あやうく一生懸命生きるところだった

  • ダイヤモンド社
3.59
  • (277)
  • (438)
  • (455)
  • (127)
  • (36)
本棚登録 : 8629
感想 : 579
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478108659

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 現状に不満があるわけではないけれど、なんだかモヤモヤしてるとき書店でこの本を見つけた。

    自己啓発系は好きでよく読むけれど、珍しく脱力系の本が読んでみたくなった。

    内容は、うだつの上がらない(と自分で思ってる)著者が、結果を求めて一生懸命生きるという生き方をやめ、誰かと比較する人生から一歩距離を置き、マイペースに、何もない贅沢を味わいながら人生を楽しもうとするエッセイ。

    文章もイラストもいい感じに脱力系で、SNSに疲れたときに読むとフッと肩の力が抜けるような本。


    マイペースでいいじゃない。
    誰かも比べるなんてナンセンス。
    自分に足りないと思ってるものって、本当に必要なもの?
    その物を手に入れるために、なにかを失ってるんじゃない?

    疲れたとき、ふと見えない何かと競ってるとき、この本を
    また読もうと思った。

  • この本を読んで、『常に一生懸命何かに取り組んでいなければならない』、『幸せを掴むには、こうあらねばならない』という強迫観念から解放された。
    誰か新しい人と会うたびに、「今はどういったことをされているんですか?」と聞かれて、何か答えられないといけない、と思うのが常日頃。たとえ大学生であっても、何かすごいこと、自慢できるような事をやっているのが大前提で、何もしていない時は不安になる。自分が普通じゃない、と感じる。
    そんな毎日で心がいつの間にか擦れてくる。徐々に、少しずつ、自分を追い詰めて、視野が狭くなり、苦しくなる。もっと何かしないと。何かが違わないと。焦る。
    でも、この本を読むと、楽になる。
    それは、ある意味で私達の中にある「神話」と「現実」の差を、あっけらかんと指摘してくれるからかもしれない。
    「何かに取り組んでいることがすごい」、「彼氏がいた方が幸せ」、「一生懸命取り組めばうまくいく」、「天職は探せる」、幸せになるにはやらなくてはいけない事ばかり、と思ってしまうけど、実はそうでもない。
    「神話」を信じても、「現実」はその通りに行かない。
    だけど、「そんなものだよ」、それも人生。
    そう思ってもいいのなら、なんだか人生をもっと大きく捉えて、自分なりの楽しみが生まれる余白も見えてくる気がした。

  • "「ムダ足」こそ、人生の醍醐味だ"

    "特別なデートの計画なんて必要なのか?愛する人が隣にいるだけで十分じゃないのか?"

    "目的のない、優雅なムダ足を楽しもう。楽しみとはそんなときに訪れるのかもしれない。"

    "目に見えることだけにしか気を配れない人間にはなりたくはない。内面も素敵じゃなくちゃ。それでこそ本当にカッコいい大人なのだから。"

    "やりたい仕事は〝探す〟のではなく〝訪れる〟もの"

  •  車は買っても乗らないだろうから買わない。一人で過ごすの大好きだから、同じような人を見つけるまで結婚はしない。お金は十分やっていけるほどもらってるから出世は別に望んでない。
     こんなことを言うと、その考えはおかしい、かわってるみたいなニュアンスのことを言われる。適当に流すが、確かにちょっとおかしいのかなと悩んだり不安になったりする。

     この本では他人の評価を気にせず、嫌なことに耐えないで楽しんで生きればいいということが書かれてある。あ、こんな生き方ありなんだ、ってのはphaさんの本読んでるときも感じるけど、また違ったゆるさがある。気持ちが軽くなる。
     「一人の時間を望むのは、それだけ人間関係に疲れている証拠だ。ひとりの時間は必要だ」のあとに「でも、ひとりの時間を楽しんだら、戻らなければならない」という文が特に刺さった。一人が好きだからといって、人間関係をないがしろにしないように。

     しんどいときに読み返したい本。周りの評価に悩まされる人におすすめ。

  • 絵がとても愛らしい。主人公と、めちゃガタイの良い髭のおじさんが頻出する。

    装丁や文字、そして内容全てが、そんなに気張らなくても良いんだよって、肩に優しく手を添えてくれるような雰囲気です。

    僕は一生懸命生きたくないです。怠惰だ、根性なしだ、そう言われるかもしれません。けど、それが自分の人生です。お金はもちろん少ないかもしれないけど、それが自分の選択なんだと、肯定してもらえるような本でした。

  • 考え方や、言い回し、絵が本当に面白かった!

