菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 378
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479320364

作品紹介・あらすじ

おいしい料理と謎解きは相性抜群!?
大人気のハートフルミステリー!

「あの、ランチが終わったら、ちょっと話を聞いてもらってもいいですか?」
おいしいくて新鮮な野菜たっぷりの料理が評判の菜の花食堂は、

感想・レビュー・書評

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  • 〈菜の花食堂〉シリーズ第五作。

    「こころを繋ぐお弁当」
    ワンコイン弁当をイベントで出したことから始まった、おかずだけ毎日売って欲しいという奇妙な依頼。
    靖子先生の、いつものごとく見守る姿勢から始まった男性の依頼だが、いつものごとく鋭い考察で男性の事情を見抜く。
    靖子先生の良いところはそこで終わりではなくて、ではどうすれば良いかという提案をしてくれるところ。
    こういう落としどころは物語としてはホッとするけれど、現実的には逆に悪く取る人もいるから難しい。

    「木曜日のカフェタイム」
    穏やかな雰囲気の菜の花食堂界隈だが、なんと空き巣が出没しているらしい。しかも事前に下見に来たり親しげな様子で生活パターンを聞きこんだりと準備もしているとのこと。
    緊張感が走る優希だが、そこに強引な怪しい男が客として現れるようになる。
    これは何となく予想が出来た。なんだか当たると嬉しい。

    「キャラ弁と地味弁」
    高校生の娘からインスタ映えするキャラ弁を作ってくれと頼まれ頑張っていたら、ある日突然作らなくて良いと逆切れされ落ち込んでいる岸田さん。
    個人的にはキャラ弁なんて作ったことがないのでそれだけで感心するのだが、子供にそんな態度を取られたら最後、私ならもう弁当など作らん!とキレそう。
    親子の問題に切り込むのは難しいが、靖子先生の背景あってのアドバイスはこのシリーズだから素直に聞ける。
    それにしても強引男は結局つまらん男だった。だが靖子先生の辛辣な態度にスカッとした。

    「インゲンは食べられない」
    アラフォーキャリアウーマンながら最近婚約したという園田さん。相手はフリーカメラマンだそうだが、食のアレルギーがあるので少し大変。
    そんな時に園田さんの愛犬が行方不明になる。
    こちらも何となく分かったけれど、その後の展開を思うと少し辛い。
    だが園田さんとお弁当の件で仲良くなった奏太くんに繋がりがあって良かった。

    「大根は試さない」
    久しくシリーズを読んでいなかったので川島さんって誰だっけ?と思ってしまったが、思い出した。
    優希は鈍感だなと思っていたが、さすがに意識はしているらしい。
    だけど、こういう子だから花言葉で伝えられても。私も全く分かりません。
    まぁ上手くまとまって良かった。

    シリーズ作品一覧
    ①「菜の花食堂のささやかな事件簿」
    ②「菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日」
    ③「菜の花食堂のささやかな事件簿 金柑はひそやかに香る」
    ④「菜の花食堂のささやかな事件簿 裏切りのジャム」
    ⑤「菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム」本作
    全てレビュー投稿あり

  • 【収録作品】こころを繋ぐお弁当/木曜日のカフェタイム/キャラ弁と地味弁/インゲンは食べられない/大根は試さない

  • イベントでのワンコイン弁当販売をキッカケに毎日お弁当を買いたいと言う人が現れる話から。

    普通に迷惑なお客さんだけど、対応してあげて優しい。
    お弁当屋の人も何かしてあげたいというのは分かるけど、もうちょっと正直にやり方を話し合えばいいのに。
    いい顔したいだけな見栄を感じる。

    なんやかんやで菜の花食堂で家事手伝いをする事になった奏太くん。
    賢くて生活力が高くなって良いことしかない。
    シングルマザーであれば、色々教えたくても時間と体力が無いだろうし、とても意義のあることだと思いました。
    誰でもが靖子先生のように出来る訳ではないけど。

    優希の恋がどうなるのか気になって続きをすぐに読んだのに、この巻では何も進展は無いのかーと残念に思っていたら最後にやっと進展が!
    はっきり言葉で伝えれば済むことだったとは思うけど、上手くいって良かったです。

  • シリーズ第5弾!
    思ってもみなかったラストににんまり。幸せのお裾分け頂きました。

    こちらは「菜の花食堂」という食堂と料理教室も開いているお店が舞台。
    料理上手・聞き上手なオーナーの靖子先生が、お客様や生徒たちの身近にある謎を解くコージーミステリー。

    テーマ食材を決めて開かれる料理教室のレシピが、実践的でいつも作ってみたくなります。
    靖子先生は穏やかなお人柄で物腰も優しく、頼りがいがあって素敵。ときに厳しく諭してくれるのもいい。

    持ち込まれる相談事にからめて、子ども食堂、ジェンダー問題、結婚問題などにも触れられています。
    このシリーズで寄せられる悩みは女性目線が多いし身近に感じる分、共感も多い。
    お弁当作りに関しての靖子先生のセリフには共感と拍手を送りたい。
    まだまだ続編がありそうなので楽しみ♪

  • 靖子先生にまた会えて、
    優希さんの恋もいい感じで嬉しいけど。
    薔薇の花言葉と本数で告る男ってめんどくせえ。

  • イベントでワンコイン弁当を作る事になった。そして、お弁当を作って欲しいと頼まれた。シングルマザーの母親が忙しい奏太くんの為だった。理由を知った靖子先生は、ある提案をする。母親思いの奏太くんは家でも手伝いやお料理をするようになった。その時に靖子先生が言ったボランティアを偽善だと言う人は、結局何もしないで、他人にケチをつけたいだけなんだから。とお返しを期待しているわけじゃないに共感した。

  • 大和書房webに2022年1月15日〜3月30日かけて6回連載されたこころを繋ぐお弁当、木曜日のカフェタイム、キャラ弁と地味弁、に加筆修正し、書き下ろしのインゲンは食べられない、大根は試さないを加えて2022年2月だいわ文庫刊。薔薇の花言葉はまぁよいとして、その本数にまでこだわるのは花産業の宣伝戦略の片棒かつぎで盛り過ぎ、マニアックですよ(大根は試さない)。面白いけど(笑)。無理も多いが、楽しい話が多くて面白いです。

  • 日常の謎のお仕事ミステリーですね。
    『菜の花食堂の事件簿』の五巻目です。
    今回も五話の短篇連作物語です。
    短篇なのだけど、長編の趣もあるので一冊で、『菜の花食堂』『料理教室』で、起きる出来事を味わえる魅力があります。
    今回は、奏太君という小学生を中心として物語が展開します。
    そして、もちろん優希さんの恋愛成長物語も楽しめます。
    靖子先生の名推理と冴え渡り、香奈さんとのタグマッチのお弁当のフェスティバルを皮切りに、『菜の花食堂』は忙しさを加速させます。
    グルメ情報もあり、楽しみが盛りだくさんのこのシリーズ、面白く、ほんわかとお話が進む優しさがたまりませんね。
    次回作が待ち遠しいですね。

  • 安定して楽しい。
    イヌの話は悲しい気持ちになった。と、同時になかなかLBGTQの話と夫婦別姓の話の匂いを強く感じた。
    久しぶりすぎて川島さんの存在忘れてた。最後うまくまとまったのは良かったけど、花言葉で告白されても、正直知らんがな、とは思ってしまった。

  • 優希、やっと…
    でも川島さんの告白方法にどうしても納得がいかない。アンナの普通の人は気づかないよ。私が無知なだけで、薔薇の花言葉って一般常識なの?
    ちゃんと言葉で伝えて欲しいな

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著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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