- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479650096
感想・レビュー・書評
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主人公は大学へ進学するために地図収集館で働く青年リュス。家へ帰ると何故か女優のエルヴィラ・モンドがいて…。
いつもの長野作品とはちょっと違う。細部や結末がはっきりしていて分かりやすいです。見事に騙されました。うん。やっぱり好きだな…長野さん。
07'7'9詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
救済院育ちのリュスは大学進学の学費の為に、地図図書館の事務員の仕事を始める。
安月給で、服は2着しかない。住居は古いアパートの最上階にある狭い屋根裏部屋。
そこに何故か、有名女優のエルヴィラ・モンドが訪れ、自分に宛てられた手紙を受け取って欲しいと頼まれる……
なんと言うか、相変わらずこの作者は「社会的弱者」を主人公にするのが好きらしい。
姿は美しく、朴訥で質素で堅実な主人公。社会的弱者なので相手のどんな理不尽な対応にも耐えなければならない。
この手の話を読むとフラストレーションが溜まるのだけど。色の表現の多彩さや、不可思議な性格の登場人物達は、やはり魅力的。 -
行ったことのない街へ行きました。わたしは単純に、このハピネスに溺れたいな。
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ちょっと人物関係が入り組んでいて、読んでいて混乱しました。でもとても幻想的でロマンチック。
読み終わるのが惜しい気持ちで読み進めました。長野ワールド、思いっきり堪能しました。 -
メルカトルというとつい地理の勉強を思い出してしまう。このタイトルに惹かれて購入してしまった。
地図専門の図書館で働くリュス。どうしてこんな設定を作者は思いつくんだろう?
リュスの生い立ちから今に至るまでの人生は、筋書きの用意されていたドラマなのかな? -
グイグイ読めるお話。
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地図収集館で働く青年リュスの周囲で次々と起こる不可思議な出来事―。
長野まゆみの新しい魅力が煌めく、極上のロマンティック・ストーリー。
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ミロナ地図収集館の受付けで働き始めたばかりの新米職員のリュスは、救済院で育った孤児だった。どこか不思議な異国を舞台に繰り広げられる、リュスを中心とする不思議な物語。 「ミロナ地図収集館は19世紀末に建設されたネオ・バロック様式だ」とか「植物の曲線が随所に使われている建物」とか「雨の日は土の匂いがする閲覧室」とか「薔薇の絵が書かれている地図」とか、そういう細部&映像的イメージを楽しむ物語なんでしょうね。 最後まで読んでようやく「ああ、そういうことだったのね」と腑に落ちたけど……なかなかに突っ込みどころが満載だ(汗)。いや、そういう読み方をしてはいけない物語なのだと、重々承知はしているんだけど。 はなからリアリティを求めてはいけない非現実的な美しい物語。とすれば、なかなかに悪くない物語です。
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久しぶりに男性が主人公ですが「少年」ではない。でもちゃんと「少年」も出てきます。サテンのリボンがするするとほどけるようなクライマックスで読後は爽快。昔の図書館そのままの地図収集館、雰囲気がたまりません。