    疲れてたとき
    力がはいっているとき
    なにか迷ったとき
    楽しい気持ちになりたいとき
    話相手になってくれるような本だと思う!

    この本と友達になれて良かった(^_^)

  • ありのままのイケてない自分を認め、自分も、自分の人生も、けっこういいかも、と思えるようになる、人もいるかもしれない本。
    私たちは、こうあるべき、こうなりたい、こうならねば、なれば幸せ、と思いがち。そのこと自体と、願う内容を疑ってみると、借り物の理想かもしれないよ、とも。
    もっと楽に、もっと幸せに生きていい。
    もっと楽に、もっと幸せに生きられる。
    そのために必要なのは、努力ではなく、勇気。
    我武者羅応援団さんの「かっこ悪い方がかっこいいんだ」や、星野源さんのエッセイや高橋優さんの歌から感じるのと似たものを読めた気分。
    韓国の本。読めてよかった。
    境遇がすごく似てて、私も書きたくなった。
    最後の「それが楽しいのに」がわかるようになるかどうかが、二つの道の分かれ目かもしれない。下手な豆本作りにはまっている今、ものすごくわかる。
    一生懸命生きている、正しいはずなのに、手応えがなく、なんか疲れている人に。

  • 本屋で見かけ、元ももクロの有安杏果さんの帯に惹かれて購入…( ̄∇ ̄)

    自分が右往左往しながら辿り着いた「答え」に、何となく近いなぁーと思いながら読んだ。

    逆に「分かる分かるー!!」って感じで一気読みしてしまって、新たに何かを得るって感覚が薄いまま読了…

    でも、こういった本って自分がブレて不安定になったときに、処方箋的に読むと良いのかなーとか。
    後からそんなことを考えた。

    懐に忍ばせていると、いざというときにポーション的に使えるアイテムなのかも知れない(笑)

    個人的には、例え仕事をクビになっても、バイトでも何でもやって「プライドを捨てて食っていく覚悟」があれば、何となく人生ユルく楽しめる気がするけどなぁ。

    人生も読書感想も一生懸命ではなくそこそこに…

    <印象に残った言葉>
    ・ところで気になるのは、それが何のレースだったのか、まったく見当がつかないことだ。誰が一番お金を稼ぐでしょうか大会?誰が一番最初に家を買うでしょうか大会?誰が一番出世するでしょうか大会?(P25)

    ・この社会はとにかく「やる気」が大好き。僕らも「やる気=素晴らしい」という意識をいつのまにか植え付けられている。その証拠にやる気と聞いただけで、なんだか胸がアツくなる。(P35)

    ・そうだ。本来、楽しむことが目的のなぞなぞに、僕らはあまりにも死に物狂いで挑んでいるのではないか?答えを探すことにだけ集中し、問題を解く楽しさを忘れてはいないだろうか?(P80)

    ・ひとりの時間は、帰り道が約束された旅行でもあるのだ。(P111)

    ・「ムダ足」こそ、人生の醍醐味だ(P124)

    ・本当にやりたいことが何なのかわからない?でも大丈夫。無理やり探そうとしなくていい。いつの日にか、向こうからやってくるから。(P156)

    ・ひょっとすると、僕らは仕事に対し、あまりにも多くのことを望みすぎているのかもしれない。食べていくのは大前提として、お金をたくさん稼げるほどいいし、自己実現もできて、面白くて、そこまできつくなくて、それに休みを多くて、尊敬されて…。それってどんな仕事だろう?(P164)

    ・そう、人生の大半はつまらない。だから、もしかすると満足できる生き方とは、人生の大部分を占めるこんな普通のつまらない瞬間を幸せに過ごすことにあるのではないか?(P232)

    ・「天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない」(P285)

    ・結果のために耐えるだけの生き方じゃダメだ。その過程そのものが楽しみなのだ。〈中略〉ふぅ、あやうく一生懸命生きるところだった。(P286)


    <内容(「Amazon」より)>
    【「心が軽くなる」と話題の韓国のベストセラーエッセイ】
    ★韓国大手書店 KYOBO文庫「2019年上期ベスト10」
    ★韓国のネット書店YES24「2018年最高の本」
    ★「人生に悩み、疲れたときに立ち止まる勇気と自分らしく生きるための後押しをもらえた」
    ――有安杏果さん推薦!

