世界を変えた50人の女性科学者たち

  • 創元社
3.76
  • (15)
  • (16)
  • (12)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 459
感想 : 46
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784422400389

作品紹介・あらすじ

「有名な科学者といえば?」――エジソン、アインシュタイン、ダヴィンチ、ニュートン……。数ある人物のなかで、女性の名前が挙がるのは「キュリー夫人」くらいではないでしょうか。しかし、こんにち私たちが当たり前のように知っている科学的理論や発見、発明の裏では、実は多くの女性科学者が活躍していたのです。例えば、世界で初めて魚竜や首長竜の完全な頭蓋骨を発掘したのは、化石ハンターの少女メアリー・アニングでした。リリアン・ギルブレスの人間工学的なレイアウトは、現代の多くのシステムキッチンや労働空間のデザインに採用されています。コンピュータがまだ一般的でなかった時代、人種や性別による差別にも負けず、人類を宇宙へ送るNASAの宇宙計画を成功に導いたのは、キャサリン・ジョンソンの計算力でした。またヴェラ・ルービンは、銀河系が回転していることを発見し、宇宙を満たしているという「暗黒物質(ダーク・マター)」の存在を仮定しました。そのほか、XY染色体を発見したのも、その末端にテロメアをがあることも、DNAのらせん構造を証明する決定的な写真を撮影したのも、みな女性の科学者でした。本書は、科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で世界を変えるような素晴らしい業績を残しながら、これまで歴史の陰に隠れがちだった女性科学者50人にスポットをあて、その驚くべき研究成果やバイタリティあふれる人生の一部を、チャーミングなイラストとともに紹介します。愛らしいイラストを手がけたのは、アメリカの新進気鋭のイラストレーター、レイチェル・イグノトフスキー。厳しいサイエンスの世界をひた走るヒロインたちを、その業績だけでなく、人間的な魅力を引き出しながら描き上げています。ここに登場する50人はみな、女性が教育を受けたり、男性に混じって仕事をすることすら制限されていた時代にも、常識を打ち破り、差別や困難と闘い、世紀の大発見や研究をなしとげた人たちです。周囲から「だめだ」と言われても「できるものなら止めてみなさい」とばかりに諦めなかった女性科学者の姿は、若きリケジョのみならず、壁に立ち向かいひたむきに夢を追うすべての人の背中を押してくれるはずです。<本書の見どころ>●古代から現代まで、世界を変えるような偉業をなしとげたトップクラスの女性科学者50人(+α)を紹介●研究成果からプライベートな一面まで、トリビアもたっぷり。魅力あふれる女性科学者の人生の物語を簡潔に学べます●アメリカ出身の若手女性イラストレーターによる可愛いイラストが満載。ビジュアルブックとしても楽しめます●研究室の道具一覧や科学単語集、科学年表など、楽しいコラムも収録●原則として小学5年生以上で習う漢字にルビつき。若い科学者のたまごを応援します

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 歴史の陰に科学あり。その科学の陰に女性科学者あり。
    本書は偉大な功績を残しつつ、あまり注目を浴びてこなかった50人の女性科学者にスポットライトを当てる。

    著者のレイチェル・イグノトフスキーはイラストレーター。教育や科学リテラシーに深い関心を持ち、わかりやすいイラストで情報を伝えようと試みている。本書は、米国でビジュアルブックとして出版されて20万部を突破、世界19カ国で翻訳されたという注目の1冊である。

    50人の女性科学者の業績を、彼女たちの似顔絵と略歴、印象的なエピソードやひとことで綴る。
    目次をざっと見ても、知らない人物が多いことに驚く。
    古代の天文学者・数学者ヒュパティア、化石コレクターのメアリー・アニング、ラジウムのマリー・キュリー、『沈黙の春』のレイチェル・カーソン、『二重らせん』のワトソン・クリックの陰に隠れたロザリンド・フランクリン、霊長類研究のジェーン・グドールなど、比較的有名な人物も取り上げられていることはいるが、大半は知らない名前がならぶ。
    だが業績を見ると綺羅星のごとくである。
    科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で活躍した50人。理論物理学者、細胞遺伝学者、コンピュータ科学者、神経科医、薬理学者、プログラマー、宇宙飛行士。
    人物によっては著者の筆がいささか前のめりに感じられ、実際には評価の分かれそうな例もある。とはいえ、いずれも後世に与えた影響の大きい、マイルストーン的な成果を残した人たちである。この本をきっかけに名前を知り、より深く調べる端緒となればそれもまたよしということだろう。

    驚くのは、時代によっては、そもそも女性が学ぶこと自体が困難で、男子学生と机を並べることも許されなかった場合があることである。さらには女性であることに加え、ユダヤ人として迫害されていたり、貧困に苦しんでいたり、マイノリティとして抑圧されていたりした人物が少なくない。
    障害や障壁を乗り越え、彼女たちを先へと進めたのは、「知りたい」という欲求だったのだ。
    映画女優である上に発明家であるとか、植物学者で女性参政権活動家であるとか、業績が多岐にわたる人物も多い。そのバイタリティに勇気づけられる人もいるだろう。

