やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
- ダイヤモンド社 (2016年9月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478064801
作品紹介・あらすじ
2019年7月30日「Newsモーニングサテライト」の「リーダーの栞」にて新江ノ島水族館・堀一久社長が紹介して話題!
ハーバード×オックスフォード×マッキンゼーの心理学者が
「人生のあらゆる分野での成功に必要な最重要ファクター」をついに解明!
世界の「能力観」「教育観」を根底から変えた
話題の世界的ベストセラー!
ビジネスリーダー、エリート学者、オリンピック選手…
成功者の共通点は「才能」でも「IQ」でもなく
「グリット」(やり抜く力)だった!
バラク・オバマ、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ…
錚々たる権威がその重要性を語り、
米教育省が「最重要課題」として提唱する
「グリット」の秘密を初めて解き明かした一冊!
感想・レビュー・書評
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ペンシルバニア大学心理学教授の筆者は、「おまえは天才じゃない」と厳しく育てられましたが、別名「天才賞」とも言われる「マッカーサー賞」を受賞しました。その理由は、「人生でなにを成し遂げられるかは、生まれ持った「才能」よりも、「やり抜く力」(「情熱」と「粘り強さ」から成る)によって決まる可能性が高い」と突き止めたことでした。才能よりもグリット(やり抜く力)が重要であることを科学的に明らかにし、また、それは変化することも分かってきているということです。私は先にTEDスピーチで筆者の主張を聞き興味をもちましたが、本書ではその際の反響も紹介されています。
●Part1「やり抜く力」とは何か?なぜそれが重要なのか
【第1章】「やり抜く力」の秘密
米国陸軍士官学校やスペリングコンテスト等で最後まで残った人達は「やり抜く力」が強く、「外向性」「情緒の安定」「誠実性」等の他の非認知能力はそれほど関係のないことが分かった。
【第2章】「才能」では成功できない
1968年、研究者ゴルトンは偉業を成し遂げた人物は、稀有な「才能」、並外れた「熱意」、「努力を継続する力」をあわせもっていると述べている。才能自体は素晴らしいが、才能等の能力を測定するテストに今のところ完全なものはない。
【第3章】努力と才能の「達成の方程式」
偉業というのは、小さなことを一つずつ達成して、それを無数に積み重ねた成果である。「今日、必死にやる」より「明日、またトライする」。努力によって初めて才能はスキルになり、努力によってスキルが生かされ、様々なものを生み出すことができる。
【第4章】あなたには「やり抜く力」はどれだけあるか?
グリット・スケールの10の質問で、グリット・スコアが出せる。重要度の高い目標の達成のために、下位の目標を臨機応変に変えたり新しい方法に切り替えたりすることも必要。
【第5章】「やり抜く力」は伸ばせる
人間のあらゆる特徴は「遺伝子」と「経験」の両方に影響を受ける。年代別では、「やり抜く力」が最も強かったのは65歳以上の人で、最も弱かったのは20代。性格心理学でも「成熟の原則」という言葉がある。
●Part2「やり抜く力」を内側から伸ばす
【第6章】「興味」を結び付ける
長続きのためには情熱が必要だが、情熱は一発では人生に入ってこない。まずは、興味をもったことを楽しむことから始めるべき。
【第7章】成功する「練習」の法則
長時間取り組むより、どれだけ集中して質の高い取り組み(意図的な練習)を行ったかが重要。また、それは1日に3~5時間が限度。そして習慣化することが大切。
【第8章】「目的」を見出す
「やり抜く力」の強い人がもっている深い情熱は「興味」と「目的」によって支えられている。「目的」の中心概念は「自分たちのすることは、ほかの人々にとって重要な意味をもつ」ということ。ロールモデルも大切。
【第9章】この「希望」が背中を押す
人は変われる、成長できると信じている「成長思考」が大切で、子どもの頃の褒められ方が一生を左右することにもなる。逆境に強い脳を作るには、①「知能」や「才能」についての考え方をあらためる、②楽観的に考える練習をする、③人に助けを求める、ことが大切。
●Part3「やり抜く力」を外側から伸ばす
【第10章】「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法
「子供に厳しい要求をしながらも、支援を惜しまない育て方」が有効。「温かくも厳しく子どもの自主性を尊重する」親自身が、ロールモデルになるべき。
【第11章】「課外活動」を絶対にすべし
1年以上課外活動に参加することが望ましい。「どんな活動に取り組んだか」ではなく「何らかの進歩を遂げながら続けたか」が重要。人間の性格は幼少期でほぼ固まってしまいあとは変わらないという見解があったが、今は、幼年期を過ぎても変化することが明らかになっている。勤勉さは練習によって身に付けることができる。最低でも2年間は意図的な練習に取り組むことが必要。
