ビジネスと人生に効く 教養としてのチャップリン

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479393962

作品紹介・あらすじ

「いま世界には、新たなチャップリンが必要だ」

――ウクライナ大統領・ゼレンスキー(第75回カンヌ国際映画祭でのスピーチより)



「混迷の世の中を生き抜くために、そして人生を豊かにするためにどうしても必要なこと、

すなわち本当の〈教養〉をチャップリンは授けてくれるのです。

しかも、極上のユーモアを通して」――「はじめに」より



史上初めて世界的にバズった人物で、

キャラクターの概念を作り出した男。

ウォルト・ディズニーにビジネスを教えた師匠であり、

ヨーロッパの通貨統合、ワークシェアリングを提唱し、

すべての作品で利益を上げた名経営者。

100年前に格差社会、同性愛など、

今日的テーマを描いたダイバーシティの先駆者にして、

時の独裁者と真っ向から闘った、喜劇王。



チャールズ・チャップリン。



チャップリンを、「いま」の視点から楽しみつくす格好の入門書!

感想・レビュー・書評

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  • 「教養としてのチャップリン」大野裕之著(大和書房) 1760円 : 読売新聞オンライン
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20230110-OYT8T50076/

    ビジネスと人生に効く 教養としてのチャップリン - 株式会社 大和書房 生活実用書を中心に発行。
    https://www.daiwashobo.co.jp/book/b613134.html

  • 記録

  • 大変面白かった!
    今年読んで良かった本ベスト5に入りそう

    チャップリンと言えば、言わずとしれた喜劇役者。
    でも自分はそれ以上のことを知らない…

    この本を読めば、彼がどんな人物だったのか、本当によく分かる

    チャップリンというのは単なる喜劇役者ではなかった。
    それはあくまで一つの顔。

    彼は映画会社を設立し、黒字経営を果たし続けた。
    EUの共通通貨に関する提言を、論文という形で表した。
    ユダヤ人なのかと問われ、それを答えること自体がナチスの術中にハマっていると答えた。

    彼は優れたビジネスマンであり、経済論者であり、人権家だった。

    それに、一つ一つのエピソードがとにかくすごい。
    75歳で自伝を出版したとき、彼は文献に頼ることなく記憶を頼りに書き上げた。とか。

    チャップリンが関わる人物もすごい。
    仕事の合間を縫ってアインシュタインに会ったり、産業の機械化についてガンジーと議論したり。
    20世紀の大物たちがサラッと登場するのがすごい。

    そして20世紀といえば戦争の世紀。
    同時代人としてヒトラーについても書かれる。

    チャップリンとヒトラーは誕生日が4日違い。
    メディア戦略を重視するヒトラーは、その道で成功したチャップリンを敵視。
    チャップリンはユダヤ人だとか、本当はユダヤの名前を持っているとか、捏造を行う。
    そして、チャップリンもまた、ヒトラーを題材とした映画を製作する。演ずるためにヒトラーを研究したチャップリン。彼いわく、ヒトラーは恐ろしく優れた役者。

    そう、ヒトラーの才能は役者だった。民衆を扇動することに長けており、政治的な功績は無いに等しい。
    よく言われる功績について。
    アウトバーンの建設は前政権から引き継いだもの。雇用改善は数値をいじったもの。

    そのように、チャップリンについてだけではなく、20世紀の空気感やヒトラーについても学べる良書だった。
    それでいて、文量は多くない。筆者はチャップリン研究に従事する日本人。大変さらさらと読めてしまう。

  • チャップリンという偉大な人の出生やどのような偉業を成し遂げたのかがよくわかる本でした。僕がこの本を読むきっかけは天才はいかにして生まれたのかという点です。その点でこの本はチャップリンが産まれてから死ぬまでの歴史を書いていてとても見応えがありました。母ハンナの愛と生まれた頃から劇団や音楽など一流のものを肌で感じ、経験してきたからこそチャップリンという髭とスティックのアイコン、圧倒的な演技力が生まれたと思います。失敗や挫折なども書かれていますが、愛と経験は何にも変え難い素晴らしいものだったと思います。

