私は親のようにならない [改訂版]:嗜癖問題とその子どもたちへの影響

  • 誠信書房
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784414429176

感想・レビュー・書評

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  • 保護者が何らかの依存症に罹っている家庭で育った子供の心理についての本。
    平たく言えばアダルトチルドレンについての書籍。
    これは改訂版だけど、なんか日本で初めて発行されたアダルトチルドレンについての本だ、みたいな話も聞いた。

    私は親の精神が安定していなくて、マルチや信仰宗教にはまったり怪しい健康器具を買っていて標準治療を受けられなかったりして、子供の頃は精神的に激動だったのか記憶があまりない。
    だからこの本を、自分に当てはまるなとかこれは兄のことだなとか思いながらじっくり読んだ。
    傷ついた時「傷つけられるのは自分が馬鹿だからだと自分に言い聞かせる」のは本当にそうで、この言葉で当時の感覚とか自分の部屋とかがウワッと蘇ってきた。
    思い出さないようにしてたんだろうけど、その思考はすっかり内面化してしまっているな。
    後半は治療パートで、思考のパターンを拡張するような重いものをこじ開けるような感覚がする。

    あなたは良くなりますよ、と最後には語りかけてくれるのがありがたい。
    こういう本を読むのが怖かったけど読めば知見があるし、辛くとも思い出せることが沢山ある。
    他の本も読んでみようと思った。

  • 神様、私にお与えください。
    変えられないものを受け入れる平安と
    変えられるものを変えていく勇気を
    そしてこの二つを見分ける賢さを。

    役割を個性に内面化しちゃったらもうその歪みをどうやって修正していけば良いのか分からなくてつらい

  • 請求記号 367.3-BLA
    https://opac.iuhw.ac.jp/Otawara/opac/Holding_list?rgtn=1M024793
    (初版あり:https://opac.iuhw.ac.jp/Otawara/opac/Holding_list/search?rgtn=001139)
    日本の精神科医療や福祉現場にアダルトチルドレンという概念を広めるきっかけになった本。依存症のいる家庭環境ではどのようなことが起きるのか、子ども時代の影響と回復を考えさせる。自己実現の時代に、人のことを優先して考える仕事を生業にしようとするみなさんに、その仕事に就く前に一度は自身のAC性を考えてみることをお勧めする。それは卒後、自分を守り育てることになるだろうから。

  • 本の表にも裏にもアルコール中毒という字が無かったので、中身がまるまるアルコール中毒の親に育てられた子どもの特性だったことに少し驚きました。
    でも、極端な事例ではあるものの、大なり小なりの不安定な家庭はたくさんあり、そこに心の傷を負う子どもがいて、その子どもが今オトナにって苦しんでいることも事実です。ためになりました。

  • 欲しい、買いますw

    嗜癖問題を抱えている家族で育った人以外にも
    身体的・(精神的・ネグレクト・)性的虐待を受けて育った人たち、
    精神疾患、慢性的な健康問題または身体障害の
    影響を受けている親の元で育った人たちが、
    まるで嗜癖とともに育ったかのように嗜癖家族との
    同一性が認められる(かもしれない)

    子供の頃、家庭内で感情を出すことが出来なかった人に
    お薦めの1冊。

  • タイトルがそのまんますぎて思わず手に取った。

    自分と向き合う…というか、自分の中の暗闇にいる、殺された幼い頃の自分の死体と向き合う作業。

  • 自分の親は特にこうではないのですが、
    こういう親御さんに育てられ生き辛い価値観を持たされてしまった人や、
    こういう親になる予備軍の人を良く目にします。
    ‘育てる’というのは、自分の人生を賭し、人間としての質を問われる大変な作業。

  • 「人は他人を信用するとき、ある種の賭けをしている」

     DV然り、性暴力然り。親から子に苦悩が受け継がれるのは、無知だからなんだと思っていた。
     苦悩は受け継がれるものだと知りさえすれば、悲しみの連鎖は途切れると思っていた。途切れさせられる力が人には備わっているのだと。知識や倫理は、悲しみを絶滅させるためにあるのだと。
     でも、苦悩が無くならないのは、知らなかったからではなかった。

    「親のようにならない」

     こう強く思いながらも、心のどこかで親を愛し理解したいと、ある意味では本能的に思っている。
     親を理解したい、認め受け入れたい。そう思うが故に親と同じ道を歩み、親の心を経験しようとする。
     これは、気軽に語ることができない。

  • 嗜癖についての専門書なので、
    トーンとしては
    重く深いものであるが、

    その根本は
    「なぜか?どうしてか?いつもいやな状況になる」
    とか
    誤解を恐れずに言うならば
    「あんな家庭は絶対いやだ!」と思っていた状態になってしまう
    というような深刻な状態まで
    自分の中にあるパターンを知って断ち切るヒントになります。

    嗜癖のある状態ではなくとも、
    それぞれのレベルで使っていくことができる
    実践的なワークがあります。

    自分なりにそのワークを通して
    今までなんだか嫌なサイクルについ陥ってしまうなんてコトから
    解き放たれることができるかもしれません。

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著者プロフィール

Claudia Black|嗜癖障害問題の教育ビデオや著書を多数製作し、国際的に認められている。全米COA(Children of Alcoholics)協会の会長を務め、現在は米国内でワークショップやセミナーを主催し、嗜癖治療プログラムの監修を行なっている。

「2015年 『性嗜癖者のパートナー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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