吸血鬼の原罪 天久鷹央の事件カルテ (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408558349

感想・レビュー・書評

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  • 【請求記号:913.6 チ 】

  • 「吸血鬼連続殺人事件」
    肌にコウモリが描かれて。
    どれだけ劣悪な状況で働かされているとはいえ、それを告発したとしても現状が改善され働き続けることが出来るかどうかも怪しいと思うと言い出せないだろうな。
    犯人だと思われる姿を見てしまったというのに、連れ去れることもなければ口封じもされることなく放置されているのは重症な情報は得られてない自信でもあるのだろうか。

    「水晶の吸血鬼」
    身体と共に心も蝕んで。
    家族を養うために海を渡ってまでやってきたのだから、何がなんでも稼いで仕送りを続けなければならないという縛りが逃げるとう選択肢を消してしまったのだろ。
    意思の疎通が出来て精神的にも安定していれば早い段階で可能性を見出せたかもしれないが、錯乱したままの状態で答えを見つけ出すには少し時間が足りなかったのだろう。

    「血に溶けた罪」
    罪を償うために集めた。
    最期の告白を誰かが態と口にしない限り真実を知る術などないが、彼女が生き続けている限り治療という名の遺物である罪が身体の中を巡り続けているのだろうな。
    病魔に冒されて終わりを迎えるから誰も司法解剖などしようとしないだろうが、もしそんなことをするとなったら身体中から消えたものに気付かれて最悪な結末を迎えるな。

  • 血を抜かれた死体が見つかった。そして必ずコウモリのタトゥーが体に描かれており、近くに水晶があった吸血鬼連続殺人事件を鷹央先生、小鳥、鴻ノ池は解決に導けるか。自分のせいで病気になった彼女を救う為怪物になった医師であったが余命も少ないからこそ非情になれたのだろうか。しかし外国労働者を利用し、命を奪った罪は重い。

  • 地元が舞台、そして前々から気になっていたシリーズだったこともあり即決。
    さくさく読み進められた。
    登場人物のキャラクター性がしっかりとしている。コミカルなやり取りが◎

    技能実習生の問題は知ってはいたけど…せっかく日本に来てくれてる方々の末路がこの物語のようでないことを願いたいです。

  • 面白かったけど、、すごくすごく面白かったけど、、技能実習生への扱いに胸が苦しくなった。

  • 長編の新刊。
    例によって読みやすい文体。医療の観点からの謎解きは今まで以上に読んでいて楽しい。
    非情な犯人に絶望と後悔、そして本当の「地獄」を理解させる…という結末も個人的にはよかった。鷹央がやったことは一種の脅迫ではあるが、犯人にふさわしい結末だと思う。実際には脅迫を実行に移していないわけだし。
    警察側の後処理は大変だろうとは思うが…

    気になった点は会話のテンポやセリフ回し。
    よく言えば平易で読みやすいが、悪く言えば漫画やゲームなどのテンプレートのような気がしなくもない。小鳥遊と鴻ノ池のノリツッコミなどの会話シーンで特に感じた。
    表紙イラストをいとうのいぢ氏が手掛けていることもあり、そういった創作物に慣れている読者が多いと思うが、医療やミステリーものとして初めて読む読者は混乱するかもしれない。

    また今作ではなく過去作で鷹央がアスペルガーを自認していることが明らかになったが、それ以降の作品で空気の読めなさや常識のなさが目立ったように感じてしまった。天才キャラ=非凡ゆえに非常識、というキャラ設定は鉄板だが…障害だと明言されたことが足を引っ張ってしまっている気がする。

    取り留めなく書いてしまったが、今作も良い作品だった。
    次作にも期待。

  • 有川二号?

    いずれフェードアウトするにしても、このシリーズはこの版元で完結させないとね。

  •  表紙に違和感が無かったため気付かなかったが、よく見ると出版社が変わったのね。
     既刊もこちらに移行するようで、その際掌編が追加されて完全版になって刊行されるらしい。
     嬉しいんだか苦しいんだか。
     このレーベルで刊行順に読むと順番が滅茶苦茶になることは正しく理解した。
     長編の方。
     タイトル通り吸血鬼が犯人であるかのような事件が起き、診断知識と推理力・行動力で解決する流れ。
     メインの症状は医学知識が無いとどうにもならないが、周辺事象は医学素人でも推測できる感じかもしれない。
     完全版どうするかな…。

  • なかなか難しい病気だったけど、知ってた〜^_^
    なかなか面白かった^_^

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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