    東方神起のメンバーの愛読書としても話題となった、
    心がラクになる、ベストセラー人生エッセイがついに邦訳!

    「こんなに一生懸命生きているのに、
    自分の人生はなんでこうも冴えないんだ」と、
    やりきれない気持ちが限界に達し、
    40歳を目前にして何のプランもないまま会社を辞め、
    「一生懸命生きない」と決めた著者。

    ★ムリしてやる気を出さない
    ★みんなに合わせない
    ★金持ちを目指さない
    ★失敗したら、いさぎよく諦める
    ★なんでも深刻に向き合いすぎない
    ★「年相応」に縛られない
    ★「やりたい仕事」を探そうとしない
    ★何もしない一日を大切にする……

    全力で走り続けることを辞めたことで見えてきた、
    自分をすり減らす毎日から抜け出し、
    自分らしく生きるコツとは?

  • 時たま刺さるフレーズがでてくる一冊。本書は著者の実話や感じたことをもとにしたいわゆるエッセイに分類される本です。自分が頑張りすぎている部分を再確認させてくれます。著者はイラストレーターとのことで、ゆるりとしたイラストが多数でてきてゆったりした気分になれます。
    カフェや週末に読みたい一冊です。ただ、、序盤はいいのですが後半食傷気味になったので、★3にしました。

    ■この年齢ならこれくらいはという「人生マニュアル」が存在するP41
    確かに。20ー30代は結婚して、子育てしてというイメージがある。そして、その年代にそれを達成していなければ、「なんか外れてる」感を周りに印象づけてしまう。今や、男性の未婚率は28%なのに!自分の人生なのに、他人の評価で悲しくなるのはよくあることだけど、不必要な感情なんですよね。

    ■なんのために必死に頑張っているの?P24
    「誰が一番お金稼ぐでしょうかゲーム」「誰が一番出世するでしょうか大会」これはわたしの案ですが、「誰が一番インプレッションが高いポストができる大会」
    ゲームを棄権すれば張り合う必要がない。勝ち負けも存在しない。というのが著者の一生懸命頑張らないコツです。確かにその通りだ。しかし、日本の30代以降は生活のためにお金を稼いでおり、仕事をやるために必死に頑張らないと対応できない生活が現状ではないでしょうか。だから、他人と張り合うまで視点が持って行けていないかたも多いのではと感じています。。

    ■一生懸命生きていると思っている人が多いのではないか。
    この手の本って、最近書店でよく目にします。自分も含めて、本音は「ハワイでゆっくりしたいなー!」と思いながら日々慌ただしく過ごしているのではないでしょうか?
    もう少しスローダウンしてゆっくり生きたいと思っている人が本書の舞台である韓国だけでなく日本にも大勢いるのではと考えさせられました。

  • あっぶね〜

全579件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

【著者】ハ・ワン
本業はイラストレーター。イラストだけでは食べていけないとエッセイを書き始める。イラストよりエッセイのほうが売れて若干複雑だが;それでも生きていけているからありがたい。かくなる上は;書き続けるのみ。イラストは添えるだけ;怖いもの知らずで2冊目を上梓してしまう。さまざまな本にイラストを提供し;エッセイ『あやうく一生懸命生きるところだった』を書いた。

【訳者】岡崎暢子(おかざき・のぶこ)
韓日翻訳・編集者。1973年生まれ。女子美術大学芸術学部デザイン科卒業。在学中より韓国語に興味を持ち;高麗大学などで学ぶ。帰国後;韓国人留学生向けフリーペーパーや韓国語学習誌;韓流ムック;翻訳書籍などの編集を手掛けながら翻訳に携わる。訳書に『あやうく一生懸命生きるところだった』(ダイヤモンド社);『頑張りすぎずに;気楽に』『クソ女の美学』(以上;ワニブックス);『1cmダイビング 自分だけの小さな幸せの見つけ方』(宝島社)などがある。

「2021年 『今日も言い訳しながら生きてます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ハ・ワンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
平野 啓一郎
瀬尾 まいこ
砥上 裕將
ヨシタケシンスケ
ヨシタケシンスケ
恩田 陸
エラ・フランシス...
山崎 聡一郎
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×