    イラストはポップだが、細密で、背景を相当調べて描き込んでいることが感じられる。
    作りからして、「女の子」向けではあるのだろうが、高い壁に負けずに「その先」を目指すさまざまな人に元気を与えてくれる1冊だろう。

  • 著者レイチェルにとってはじめての本。絵やフォントはとても可愛いが内容は非常に勉強になる本。

  • 世界初のコンピュータ・プログラマー「エイダ・ラヴレス」に興味を持ってWikipediaを読んでいたら、参考文献に載ってたのが本書でした。
    50人の女性科学者についてイラスト付きの見開き2ページで説明していくというスタイルの本。
    正直なところ惹かれる文章ではなかったので、こういう人たちがいるんだなーといった雑な感想を抱いたくらい。COBOLを作ったのがグレース・ホッパーさんという女性の方だったのが、興味深いと思った。まさか、日本でここまで忌み嫌われることになるとは思ってなかっただろうな。。
    あとアメリカ人が書いた本だからかも知れないけど、日本人が1人も出てこないのが寂しい。

  • 筆者はイラストレーター。そもそも科学の知識も何もたいして持っていないのでしょう。不要なイラストが多い割に、一人一人の科学的功績や人生についての紹介文はお粗末。
    あと、人選も如何なものか。マンハッタン計画に貢献した中国人女性らを英雄(fearless pioneers who changed the world)の一人として堂々と書けるあたり、思慮の浅い米国人女性らしさが滲み出ています。

  • 彼女たちのすぐそばで、その才能と努力を認めていた人たちはもちろん心強い味方だっただろうが、社会的にそれが認められていたらもっと色んなことが進んでいたのかもしれない。
    彼女たちの功績が生前にもっと認められていたら、それにどれだけ励まされただろう。認められている、と自覚できることがどれだけ自分のやっていることに自信を与えてくれただろう。

    人に対する評価というものが、いかに正確に迅速にくだされるか、そんなことを考えたりもした。

  • 娘2人が偉人にはまってます
    歴史上の人物って日本だと男性ばかり、、

    女性医師の未来を切り拓いたエリザベス•ブラックウェル
    主婦の苦労を科学的に解決したリリアン•ギルブレス
    環境運動を推し進めたレイチェル•カーソン

    みんな娘たちの希望の光

  • 同著者の『社会を変えた50人の女性アーティストたち』が今いちだったのだが、「これはアーティスト紹介という分野に向いていない絵柄や構成なのだろう、科学者やスポーツ選手ならよいのかもしれない」と思って手に取って見た。
    それぞれの分野で埋もれがちな女性たちを紹介してゆくという発想はいいのだが、やはり読みやすい本にはなっていない。
    イラストが暗い地にごちゃごちゃしていて見にくい。

    圧倒的にアメリカ中心の人選である(アメリカの子ども達向けにはそれでいいのかもしれない)のに加え、テレシコワで2頁使っているのにコヴァレフスカヤが「その他大勢」になっている不思議。

  • 世界を変えた50人の女性科学者たち。レイチェル・イグノトフスキー先生の著書。世界には社会を変えるような素晴らしい研究成果を上げてきた女性科学者、女性研究者がたくさんいる。女性差別や女性蔑視といった障害を乗り越えながら、優れた研究成果を上げるなんて本当に大変なこと。女性活躍後進国の日本でも優れた女性科学者、女性研究者がもっと増えるように社会全体として支援する必要があります。

  • 「女だって研究がしたい!
    情熱で道を切り拓いた50人
    マリー・キュリーだけじゃない! 科学や技術、工学、数学の分野で活躍しながらも歴史の陰に隠れがちだった女性科学者。世界を変えた古今東西の女性たち、その夢と冒険に満ちた足跡を追う。」
    (科学道100冊 2019 より紹介)

全46件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

レイチェル・イグノトフスキー(Rachel Ignotofsky)
アメリカ・ニュージャージー出身、サンタバーバラ在住の女性イラストレーター。2011年にタイラー・スクール・オブ・アート・アンド・アーキテクチャのグラフィックデザインプログラムを優秀な成績で卒業し、その後は特に歴史や科学、また教育、ジェンダーなどをテーマにしたイラストを多く書いている。著書にはニューヨークタイムズ紙のベストセラー『世界を変えた50人の女性科学者たち』をはじめ、『歴史を変えた50人の女性アスリートたち』『プラネットアース――イラストで学ぶ生態系のしくみ』『社会を変えた50人の女性アーティストたち』(いずれも創元社)などがある。

「2023年 『イラストで学ぶ 世界を変えたコンピュータの歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

レイチェル・イグノトフスキーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×