クルーグマンの視座―『ハーバード・ビジネス・レビュー』論考集
- ダイヤモンド社 (2008年12月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478007662
作品紹介・あらすじ
アメリカ経済に奇跡は起こらない。企業の論理で国民経済を考えてはならない。第三世界は第一世界の脅威ではない。
感想・レビュー・書評
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ちょっと論文の書いた時期が古すぎる。。。集めて出しました的な。。。つくり方がヒドイかな。。。おかげで、内容も今読みたい内容とは、少しズレている。。。出版社も読む方をバカにしてるのかなぁ?
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ハードカバーながら、新書並みの薄さだったので、新幹線の中で読もうと思い購入するも、意外に内容が難解であり読むのに時間がかかった。読みこなすには基本的に、マクロ経済学の知識が必須であろう。国際貿易において比較貿易論が、現在の状況を説明できないという主張は、議論の余地がないのだが、一方で第三世界の経済的発展が、かならずしも先進国、特にアマリカにとっての脅威でなないと言い切る点については、若干納得しずらい。実際にグローバル化によって、多くの単純労働が新興国との賃金競争にさらされており、国際的分業は加速していることを過小評価している気がする。クルーグマンは、これについて、オープンモデルとクローズモデルという判りにくい表現で、結局全体としては変わっていないということを言っているが、立場を企業や個人レベルにおけば、当然それは脅威以外のなにものでもないと思うのだが。
クルーグマンが、マイケルポーターやレスターサロー、ジョージソロスなど、どちらかというと経営、実務側の論者達に批判的あることは本書で始めて知った。これらの槍玉にあげられている人たちは、基本的に新興国を脅威としてとらえ、そことの競争にいかに臨むかという事が議論の中心となるからであろう。一方、クルーグマン自身が本書の中でも何度も主張しているが、企業経営や実体経済と、国家レベルのマクロ経済とは違うものであり、同一に論じることはできないのであるから、そもそも批判する必要もないのではとも思ってしまうが。
需要と供給の増減を説明するために、引き合いに出していた、ベビーシッター共同組合の例もわかりやすいようで、色々な条件が省略されており、オープンモデルとクローズモデルの説明と相まって余計ややこしくなり、難解である。 -
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2008年11月 執筆
「ノーベル賞を取る前から有名人であった珍しい例」
ニューパラダイム説は筋が通らない→高い生産性上昇率の根拠は?ビジネスマンが好きな理論なだけ。
個人で巨富を築いた人=国民全体を幸せにする能力がある×
NEFTAがアメリカの総雇用者数を左右することはありえない。
外国からの投資が集中する国は貿易赤字になる。
大成功を収めたビジネスマン→ビジネスの経験で十分,教科書に目を通さない。
ごみ処理 市町村=オープンシステム 国全体=クローズドシステム
第3世界との競合が先進国にとって脅威→疑わしい
中国脅威論 人民元切り上げ,変動相場制,日本の競争力を低下→× -
私の経済学の知識レベルでは評価できません。
やはり本書にあるように、学部生1年生が読むような
基礎的なテキストで地道に勉強して行こうかと思います。 -
正直僕には理解出来ない所も多々ありました。また暫くしてからもう一度読みたい本。
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ビジネスで学んだことは経済政策の策定には役立たない。国は大企業ではないからだ。経営者としての発想が経済アナリストにも通用するといえばまず無理であろう。
経営戦略と経済政策の根本的な違い。
巨大な大企業ですらオープンシステム(開放系)であるのに対して、国際貿易がここまで盛んになったアメリカは今でもクローズド(閉鎖系)。
経済学とビジネスはまったく別物であり、どちらかひとつをマスターしたからといって、もうひとつもマスターできることなどない。 -
2011.4.23
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マクロをしっかりと理解してる人なら、してない人の数倍楽しめる本。企業経営と国家運営の違いを明確に提示してくれる。何よりもマーシャルとかジョブズといった、超有名な経済学者とか企業家をブった切っていくその論理が痛快!マクロをもう一回勉強したくなる本でもある。
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2008年ノーベル経済学賞受賞者プリンストン大クルーグマン教授がHBRに書いた論文を中心に書かれている。
彼は国際貿易の比較優位の考え方を固定的なものではなく、その経済状況や基盤に影響される変動的なものであると論じ、各国の貿易パターンを規模の経済性や輸送コストなどによって説明されることを論じている。