【第12章】まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう
「やり抜く力」の強い文化に身を置くと、まわりの価値観が「自分の信念」に変わる。また、些細なことにも最善を尽くすことも重要。
【第13章】最後に
人の性格は複数の特徴で成り立っており、多くの人は他人を評価する際に「道徳性」を重要視していることが分かっている。ただ、人生のマラソンで真に成功するためには「やり抜く力」が重要で、それが強いと幸福感も高い。自分自身が内側から、そして親や友人たちにサポートしてもらい外側から伸ばしていくことが必要。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルどおり「やり抜く力」を身につけたくて手に取った。
前半は「成功するには才能よりもやり抜く力が重要」ということを繰り返し説明している。「ちょっとしつこいなぁ」とも思ったが、事例や証拠が面白かった。
問題は後半。「どうやったら他人をやる気にさせるか」ということの説明がずっと続く。つまり「親」「教育者」目線。自分がどうやってやり抜く力を身につけるのか、についてはほんのちょっと。なのでどちらかといえば期待外れ。それでも「社会に変化を起こす気持ちで行うことで「やり抜く力」が芽生える」という内容は刺さった。 -
一流と言われる人たちは何がすごいかというと、
才能もそうかもしれないがそれ以上にたゆまぬ努力の
積み重ねにより才能を開花させたことである。
このたゆまぬ努力、やり抜く力のことをGRITという。
GRIT = 情熱 × 粘り強さ
また、GRITがある人は幸福であるとの統計的結果もあり、
GRITがある→やりたいことを実現出来る→幸せ
といった流れが確立されている。
このGRITは後天的に身につけられる能力らしく、
独自でも他力でも身につけることは可能。
GRITが無い人は実践してみてはどうだろうか?
【勉強になったこと】
・大きな成功を収めた人に共通する特徴
並外れて粘り強く、努力家である
自分が何を求めているかを理解している
・偉業というのは、小さなことを一つずつ達成して、
それを無数に積み重ねた成果のこと。
・才能とは、スキルが上達する速さであり、
スキルは努力によって培われ、かつ培ったスキルは、
努力によって生産的になる。
・取り組むべきことの優先順位を決めるための3段階方式
1. 仕事の目標を25個、神に書き出す。
2. 自分にとって何が重要かをよく考え、もっとも重要な
5つの目標に丸をつける。
3. 丸をつけなかった目標を目に焼き付ける。
そしてそれらの目標には、今後は絶対に関わらない。
・やり抜く力を持つ人に共通する特徴
1. 興味を持って取り組んでいる
自分のやっていることを心から楽しんでいる
2. 日々練習している
昨日よりも上手になるようにと継続的に練習している
3. 目的意識を感じている
自分の仕事が周りにとって重要だと確信している
4. 自分のやっていることに希望を持っている
どんなに困難な状態になったとしても諦めない
・GRITを伸ばすアプローチとして、内側・外側から伸ばす
方法がある。
内側から伸ばす方法:
自分でマインドセットして努力する方法
外側から伸ばす方法:
上司などメンターをつけてもらったり、
環境を変えることで意識を変える方法
・目的達成のためのアプローチ
1. ある一点に的を絞って、ストレッチ目標を設定する
2. しっかりと集中して、目標達成を目指す
3. 改善すべき点がわかったら、すんなり出来るまで繰り返す
・ストレッチ目標に向けて努力し続けるのは苦しい。
だからこそ、強制的に時間を取るといった強制力が必要。
習慣化させてしまえば、苦にはならない。
・そもそも最初から他者のために役立つ目的を立てる必要は
全くない。まずは個人的な興味からスタートして、真剣に
取り組んでいくなかで人の役に立つ目的を見つけるのがよい。
・人は成長思考と固定思考の両方を持ち合わせており、
成長思考の割合が大きくなればなるほどGRITは高い。
成長思考:
チャンスと周囲のサポートに恵まれれ、
かつ努力すれば自分の能力を伸ばせる
固定思考:
人生には浮き沈みがあるだけで、
そもそも人の能力というのは生まれ持ったもの。
成長思考の人は、挫折を味わったとしても
アプローチを変えれば乗り越えられるはずと解釈する。
・困難にぶつかり躊躇している人に対して、
きっと困難を克服できると応援しても意味がない。
そもそも乗り越える経験があるかないかなので、
アドバイスをするのはよいが応援は意味がない。
・目的達成のためには、目的に向かってやるべきタスクを
洗い出し、それを体系化して最初に取り組むべきタスクを
選定するところからスタートする。
このとき、取り組みやすいタスクから着手するのがよい。
途中クリア出来ないタスクがあった場合は、
タスクを変えるか止めてしまうといった判断をして、
目的達成に向けた歩みを止めないこと。
・環境によって人は変わる。
GRITをつけたければ、GRITのある人たちと関わるのがよい。
やり抜く力の強い人たちに囲まれていると、
