- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478000830
感想・レビュー・書評
-
チェンジリーダーは現場力、戦略力、変人力の3要素が必須。企業再生で人を動かすのは魂と魂ぶつかり合い。一番の報酬は社員の生き生きと働く姿を見る事等、学ぶことが多い本であった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
変人力―人と組織を動かす次世代型リーダーの条件。樋口泰行先生の著書。日本は普通であることが何よりも評価されて重視されて、変人や奇人というのはどこか負のイメージがある言葉。でも、変人や奇人というのはむしろ個性的で何かを変える力を持っているということ。誰もが変人力、奇人力を身につけないといけない。
-
社員からトップが見える会社というのは、一体感が生まれ、社員のモチベーションアップにも繋がる。
私が以前所属していた職場では事業部長が遠い存在で、数ヶ月に一回行われる合同朝会等でお顔を拝見することがあっても、拠点が離れているためにスクリーン越しとなり、資料のプレゼンになるとお顔は見えなくなる。いつもどのようなことを考えておられるのか、どのような仕事をしておられるのか全く分からなかった。ただ、決してそのことが自分の仕事に悪影響を及ぼしていたわけではない。
その後、職場異動を経験し、新しい職場では、事業部長のスケジュールが全体に公開されていたり、一部の会議では、事業部長を含む経営幹部だけでなく、一般の社員も参加可能となっていることに新鮮な驚きを感じた。会議の場では、事業部長がどのような指摘をされるか、普段どのようなことを考えておられるかなど、直接聞くことができる。たとえお話する機会はなくても、事業部長という存在がとても近いものに感じられ、現場の一体感や社員のモチベーションアップに繋がるところがあると思う。
樋口さんがダイエー社長就任後、全国263店舗の店長・支配人に電話をかけたとされるエピソードは、そういった一体感の創出に大きく役立ったのではないかと感じる。まさしても、樋口さんの実直さが現れるエピソードだ。
そのほか、ダイエーでの様々な取り組みの紹介の中で、樋口さんの熱い思いが伝わってきた。
「日本企業で純粋培養されてきた人材は、考え方や動き方がいつの間にか「社内の論理」に染まってしまう。」という一文を読んで、頭が痛い。別に転職を勧めておられるわけではないが、いろんな経験をし、多面的な視点を持つことの重要性を説いておられる。私も心しておかないと。 -
前著『「愚直」論』がかなり心に響いたので
こちらも読破。
期待通りの熱い内容だった。
この人、経歴だけみると
超スマートなエリート街道突っ走ってるけど、
文章から滲み出る人柄は、
ただひたすらに泥臭い。
そんな、頭でっかちではなく、
”熱さ”や”泥臭さ”、”愚直さ”をあわせ持つところに
とても惹かれる。
前著と併せておすすめの一冊。 -
日本HPからダイエーの社長に転身。最近はマイクロソフトのCOOになった著者。前作の『愚直論』に引き続き読んでみた。
変革を必要とされる企業では強力なリーダーシップを発揮し、人からおかしいと思われたり孤立したり(ここが「変人力」というタイトルの所以)しても己の信じる道を突き進むという資質が必要であるというのが著者の考えで、まさにそれは変革すべきダイエーの経営で必要な資質であった。
今までの日本企業は調整能力に長けた経営者が重視される傾向にあった。現代におけるグローバル競争、マーケットの急激な変化、経営戦略におけるM&Aやアライアンスの活用という企業経営のスピード感の上昇を考えるとどの企業でも調整型より変革が予期されているように思われる。その中で著者の言うような「変人力」で変革をドライブする力が必要になってくるのであり、このような経験が重視されるようになるのであろう。今後の日本の企業経営のあるべき姿を考えるきっかけになった。
詳しくは触れられていないが、著者自身はダイエー社長を辞任することは、まだ道半ばという感じで相当残念な思いがあったのだろうと推測される。 -
08049
日本HP社長からダイエーの代表取締役社長を経て現在はマイクロソフト代表執行役となっている樋口さんの著書。
樋口さんの講演は以前聞いたことがある。
その直後に『「愚直」論』も読んだ。
この本が書かれたのは、日本HP社長の頃だ。
今回の著書は、ダイエーを退いた後に書かれており、ダイエーでの変革の大変さが伝わってくる。
