自分の中に孤独を抱け (青春文庫)

著者 :
  • 青春出版社
4.06
  • (40)
  • (33)
  • (25)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 936
感想 : 48
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413096690

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 正直、「自分の中に毒を持て」の二番煎じ、岡本太郎ファンを釣る作品くらいの気持ちだった。
    だから、買わないつもりでいたが、なんとなく気持ちも、弱っていたし買ってみた。

    上のように書いたが、とはいえ、やっぱり岡本太郎の文章である。
    ただ読んでいるだけで、本当にパワーが湧いてくる。
    最後の巻末の言葉
    構成社者の平野暁臣さん
    「"キミはキミのままでいい。弱いなら弱いまま、誇らかに生きてみろよ"そう言っているだけです。
    そうやって生きたのが岡本太郎なのです。」

    最後にこの文章を読むと、岡本太郎が、「弱くても、弱い事を分かって我を貫く、そこにパワーがある」という事を言っていた事が思い起こされてより、味わいがじわっと出て、とてもいい。

  • 部署異動で孤独感を味わった帰りに買いに走り、次の日から精神的に武装して出勤できました!笑

  • 文化の基盤になるのは、けっきょくは自分自身だ。

  • 太郎読んでると、自分がどんどん無駄に大人になってきたのかもしれないと思ってかなしい。
    でも太郎を読んでいない時は大人になりたい、いつも冷静さを持っていたいと思っている自分がいる。
    社会人になったらもっとこんな風に思ってしまうんやろうか。絶対一生定期的に読み返す、心臓にパンチ入れてください。
    「不器用な祖先は地上にとり残された」のところだいすき。

  • 太陽の塔を見に行った時、感化されて買ったこの本。私から見る岡本太郎の印象は"尖っている"。でも岡本太郎は尖っているとゆうよりかは"燃えている"という表現の方が近いかもしれない。読み終えてから、全部かかってこいとゆう強い気持ちと、勇気をもらえた。どんな自分も受けいれて朗らかに生きようと思う。自分と思い切りぶつかって向き合い、ど根性で馬鹿みたいに生きてやると思った。岡本太郎は言葉にできないようなうちに秘めた憤りを言葉にするのがすごく上手で、私はものすごく大好きです。

  • 個性的な岡本かのこを母にもつ、「芸術は爆発だ!」の強烈なインパクトの岡本太郎は、理解出来ない遠い人だった。この本を読むまでは。

    でも、今は違う。
    正直なところ、芸術的な細部は難しいと感じたが、岡本太郎を貫くスジは、カッコいいし、その思いは強いが温かい。とても意外だった。元気と勇気ももらえた。

    現代社会の私たちが知らず抱えている空虚感、
    『自分の生活と働くことの関係、つくるという初原的なやろこびと現実の労働とのくいちがいからくる一種の絶望感。それが今日の不幸だ。・・・社会生活のなかで自発性を失い、抑えられている創造欲がなんとかして噴出しようとする。だれもがそういう気持ちをもっているはずなのに、手段が見つからない。・・・』に、納得し、胸に熱いものが込み上げた。それは、今のわたしに必要な言葉だった。

    『大切なのは絶対的な創造の意志であり、そこにある感動だ。自分の生活のなかで生きがいをどのように溢れてさせるか。自分の充実した生命、エネルギーをどうやって表現していくかーーー。
    実際の形、色、音にならなくても、心のなかですでに創作が行われていると考えばいい。つくるよろこびに生命がいきいきと輝いてかれば、それでじゅうぶんだ。
    芸術が作品になって商品価値をもたなければならないなんて考えはバカげている。』

    『その人の運命に応じて己れの生き方、その生きがいを発見していけばいい。・・・自分がやりたいことをやる。ひとに迷惑を掛けない。それでいいんじゃないか。』

    己れを信じ、貫き、孤独に闘い続けた岡本太郎は、凄い人だ。
    だが、わたしは"岡本太郎"にはなれない。
    "わたしはわたしになれ。覚悟を持って、わたしになれ!"と、教えられた気がする。

    『自分の中に孤独を抱け』を読んで良かったと本当に想う。

  • 1950年代後半から70年代に書かれた本などから集められた文章だけれど、古い考えと思えない事が多い。

  • 「謙虚」という言葉は自分を低く見せる、という意味ではなく、自分自身を貫き通すことだ。という言葉が深く刺さった。人生の岐路において、何かの選択を迫られた時、自分自身を信じてあえて危険な道に挑んでいく。そういった姿勢を持つことが大切であると学んだ。

  • 半世紀以上前に語られた岡本太郎の「怒り」の数々
    その言葉一つ一つが色褪せることなく
    現代を生きる我々の指針になり得ると感じました

  • 岡本太郎の本は、一つのことだけを様々な言葉で語ってるだけなんだが、経験談やアプローチが唯一無二で、読んでしまう。
    元気も出る。葉隠とも共通してる所があり、面白い。別の自分が後ろから自分を操作するイメージ。心が軽くなるし、「あるべき」を追及できる。

    ・人は老いるべきではない。老いた以上は死ぬべきだ。
     生命の循環こそが高貴さ。老いは社会的、心理的な現象。

    ・絵は受け身で鑑賞しても満たされない。描けたらいいね、と思ったら、描いてみるべき。
    芸術はうまくあってはいけない、きれいであってはいけない、ここちよくあってはならない。
    創造することは人間の根源的な情熱だ。

著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡本太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×