  • 著者のチャップリン愛が感じられる一冊。
    本物のコメディにはインテリジェンスを感じるのは、やはりチャップリンの手掛けた作品が軸にあるからだ。
    悲劇と喜劇は裏表の関係だし、見る人もどこかに自分を投影するから心から笑えるし、笑い飛ばす事で救われる。

  • 久々にお会いした編集者の出来さんの最近の仕事として紹介されていて、読了。
    チャップリン、名前は知ってるけどあまり実はちゃんと作品観たことなかったので、チャップリン映画祭で観てから読む。
    そして、読んだ後もう一度観たくなる。

  • 表題はこれでもかと昨今の売れ筋をなぞるそれだが
    あまり散見することもなかったこういった領野の研究者のあり方や、チャップリンという特異的な人物についての骨太の内容は、実利的なメリットを追求する必要もないほどには修飾せずとも好奇の滋養に満ちているのは疑いないだろう。

  • カンヌ映画祭のスピーチでゼレンスキー大統領が言及したチャップリン
    レディ・ガガがコロナ禍に歌った「スマイル」をつくったチャップリン
    東日本大震災後、動画サイトで映画の再生回数が数十倍になったチャップリン
    イラク戦争のときフランスでリバイバル公開された『独裁者』が週間4位を記録したチャップリン

    《なぜ今チャップリンなのでしょうか?》──「はじめに」より

    最新の研究成果をもとにさまざまな角度から〈チャップリンと現代〉に迫る

    ・史上初めて映画を世界同時公開
    ・スターのキャラクターの肖像権を最初に確立
    ・ビジネスのノウハウをウォルト・ディズニーに伝授
    ・100年前にヨーロッパの通貨統合を提唱
    ・移民や人種差別問題、格差社会、同性愛など現代的なトピックを映画で描写
    ・『独裁者』でヒトラーと対決

    生い立ち、代表作の名場面にこめられたメッセージ、ビジネスマンとしての先見の明、映画製作の背景などを通じて現代を読み解く“教養”を与えてくれる労作、2022年11月刊

    《チャップリンを知れば、「今」がわかる!》──帯のコピー

    著者は脚本家、演出家、映画プロデューサーにして日本チャップリン協会会長

    〈混迷の世の中を生き抜くために、そして人生を豊かにするためにどうしても必要なこと、すなわち本当の〈教養〉をチャップリンは授けてくれるのです。しかも、極上のユーモアを通して。〉──「はじめに」より

    専門的なことがらを平易な文章でわかりやすく叙述できる知性に脱帽

    本書を読んだら『黄金狂時代』『街の灯』『モダン・タイムス』『独裁者』『ライムライト』だけでも鑑賞しておきたい

  • 「Humor over Rumor」という言葉を思い出した。
    ユーモアは噂を超越するし、脅威をも凌駕するんだなと。

  • チャップリンは何度もNGを出す完璧主義であり、同性愛や外人などの隔たりをとっぱらった人でもあった。ヒトラーなどの批判をしつつ、本人も批判されたが、最後までパフォーマンスを突き詰めた人だった。

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著者プロフィール

1974年大阪生まれ。脚本家・演出家・日本チャップリン協会会長。大阪府立茨木高校卒。京都大学総合人間学部卒、同大学院人間・環境学研究科博士課程所定単位取得。国内外のチャップリン関連企画やブルーレイ等を監修するなど、遺族の信頼もあつく日本でのチャップリンの権利の代理店も務める。著書に『チャップリン 作品とその生涯』(中公文庫)、『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』(岩波書店、第37回サントリー学芸賞)他多数。映画『太秦ライムライト』(第18回ファンタジア国際映画祭最優秀作品賞)、『葬式の名人』『ミュジコフィリア』他のプロデューサー・脚本を担当。2006年ポルデノーネ無声映画祭特別メダル、14年京都市文化芸術産業観光表彰「きらめき賞」受賞。

「2022年 『ビジネスと人生に効く 教養としてのチャップリン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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