この本は3部構成で書かれている。
・現場力
・戦略力
・変人力
その前に、就任当時のダイエーの実情が書かれているのだが、ここまでひどかったのかと驚嘆する。と同時に、この状況でよく引き受けたなと感心する。
自分なら同じ立場にいたとして、引き受けたかどうか・・・どうだろう。
◆現場力
そこから、当たり前のことを当たり前にできること。まさに「言うは易し」を実践していく。
そのためには、現場が中心となっていかなくてはいけないということは、GMSのあり方をイメージすれば分かりやすいだろう。
「現場を重視する」
「顧客重視だ」
よく聞く言葉だろう。
だが、本当に経営者が口だけでなく、文書だけでなく、"行動"できているケースは少ないと思う。
それを実行できることでメッセージを伝えられる。熱意を伝えられる。
そして、メッセージを、熱意を汲み取れる。
組織行動やリーダーシップなどのクラスでは、当たり前として捉えられているこれらのアクションを実際に行うことが重要なんだなと感じ取れる。
◆戦略力
樋口さんは言い切っている。「座学で身につけたフレームワークや思考法だけでは、実際に問題を解決したり、企業価値を高めたり、競争優位を導くのは難しいと考えておくのが無難だろう」
これに関しては、そのとおりだろう。
MBAを取っただけでそんなことができたら、世の中そんな簡単なものはない。
大事なのは、その戦略に「凄み」を加えることだと書いてある。
リーダー自身が現実のビジネスにどれだけ真剣に向き合ってきたかが、
机上の空論に凄みを加えるのだそうだ。
戦略力を養うためには、ビジネスパーソンとしての経験値を高めることが重要だそうだ。
◆変人力
チェンジ・リーダーには変人力が必要となるそうだ。
だが、本当に変人なのは、チェンジ・リーダーなのか、これまでのやり方に固執した社員たちなのか。その企業内ではおかしな考え方であっても、社外では、もっと言ってしまえば顧客から見たら当たり前のことなのかもしれない。
変人力の2つの資質
・ぶれない軸を持つ
・異様なほどの実行力を持つ
この本を読むと、樋口さんのダイエー変革は道半ばだったんだろうなと思う。
(株主構成の変更により、辞任を余儀なくされた)
「愚直」論や講演を聴いたときの樋口さんのイメージが今回の著書を読んでみて少し変わった。
それほどの体験をダイエーを通してしてきたのだと思う。 -
日本で最も尊敬する経営者。ダイエー再建時の苦渋の決断の数々には胸が熱くなります。同じ大学を卒業しているところも、さらに共感するところなのかもしれない。いずれ、同じ舞台で働けるように頑張ろうと思った一冊。
-
著者は、ボスコン出身でHPの元日本社長であり、ダイエー復活劇を一番最初から
支えた人です。現在は、マイクロソフトの執行役員。本書は、そのダイエー復活の
過程で著者が得た「リーダーシップとは何か」について、記されたものになっています。
内容は、人を動かすには、熱い思いしかない。その思いにプラスして、現場を大切にする
現場力、現場を軸にしつつマクロ的な戦略力、そのためのキャリアプランを大切にしろ。
最後の三つ目として、「軸がぶれない」「超実行力」の二点を兼ねた変人力が大切だ。
この3つが次世代リーダーシップである。
いかがでしょうか?さすがコンサル出身、三つにまとめてきましたね。ただ、これ以上に
大切なのが、著者の「人を大切にする思い」だと個人的には思います。本書の中で樋口氏は、
誰に反対を受けても、自ら閉店する店舗にその理由・目的を説明しに行った。と述べています。
従業員を愛し、顧客をもっと愛する。そんな気持が一番リーダーシップには必要だと
本書では言われているような気がします。
また、ダイエー社員を鼓舞し、信頼を勝ち得るためのポイントとして、
1.社長と社員が直接話せる。話すことが出来る機会を設ける・作る。
2.人を大切にする。それは、社員も顧客も同じ
3.全国に散らばる店長ではなく、●●さんと1人の人間として接する。気に掛ける。
ですかね。また、キャリア形成プランは、多様な視点を得るために、医学部を卒業し、
次にMBAをとる。コンサルで修行して、その後事業会社に入る。といった色々な
事を経験した方がよいらしいですね。(アメリカ的には)
樋口さんという人を、本書で始めて知りましたがとても尊敬できる人だと感じました。
そして、その熱い思いと人格に近づきたいと思いました。本書、お薦めです。 -
卒論のときに読んだ本。