレブ妻という設定で【保護犬さくら】の漫画をSNSに投稿している梨沙に書籍化のオファーがくる。
    嘘を真実にするため、さくらに似た犬を探し始めた梨沙は…

    「嘘」「罪」「犬」がテーマ
    物語が動く後半から面白くなり一気読み!
    作者の犬愛が溢れる作品
    ただただ主人公の犬が健気で可愛い
    思わず涙ぐむラストも良かった!

    「犬はかわいくてもアクセサリーやぬいぐるみではありませんから。大切な命なんです。飼い主次第で幸せな一生にも、不幸な一生にもなります。」

  • 六本木のセレブ妻が保護犬を飼うと言う設定のSNSの投稿でインフルエンサーになった小筆梨沙。そんな梨沙に書籍化のオファーが出版社から掛かる。何としても本を出版したい梨沙はどんどん過激な方法に出て…

    本を出したいからと嘘で固めようとする梨沙も浅はかですが、死体は出てくるし襲われそうになるし、とんでもない展開でハラハラしっぱなしでした。主人公である梨沙も全く共感出来ず、若干引いてしまいましたが、それでもタイトル回収は秀逸でした。

  • 誘拐ものだと思っていたら全く違った。

    SNS上で<保護犬さくら、港区女子になる>の漫画を投稿する梨沙が主人公。
    六本木のタワマンに住みダーリンは高級官僚、財閥の血筋で大学時代はミスキャンパス。
    だがその実態は…。

    いけすかない主人公だが、書籍化のオファーが来た事で舞い上がり、年収一億円を夢見て、嘘を誠にする為に動き始める。

    嘘で塗り固めた彼女が騙される側に回ったり死体を発見したりと、まさにジェットコースターサスペンス。

    とんでもない展開ではあるもののリーダビリティの高さで一気読み。

    最後の場面は涙腺が緩む。
    面白かった。

  • 犬を飼う人に向けての注意喚起
    命の重さ
    犬からの嘘のない愛
    人は変われる、善くも悪くも

    保護犬が無事で飼い主の元に帰れて本当によかった。

  • SNSに投稿していた架空の港区女子のセレブ生活。そこに載せていたこれまた架空の愛犬の漫画を書籍化したいという話が来たことから物語は動き出す。港区に住んでなければ犬も飼ってない。その嘘を誤魔化すために危ない橋を渡る主人公のサスペンス(スリラー)がもう抜群に面白い。これだけ聞くと「ただペットショップで犬を買えばいいのでは?」となりそうだが、過去のSNS投稿との整合性が制約として効いてくる。ミニマムなシチュエーションでもサスペンスは生み出せるという好例。そこに二の矢三の矢で殺人事件や詐欺事件が入ってきて事態はカオスにwどう考えても自業自得な事案をしっかり感動的なイイ話に着地させたのも凄い。しかし承認欲求とは恐ろしいものである。

  • 高級なイッヌを誘拐したりする話かな
    って思ってたけど
    ぜんぜん違った

    承認欲求とお犬様のすばらしさを交えた
    とんでもミステリーだった
    主人公のうそつきっぷりが
    最初はものすごくイヤなんだけど
    そこまでやる?!って突き抜けっぷりに
    だんだん愉快になってきて
    お犬様セラピーで改心していくさまは
    ダメな子の成長を見るようで
    がんばれよ!って気にな…るかな?
    多少なる、はず、たぶん…

    さくさく読めたので
    星は4つでもいいなーの3つ

  • いやー面白かった!と大きな声で言いたい。青南さんの小説の集大成ともいえるような内容。サイレント・ヴォイスで絵麻が対峙してきた様々な「嘘つき」たちの姿が呼び起こされる…。
    SNSで幸せな港区女子を演じる主人公が、自らの嘘をつき通そうとしてドツボにハマっていく話。早々に物語の筋は分かるんだけど、そこからの転調がおもしろく、この人一体どーすんの?どーなんの?と最後まで飽きさせない展開で一気読みでした。伏線回収も何気にすごかったし、ラストは泣いちゃった。まさかこんな結末を迎えようとは!っていうか、この小説に泣かされようとは!
    くだらなくて薄っぺらで惨めで、そんなことはわかってんだけど、それでも主人公・梨沙が、登場人物たちが、そしてひょっとしたらわたしも、しがみつきたかった/あるいは守りたかった何か。”何者か”でなければ認められない(ような気がしてくる)SNSの世界で、自分のままでいることの難しさと、演じることの虚しさ…ほら吹き男爵ならぬ、ほら吹き女男爵である梨沙の人物描写が真に迫っていて、こんな大ウソツキははよ地獄をみろと思いつつも、なぜか同情してしまうし、いつの間にか「がんばれ」って拳握りしめてる自分がいる。こういう人、『ねほりん●ほりん』でみたよ!
    あと、相変わらず青南流「愛犬家」の描き方が絶妙にシニカルでお見事でした。
    もうわたしは、明日から何を信じればいいのか…!
    犬を信じればいいですね、ありがとうございました。

  • 「犬を盗む」が楽しかったので、同じ作者の犬繋がり…?と読んでみた。全然別物てすが、こちらも犬好きには面白い本だと思います。
    主人公は自己保身や見栄のためにウソばかりついている32歳の梨沙。SNS にセレブ偽装投稿をし、犬を飼っていると言ったもののもちろん写真撮れずに割りと得意な日常マンガを上げる。しかしそれが少しうけてフォロワーが五千に。本を出したいという編集者も来る。そのうち保身のために設定そっくりの犬を手に入れようと画策する。
    主人公の梨沙にいいところが何一つなくて、共感できず、読むのが辛かったが、二章後半辺りからそれすらあまり気にならなくなって一気に読めました。
    殺人シーンやグロい表現はないものの、死体の描写などあるので、小学校はむいてない。

  • それほどサスペンス感はないかなと思ったけど、読みやすくて面白い内容でした。
    犬好きの気持ちや、それを冷めた目で見る犬好きではない人の気持ちが的確に描写されているのはおもしろいですね。
    嘘で塗り固められた主人公の女性と、それに影響を与える一匹のわんこの物語でもありました。

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著者プロフィール

佐藤青南
一九七五年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、二〇一一年同作でデビュー。一六年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズ、絶対音感刑事・鳴海桜子が活躍する『連弾』『人格者』『残奏』など、著作多数。近著に『犬を盗む』『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』『ストラングラー 死刑囚の逆転』がある。

「2023年 『残奏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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