また、産業分析や地方分散といった地理及び空間経済を国際貿易と論理的に結びつけて論じている。
ほかには、「中国脅威論」、「第三世界脅威論(後発国)」にマクロ的な視点から反論していたりする。
彼の主張には、説得力があるけれど、この本だけではデータが少ない印象を受けた。
彼の論文集を読んでみたいと思う。 -
経済学専門ではないのですが、
楽しく読めました。
ビジネスマン向けのハーバードビジネス
レビューの論文集ですので
専門家でなくとも大丈夫だと思います。
インタビューを除いて、
10年前の論文なので今と比べて
読むと面白いかもしれません。
ノーベル経済学賞をとったときに
出版された本のようで最新のものが
ないのが残念です。
ちなみに中身はアメリカ経済、
国の経済は企業とどう違うか、
第三世界についての論文と
中国脅威論に関するインタビューです。
物事に対しての新しい視点を得られました。 -
(K) これまで、国家経営というのは企業経営の延長線上にあるものだと思っていたが、本書を読んでその考えは改めなければならないと思った。確かに、国家経営というのはバランスをどう取るかと言うことを様々な視点から見なければならないが、企業経営というのは競争に勝てば良いのだから。本書で得られたような大きな枠での経済知識を身につけることは、自分の思考の幅を広げてくれるだけに、本書の持つインパクトは大きかった。会社経営や国家運営に興味がある人が読んだら、面白い内容である。
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国際貿易論を専門とするクルーグマンの論文をもとに、現在主流となりつつあるニューエコノミー理論や、第3世界脅威論をぶったぎる内容。
非常に示唆に富む。しかし、知識不足で消化不良。訳者が解説してくれるため理解をすすめることは十分できるが、クルーグマン本人の議論についていくのは精一杯。次のステップへは到底及びませんでした。経済学部を卒業するにあたってこの程度(っていってもノーベル賞受賞者論文だけど)もわからないのが恥ずかしい。出直してきます。
薄い本なのですぐ読めます。国際貿易論をやってる人は是非読んでください。 -
ハードカバーながら、新書並みの薄さだったので、新幹線の中で読もうと思い購入するも、意外に内容が難解であり読むのに時間がかかった。読みこなすには基本的に、マクロ経済学の知識が必須であろう。国際貿易において比較貿易論が、現在の状況を説明できないという主張は、議論の余地がないのだが、一方で第三世界の経済的発展が、かならずしも先進国、特にアマリカにとっての脅威でなないと言い切る点については、若干納得しずらい。実際にグローバル化によって、多くの単純労働が新興国との賃金競争にさらされており、国際的分業は加速していることを過小評価している気がする。クルーグマンは、これについて、オープンモデルとクローズモデルという判りにくい表現で、結局全体としては変わっていないということを言っているが、立場を企業や個人レベルにおけば、当然それは脅威以外のなにものでもないと思うのだが。<br /><br />クルーグマンが、マイケルポーターやレスターサロー、ジョージソロスなど、どちらかというと経営、実務側の論者達に批判的あることは本書で始めて知った。これらの槍玉にあげられている人たちは、基本的に新興国を脅威としてとらえ、そことの競争にいかに臨むかという事が議論の中心となるからであろう。一方、クルーグマン自身が本書の中でも何度も主張しているが、企業経営や実体経済と、国家レベルのマクロ経済とは違うものであり、同一に論じることはできないのであるから、そもそも批判する必要もないのではとも思ってしまうが。<br /><br />需要と供給の増減を説明するために、引き合いに出していた、ベビーシッター共同組合の例もわかりやすいようで、色々な条件が省略されており、オープンモデルとクローズモデルの説明と相まって余計ややこしくなり、難解である。
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経済学未履修の学生が読んでいいものではないような気がする。
確かに読んでも話の先にあるものが見えないので…。
ですが、逆に言うと経済を少しでもかじったことがあれば、面白いのではないか?個人的に面白かったのは、オープンシステム・クローズドシステムのお話。企業家が経済政策をやってもあまり意味がないという事の理由らしいが興味深い考え方だった。 -
A country is not a company. 手厳しい批判を経済学者として、企業経営者にしている。企業運営と経済運営は違う。政府の経済顧問に企業経営者がなるのは間違い、その理由についてよく分かった。大変分かりやすく、面白い。
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●未読
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2009/2/23借
第一章:アメリカ経済に奇跡は起こらない
第二章:国の経済は企業とどう違うか
第三章:第三世界の成長は第一世界の脅威となるか
中国脅威論の幻想 -
まとめてクルーグマンの寄稿文を読めてよかった