深川二幸堂菓子こよみ<三> (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
3.66
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本棚登録 : 213
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479308188

感想・レビュー・書評

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  • 光太郎・孝次郎の「こうの字」兄弟が活躍するシリーズ第3巻。

    吟味した材料に創意工夫を重ねた菓子は評判をとり、二幸堂は大繁盛。
    前巻で、光太郎がお葉と祝言をあげて終わったので、次こそ!と期待したとおり、暁音との祝言にこぎつけて、めでたしめでたし。

    草笛屋とのいざこざも大したことはなかったし、店を広げることも人手不足も解決。
    光太郎の根付職人としての腕がいかにも惜しい…という場面が出てくるので、妻子を養うためには仕方がないと、ついに光太郎が二幸堂から離れてしまうのでは…?
    それとも暁音を巡ってすごい強力なライバルが…?
    などと、ありがちなヤマ場を予想していたけれど、さらりと完結。

    …と、こうしてみると、話の展開としては盛り上がりはいまひとつだった、と気づいてしまった。
    まぁでも、孝次郎の作る菓子はやはりとんでもなく美味しそうで、お七のあんこ好きの勢いも笑いを誘い、楽しく満喫したので良しとしよう。

    シリーズに登場した和菓子を再現して、和菓子帖を作ってほしいものです。

  • まるっと上手く収まった。
    最後、駆け足になっているように感じたのが少し残念。もっと読みたかった。

    新シリーズを読むのが楽しみ。

  • シリーズ第三弾。

    前巻で兄・光太郎がお葉と祝言を挙げ、二幸堂にお葉と連れ子の小太郎が移ってきます。
    一方、弟・孝次郎は暁音と“恋仲”ではあるものの、きちんと所帯を持つ事をはぐらかされている状態です。そんな孝次郎に対して、同じ長屋に越してきたお春がアプローチをかけてきます。お春の行動の裏に隠された事情とは・・。
    兄弟の仲の良さと、孝次郎のつくるとびきり美味しそうなお菓子が魅力のこのシリーズも本書で完結との事。
    幼少期の悲惨な経験から、自分が幸せになる事にふみきれない暁音さんの事、そして前の奉公先・草笛屋の経営困難との噂など、心揺さぶられる事が続きますが、ひたすら実直な孝次郎と、彼を支える二幸堂の面々の姿が気持ち良いです。
    後半は逆恨み男の乱入などでバタバタしたものの、終章では皆が生き生きして、幸せいっぱいだったので何よりです。

  • 二幸堂シリーズ3巻目にして最終巻。
    周囲に恵まれたとはいえ深川に二幸堂ありと称される地域に根差した菓子屋にまでしたこうの字兄弟の歩みを思うと胸が熱くなりました。
    深川の地で二幸堂は益々いいお店となってゆくのでしょう。
    登場人物達も納まるところに納まっためでたしの最終巻でした。満足。
    3巻は子ども達が健やかに暮らしている様の描写が個人的にいいなと思いました。
    その後の物語を番外編で読めたらうれしいです。
    登場人物達が元気で暮らしているか知りたいのです。
    そのくらい主要人物をはじめ脇に至るまで登場人物個々が立っていて愛着を持ちました。
    それから3巻を読了後1巻から再読したのですが、あらためてお七さんは得難い人材だと思いました。
    このお方が居ると居ないでは二幸堂の現在は違っていたかもしれません。

  • 2023.3.16 読了。
    江戸深川の菓子屋「二幸堂」シリーズ完結編。

    正確に言うと☆3.7くらいな気持ち。
    だんだんと商いも上手くいき兄・光太郎も祝言をあげ順調な生活の中でも様々な問題が巻き起こる。想いの込められたお菓子も新たに創りそのお菓子には優しさと美味しさも込められていて孝次郎や二幸堂や周囲の人々が真摯に生きている様子が素敵だった。
    江戸時代では現代よりも一大事だった火事が伏線として全てに繋がっているところが哀しくもあり、それを皆で乗り越えようとしていく話でもあったのかもしれない。

    明るい未来を予感させるラストが良かった。
    番外編?みたいな本は販売されているようだが、このシリーズもっと続いてほしかった!

  • シリーズ第3弾にして最終巻。
    そのためか、考次郎の恋の行方、新店舗など、諸々がサクっと収まってしまった感が否めない。

    いくら火事の時の負い目があったからか、根付師として修業をしていた光太郎が菓子屋を開こうと決心したのか、光太郎はどうやってお七を見つけてきたのか、など語られずに終わってしまったようで残念。

  • あ〜〜〜〜!!終わってしまった。
    大団円!

    ますます繁盛を続ける二幸堂。
    周りを固める人々も情愛深く、幸せだ。

    そこへ春という女が登場。
    何やら事件の匂いが。


    3巻で終わりなんて〜〜。

  • 一巻二巻ととても面白く読んだのですが、三巻で急にバタバタして終わってしまった…という感じ。事件も、光太郎兄が帰って来なくなって心配…それはお七さんにでも見てきてもらったら?とか(それまで修行と称して行ったところですよね?)暁音さんことや最後のお春さんの○○を取り戻し…というのも、無理では?とか、は?なんで?という甘さが散見され、急いで書いたのかどうなのか、文章もこっちを説明したらこっちに飛んで…と読みにくさを感じました。お菓子がほんとうに素敵で、ひとつひとつのエピソードを積み重ねてお店も評判になっていって…と夢中になって読み進めていただけに、よけいな事件など入れずにじっくり読ませてほしかった。最終巻が急に決まったなら残念なことだけど、急いで大量に詰め込んで皮から餡子が出てしまった感じ。

  • 食べ物のお話は穏やかで優しいものに違いないと読み始めたのですが、そうとは言い切れませんでした。
    最後はみんな幸せで、続きもあるようなので、近いうちに読もうと思います。

  • 202209/シリーズ3作目で最終巻。駆け足感があって、もっと読みたかった。

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著者プロフィール

1972年生まれ、ミネソタ大学卒業、カナダBC州在住。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞。「上絵師・律の似面絵帖」シリーズでブレイクした注目時代作家。

「2023年 『江戸は浅草5 春の捕物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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