シェイクスピア全集 (9) (ちくま文庫 し 10-9)

  • 筑摩書房
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033093

感想・レビュー・書評

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  • アントニーの演説場面など断片を教科書等で読んだことはあっても、シェイクスピア作品を読み通したことは初めて。
    史劇ではなく、喜劇だからなのか、直接的・間接的な性的な表現が多く、決してお上品ではない。シェイクスピアのイメージがガラッと変わった。
    訳文の表現の工夫に感心するが、充実した脚注もうれしい。「ワインに石灰を入れる」云々という、ガーター亭の亭主のセリフがあるが、説明がなければ、この主人公が根城するにふさわしい悪質な酒場と勘違いしてしまう。

  • 金に困った好色な騎士フォルスタッフは、ウィンザーの裕福な女房たち、フォード夫人とペイジ夫人に言い寄るが……。

    ダブル不倫を仕掛けた老騎士が、機転の効く二人の人妻に逆にハメられてしまうというドタバタコメディ。各キャラがいきいきとしており、基本悪役ポジションのフォルスタッフもどこか憎めない。コントか?ギャグか?と思わせる流れの数々が笑える。日本語訳ではどうしても伝わりにくいが、言葉遊びによる下ネタが満載なのが注釈でわかり、さらに笑いを誘う。「騙す者が騙される」という主題が折り返されるラストの展開は痛快。

    シェイクスピアの他作品に比べると知名度が低いのか、レビューも多くないけれど、自分的には大好きなタイプの話だった。悲劇の方が印象には残るけど、やはり愛に満ちた大団円も好ましい。

  • 勉強のため、オペラ『ファルスタッフ』の原作の『ウィンザーの陽気な女房たち』を読んだ。まさにイギリス版吉本新喜劇。
    もちろん翻訳で読んでいるわけだけれど、注釈を見ながら読むだけでもシェイクスピアの言葉を操る技の凄さが伝わってくる。原書で読めたら面白いだろうなと思う。

  • 『ヘンリー四世』も『ヘンリー五世』も
    読んだことあるため、
    フォルスタッフが元気にしているのを
    確認できるだけでなんだか嬉しい(笑)

    今日明日の生活の心配がない市民たちが
    ドタバタしているので気楽に読める。
    ラスト、「みんな揃ってうちへ帰り、
    今夜の大騒ぎを暖炉の火を囲んで笑い合」うメンバーの中に
    フォルスタッフが入っているのが最高!

    ヴェルディのオペラ『ファルスタッフ』のラストは
    皆でにこにこ大騒ぎをしているので好き。

  • 読書日:2017年5月24日-5月25日.
    Original title:The Merry Wives of Windsor.
    Author:William Shakespeare.
    Windsorの街中での騒動話で、これぞ喜劇です…!
    Mistress Quicklyの聞き間違いが本当に面白いです。
    私自身も結構聞き間違えますが、彼女程ではありません。

    それから愛しい娘をFentonに嫁がせたくない一心で行動を決したのに、
    周囲の聞い間違いにより話があらぬ方向へ行き、
    結局はAnneは彼と結婚します。

    他にも面白い箇所は登場人物の話し方と、聞く方の言葉の捉え方です。
    Sir Hugh Evansの強い訛りを東北弁に訳し、
    Doctor CaiusのFrance風に訳しています。
    France人は"H"を発音しないので、ここが特に忠実です。

  • この中ではフォルスタッフは結構真面目に見えてしまう。とにかくこれまた笑える。

著者プロフィール

イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている。
出生地はストラトフォード・アポン・エイヴォンで、1585年前後にロンドンに進出し、1592年には新進の劇作家として活躍した。1612年ごろに引退するまでの約20年間に、四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。「ヴィーナスとアドーニス」のような物語詩もあり、特に「ソネット集」は今日でも最高の詩編の一つと見なされている。

「2016年 『マクベス MACBETH』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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