会社の「仕組み」を知っている人だけが、上手くいく ~入社3年目から絶対知るべき人事・評価・人間関係の基本~

著者 :
  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794103

作品紹介・あらすじ

『人事部は見ている。』の著者が語る会社のすべて!

感想・レビュー・書評

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  • 会社の「仕組み」を知っている人だけが、上手くいく ~入社3年目から絶対知るべき人事・評価・人間関係の基本~
    著:楠木 新

    会社というのは、社員が成長でき、基礎力を蓄えることができる装置である。この装置を最大限に活かすためには、会社の仕組みを知る必要がある。

    本書では、会社の仕組みを、メンバーシップの仕組みと、人事評価・異動・出世の仕組みの2つに分け、それぞれどういうものかを以下の5章により説明している。
    ①サラリーマンにありがちな、勘違いの仕組み
    ②雇用契約にはないメンバーシップの仕組み
    ③メンバーシップを築く働き方の仕組み
    ④やっぱり気になる 人事評価、異動、出世の仕組み
    ⑤組織からの自立の仕組み

    組織によって中身は同じではないものの、大筋の仕組みや考え方は知っておいて損はない。本書から後付けで結果のスキームを理解できたことも多い。全ての結果に納得できる理由はないかもしれないが知るだけで負の落ちる何かを見つける手助けにはなる。

    カラクリを理解することで得することはこの世の中では得する事が多い。

  • 前の著書が面白かったので借りてみた。

    以下メモ。
    ⚫︎「会社に残るか」「独立するか」の二者択一しかない状態から離れて、自分を深めなければならない機会だと捉え直す。
    ⚫︎新入社員への訓示で「個性を発揮しろ」「創造性を働かせよ」と言われるが、これらの言葉の前には「組織の仕事を円滑にするために」という枕詞がついている。
    ⚫︎身も蓋もなくいえば、天性の才能がなく、飛び抜けた個性もないからあなたは採用された。しかし、仲間として一緒に働けそうだ、と思われた大きな取り柄がある。
    ⚫︎専門性、というのは専門知識を持っていない人にそれを提供して、役立ててもらうことで本当の意味を持つ。
    ⚫︎国際人の条件①身の回りのことから地域社会全体を考える、空間的広がり②それぞれの地域の歴史的な変化、発達の面白さを理解する、時間的な流れ③自分と違う人間、社会、異文化への好奇心を養い、違いを尊重する④自分の生まれ育った地域、社会、国を愛し誇りに思う⑤異文化の人たちと意思疎通でき、相手の文化を理解した上で議論できる⑥民主主義の理念を実感し実行する
    ⚫︎ダイバーシティ経営というが、多様性のある人材を集めるだけでは何も生まれない。多様な社員の個性や活動を一つの目的遂行にまとめあげてはじめて成果をあげられる。
    ⚫︎信頼される人になるための行動基準①相手の立場になってものを考える②約束をきちんと守る③いうことと行うことを一致させる④結果をこまめに連絡する⑤相手のミスを積極的にカバーする
    ⚫︎会社も変わらない、上司も変わらない、自分も変われない。変えられるのは「関係」だけ。
    ⚫︎日本人は会社とのメンバーシップを持たないのに対し、欧米人は地域や教会、ボランティアなどの複数のコミュニティに所属しているのが特徴。
    ⚫︎努力は自分には帰ってこない。自己実現は目指せない。専門知識を社会人大学院で学んでも、やはり自身の学びにすぎない。
    ⚫︎メンバーシップの一員として、みんなで協力しあって、法人として一つの仕事にまとめ上げるという原則に役立たなければ、会社の評価には結びつかない。
    ⚫︎深は新なり、今まで取り組んできたことを深めることによって新たな道が開ける。資格試験や独立起業のネタ探しではない。
    ⚫︎会社組織は誰もができることをベースに仕事を設計している。取り替え可能、であることが求められている。統合と協働がベース。
    ⚫︎考え方も立場も異なる人と一緒に仕事を進める。このとき必要なのは同時通訳。根回しや調整。どのボタンを押せば話が早く進むのかを掴む。根回しや調整をやりたくないのなら、会社に属すのではなく、個人事業主として自力で稼いで社会とつながらないといけない、という認識を持つべき。
    ⚫︎成長は、常に自分主体。成熟は、常に他者とのかかわり。
    ⚫︎課長クラス未満の人は「評価者である課長の期待値を常に上回ること」
    ⚫︎課長クラス以上の評価は「エラくなる人と長く一緒にやっていける能力」

  • 筆者自身が47歳でうつ病になってしまったという経験がある。
    メンバーの一員として働いてくれるかどうかが重要。専門知識は会社が求める絶対条件ではない。
    学生は自分の能力をアピールしようと躍起になる、会社はそれを求めていない。

    相手の立場になって考える。
    約束をきちんと守る。
    言うことと行うことを一致させる。
    結果をこまめに連絡する。
    相手のミスを積極的にカバーする。

    まずは会社にしがみついていること。

  • 会社が求めている人は高い専門性やスキルのある人というよりは一緒に働けると働きたいと判断された人という考えは目新しかった。

    組織のなかで働くなら最も求められるのは統合と協働が出来ること

    会社というのは社員が成長でき、基礎力を蓄えることができる装置

    自分のためだけに働いていると必ず限界が生じる

    成長と成熟は違う

    等々

  • 自分にしか出来ない仕事は、誰にでも出来ることの延長にある。

    組織人として評価されるには取替え可能な仕事ができるようなるべき。

    #bookvinegar

  • 2013年99冊目。

    今調査中の「メンバーシップ」というワードが多かったので読んでみた本。
    本書では「メンバ―シップ」を「統合(マネジメント)」と「協働(コラボレーション)」の2要素に分けて考えている。
    が、「メンバーシップ」を説く本ではないので、それぞれを詳しく掘り下げるような記述は残念ながらなかった。