同調性によって自分も自然とそうなるもの。
・GRITを組織として身につけるためには、
1. みんな一つはハードなことに挑戦する
2. 区切りの良いところで諦めてやめてもよい
3. ハードなことを自分で選択する
といったルールを設けて取り組むのがよい。
また、上記を達成出来るよう十分なサポート体制を組むこと。 -
挫折した後の「継続」が極めて重要
できたらできたで努力をやめることもありますよね。
一つと結果が出た後にどういった行動を取るかでやり抜く力があるかわかると思います。
進歩の妨げになるのは途中で止めること。
継続は力なり。
「情熱」と「粘り強さ」を持つ人が結果を出す
結局のところ「しつこいねん」って言われるくらい「こだわる」ことができるかやと思います。
極めたいって思えたら情熱を持って粘り強く対応できると思います。
「才能」では成功できない
本書も才能を否定してるんやないんです。
才能は要ります。
別に天賦の才能が必要やっていうんじゃなくて普通に記憶ができて読み書きパソコンができるとか。
記憶力ひとつとってもすぐに覚える人もおったらもひとつな人もいます。
でも障害なく記憶できる才能があるならあとは度量のレベルやってことやと思います。
「才能」とは「努力」によって「スキル」が上達する速さのこと
「達成」は習得した「スキル」を活用することによって表れる「成果」のこと
才能×努力=スキル
スキル×努力=達成
と定義されてます。
僕はこの2つの努力は質が違うけどどっちも大切やって思ってます。
やっぱり努力が2つ出てくるのもミソやと思います。
努力できない人は達成できないんですよね。
「意図的な練習」を続ける
「どれだけ長時間取り組んだか」だけでなく
「どれだけ集中して質の高い取り組みをおこなったか」が大事とあります。
①ある一点に的を絞ってストレッチ目標(高めの目標)を設定する
②しっかりと集中して努力を惜しまずにストレッチ目標の達成を目指す
③改善すべき点がわかったあとはうまくできるまで何度も繰り返し練習する。
長時間かけるのは③のところなんですよね。
闇雲に時間をかけても無意味やということです。
ただ本書にもあるように「意図的な練習」は辛いんですよね。
その辛いことができるようになるのは
「努力の結果が出たことによる高揚感がクセになる」
「困難なことに挑戦するのが好きな人たちもいる」
ということなんやと思います。
小さな目標を設定してクリアしていくことを体験していく。
これが高揚感や好きになっていくということなんかなと思います。
「まわりにやり抜く力を伸ばしてもらう」
やり抜く力はもちろん自分自身で鍛えていく必要があります。
ただ所属するチームや組織がやり抜く力を高いレベルで維持する集団であるなら。
それは抜群の環境になります。
僕は一番小さな組織は家族やと思ってます。
その家族がグリットの文化を持ってないなら子供にとって不幸かなと思います。
ただそれが即子どもの貧困が連鎖するというものではなくて学校やクラブといった所属するチームで変わることもできると思います。
僕はそんな集団を地域に作っていきたいです。 -
物事の成功は才能や遺伝だけで決まるのではなくGRIT(やり抜く力)が重要な要素になる。
1万時間の法則は有名ですが、ポイントは時間だけでなく質という面。
この本ではこれを「意図的な練習」と言っていますが、その説明を読むとまさに!と思わず膝を叩いてしまいそうなぐらい納得です。
「才能×努力=スキル→スキル×努力=達成」
この法則も非常に簡潔でありながら本質を捉えており、これが理解出来ると上達の近道が見えてきます。
読めば読むほど今までもやもやとした部分がすっきりと腑に落ちていきます。
非常に面白くためになる本でした。
とてもおすすめです。 -
絶対もっと簡潔に書けただろう、の一言。
あまりにも遠回し、かつ結果が推測できる研究ばかりですごくつまらなかった。挙句の果てには犬を実験に使うだなんて、犬を飼っている身からすると一気にテンションが下がった。
TEDで観たときはすごく興味深かったので、期待していただけにとても残念。
無論、いずれも何か発見があればまだマシなのだが、特になかった。後半の親として子供のやり抜く力を育てるコツは少しタメになった、でも長すぎる。
この本の内容すべてを否定するつもりはないので、もし読むとしたらYoutubeのまとめ動画や記事をお勧めする。 -
成功の定義は人それぞれという前提で、学力等の能力の有無に関わらず「やり抜く力」があれば成功を手に入れられる可能性が高まる。様々な研究結果に裏付けられたこの事実は私のような凡人には希望の光である一方で、その「やり抜く力」を鍛えるのが難しい。私の経験として、やり抜く力ってある種ネガティブな感情から生まれる執着心が駆り立てる力なんじゃないかなとも思うので、自分を適度に追い詰める環境に身を置き続けないといけないなぁと思った。
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洋書の特徴だろうが、例え話や実例がとてつもなく長く多い
読むのに相当疲れるし、延々と同じ話を繰り返す
しかし、伝えたいことは大切なことばかり
要約してるYouTubeを見れば事足りる