エンキョリレンアイ

著者 :
  • 世界文化社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418065073

感想・レビュー・書評

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  • 海晴の言葉はとてもポジティブで、いつも花音の心を軽くする言葉をくれる。

    離れている人に救われることってあるんだって思った。

    途中から、一方的に海晴からのメールのみが書かれている状態が続くのだけれど、それで花音が何を書いたのかわかるようになっている。

    一度空港でキスをしただけで、何の約束も無く離れ離れ。
    また会えるという強い想いだけが、二人を繋いでいる。

    なんだか始まりからドラマみたいだし、出来すぎてるよねって言ってしまえばそれまでなんだけど、小手鞠さんの文章ってとても綺麗なんです。

    出会いよりも、ラストよりも、私は海晴からのメールが好きでした。
    明るくて、ユーモアがあり、とてもポジティブで力強い。
    なんだかあったかい太陽みたいだった。

  • 泣いた。

    この、ありえない感じに、憧れを抱いて読んだら、泣いた。

    これが、恋愛小説だと思う。


    恋したくなった。

  • 装幀/中直行 写真/KIRA モデル/mina

  • 一目ぼれから遠距離恋愛に入るお話。久々に恋愛ものが読みたくて、タイトルだけで恋愛物と解るこれを購入。上手くいきすぎ感はありますが、すれ違い部分には号泣しました。

  • この作品もまた、近所の図書館の「バレンタインにラブストーリーを」特集の中の一冊です。ある日バイト先で声をかけられて知り合った桜木花音と井上海晴。東京でOLをする花音とアメリカでシェフ修業をする海晴。日本とニューヨーク。12時間+2時間の時差をかかえながら、遠距離恋愛をすることとなりました。海晴からのメールでうめつくされた章と、会いたい気持ち、寂しい気持ちを毎日の生活の中で切実に感じる花音の章と、交互に書かれ、遠距離恋愛をする女性の気持ちが哀しいほど伝わってきました。遠距離恋愛の、コミュニケーション手段は電話と手紙、メールだけ。だから第三者が介入したりすると、誤解やすれ違いがおこり、自然消滅や別れになったりします。この作品も二人の前途が危ぶまれましたが、そこは強く赤い糸が結ばれていたようで・・・。とても、気持ちのよいエンドでした。はらはらする遠距離恋愛、私なら辛くてできないでしょう。因みに漢字で書く「遠距離恋愛」は生々しく悲しみや寂しさを感じるけれど、カタカナの「エンキョリレンアイ」はさっぱりしてあっけないほどカラリとした感じがします。作品中でもこの話は出てきますが、文字から受ける感じをうまく使った作品だなと思いました。

  • 「この距離に恋愛を育ててもらってる」

    「いかなる状況にあっても、好きだという気持ちで乗り越えていく」


    珍しくハードカバーで持っている1冊。
    これを読んだら湿っぽくなるって分かっているのに、急に引っ張り出してみた。
    話の下りを知っていても、やっぱり泣く。
    12年経っても忘れられないような、そんな深い想いを誰かに対して抱くことが自分には出来るんだろうか。

  • 面白かった!

    けれど、★3つなのは、あまりにもうまく行き過ぎてるから。
    小説だから出来ることだけど、なんだか納得できない。


    序盤は砂糖菓子のようにふわふわ。
    純粋の上澄みにビターを1滴混ぜたような甘さ。

    中盤は、いろいろとあって泣いた。
    人の死に対して私は弱過ぎる。

    あと、メール内容に無神経さを感じた。
    花音は感じなったのかな?
    私だけかな?

    終盤前半は、もう!
    憎しみやら裏切ったな!の気持ち。
    あんなに純粋に待っていたのに。
    愛していたのに。
    無神経さを感じていたから余計にそう思ってしまった。

    終盤後半の展開にびっくり。
    申し訳ない気持ちでいっぱい。
    ただあの女は許せない。
    やっていいことと悪いことがある。
    許すが勝ちだろうがなんだろうが許さない。
    全然教訓が生かされてない私。


    最後は素晴らしかったね。
    少年と少女が出てきた時、またかよ!って思ったけど全然違ったし、想いが報われたと思った。
    滅多に起こらない、奇跡のような出来事。
    でも、これは奇跡ではなくてお互いがお互いを呼んだんだね。
    奇跡なんてものはないからね。


    面白かった。
    ふわふわの砂糖菓子のような物語が続くのかと思ったけど、結構ヘビーだった。
    1点気になるのは、夫がなくなり崩れた母がどう持ち直したか。
    彼女がどう支えてたかを加えて欲しかった。
    崩れた母が居ながら、ほおっておいた娘じゃ印象が悪い。

    字が大きめで文字間も詰まってないから、スラスラと読みやすい。
    ぐいぐい引っ張られる。


    感想書いたら、評価が変わった。
    ★4つすな。

  • 主人公と相手が直接会うのは最初と最後だけなのにちゃんと心が通じ合っていて、凄く暖かかったです。
    後半は本当に切なくって、最後の数ページはなぜか何度も読み直してしまいました。

  • 図書館で借りたらすごくよくて、そっから小手鞠さんのファンに。
    恋愛小説の魅力を初めてはっきり見せつけられたような気分。

    やっぱりハッピーエンドがいいね。

  • 描写がいちいち綺麗で、切ないです。メールの優しいやりとりがすごく好きです。

著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。ニューヨーク州在住。
『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。主な著書に『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)ほか、主な児童書に『心の森』(金の星社)『やくそくだよ、ミュウ』(岩崎書店)『シナモンのおやすみ日記』(講談社)など多数。

「2024年 『新装版 まほうの絵本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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