    ■独立する前に内部に留まれ
    ■採用されるのに必要なのは専門性ではない

    などのちょっと待ったをかける言葉や

    ■メンバーシップ内では、努力の報いは自分には返ってこない
    ■サラリーマンである以上、仕事による自己実現はできない

    などのこっちがちょっと待ったをかけたくなるような言葉が出てくる。
    このあたりでピンとくる方は一読してみてもいいかも。
    人事的な話しが多いです。

  • 【読書メモ】

    ●本当のセーフティネットは「人のツテ」しかない

    ●「この人なら信用できる」という気持ちは、仕事に直結する

    ●学生は自分の能力をアピールしようと躍起になり、会社はそれを求めていない

    ●土光敏夫「信頼される人になるための行動基準」
    1.相手の立場になって物を考える
    2.約束をきちんと守る
    3.いうことと行うことを一致させる
    4.結果をこまめに連絡する
    5.相手のミスを積極的にカバーする

    ●統合と協働の原則に貢献できるかが、最終的な評価の基準。メンバーシップの一員として、みんなで協力し合って、法人として一つの仕事にまとめ上げるという原則に役立つか

    ●メンバーシップの中では、個々社員の努力を見てくれている人は必ずいる。できるだけ私利私欲に走らずに、社内の上司や同僚、顧客のため頑張る。それが結果的には、人との関係を充実させて、自分の評価に結びつくことになります

    ●深は新なり。今まで取り組んできたことを深めることによって新たな道が開けることがある

    ●取り替え可能な自分が求められる。取り替え可能なように周囲とうまく連携していくこと(協働)にポイントがある

    ●根回しや調整をしていく上で重要なこと
    1.考え方も、立場も異なる人と一緒に仕事を進めていかなければならないので、相手の発言をすべて受け止めた上で解釈する。部分部分でいちいち反応せずに、まずは俯瞰的に、丸ごと相手の考え方を受け止める
    2.組織の中で「どのボタンを押せば、話が早く進むのか」をつかんでおく

    ●アンドリューカーネギー「ひとかどの人間になる芽があるとすれば、それは家族のために働くことだ。それによって、少年から大人へと成長し、立派な人間になるのだ。役立っているという実感がすべてなのだ」

    ●組織の中で、私が「化けた」と感じる人材は、必ず人に鍛えられ他人の目をくぐり抜けています。他者との関わりの中で、そこで揉まれるからこそ、一人の人間としての成熟につながっていきます。他者との関係に四苦八苦しながら、ジグザグ道をどうにか突き進む。それが、これからの会社員に求められる姿勢ではないかと私は思っています

    ●自分の評価は3割増し

    ●どんな評価基準を導入しても真に客観的な評価はありえない。客観性、公平よりも、一緒に働く社員の「うん、そうだ」という納得感を、どれだけ得ることなできるか。それが評価基準のポイント

    ●課長クラス以上の社員が評価される基準を一言でいえば、「エラくなる人と長く一緒にやっていける能力」

    ●評価する側の視点から見れば日々のちょっとした心がけも、案外、評価に影響を与えます

    ●つまらなそうにしている人よりも楽しそうにしてる人、いやいや仕事をしてる人よりも溌剌と仕事をしている人の方が出世のチャンスは広がります。機嫌良く働いている人と一緒に働きたいと思うのは、年代の上下を問わず共通しているからです。そういう態度を、案外、上司は見ているものです

    ●管理職でバリバリやっている人10人と、同年次で登用されてない人10人をノートに書き出して比較してみると、自分の会社の人事評価の基準が見えてくる。統合(マネジメント)、後輩の面倒見、上層部とうまく付き合える力量や「ヒキ」の強さ、枢要部門の経験、など

    ●社長が経験してきた部門を考えるとその会社のエリートコースがわかる

    ●組織パワーのある部署に所属しているかどうか、会社の中で出世する人と出会い、知り合う機会があるかどうかは、「ヒキ」にとって大きな要素になる

    ●組織や他人に上手に依存することが、結果的に自分の個性を発揮しやすくする

    ●私は、若いうちに、目の前の仕事に没頭することをおすすめします

    ●落合博満監督「自分の目標を達成したり、充実した生活を送るためには、必ず一兎だけを追い続けなければならないタイミングがある」

    ●上司や先輩からの理不尽ともいえる要求をこなし、組織や人間関係のむじを抱えながら、軸足を自分から他者へ移すことです。その中で仕事仲間や顧客に貢献できる自分を目指すことご、基礎力を育むのです

    ●プロフェッショナルを育てたいなら、10年間は、短絡的な成果を追い求めるよりも、濃密な経験を積ませることに重きを置くべきである。そこで得られた知識やスキルは、それ以降の成長の土台になるから

    ●凡人の場合、身銭を切るということが、判断力を確実に向上させる良い方法になる

    ●若手社員のときに、会社から受け取るのは給料だけではなくて、仕事の経験、知識、人の付き合い方

  • 完全無欠に腹に落ちる。
    とっても大事な指針だと思う。

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著者プロフィール

楠木 新(クスノキ アラタ)
楠木ライフ&キャリア研究所代表
1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

「2022年 『自分が喜ぶように、働けばいい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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