- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480065278
作品紹介・あらすじ
世界的な経済危機、さらに少子高齢化や、インターネット社会の誕生によって、国民の新聞離れ・テレビ視聴の多様化という構造変化が急速に進んだ。その結果、既存メディア業界の経営は、軒並み崖っぷちに立たされている。この状況から日本のメディア産業は、どのようなビジネスモデルを見出し、再編成されてゆくのだろうか。日本の未来予測にとって重要な指標となるアメリカの事例を参照しながら、メディア産業の未来を描く。
感想・レビュー・書評
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プロローグ
第1章 アメリカ新聞界のカタストロフ
第2章 化石のような日本メディア界
第3章 メディア・コングロマリットの光と影
第4章 “次に来る”メディア産業図
エピローグ
著者:河内孝(1944-、東京都、ジャーナリスト)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白くないという評判の付きで借りて読んだのだが、読んでみたら全くそんなことなかった。
その発言の主(社長)は新聞をメディア情報の中心に置いている古い世代なおかつメディア側の人間なので"オモシロく"なかったのかもしれない。
5年後には最終章の未来予想図が過去の事実になっているかもしれない。
そういう意味では賞味期限の短い新書だが、旬の内に食べればその旨さは格別だ -
あとで書く。
図書館で新刊として入っていたので3月20日衝動借り。3月29日読了した。
目次
プロローグ 007
第一章 アメリカ新聞界のカタストロフ 015
第二章 化石のような日本メディア界 079
第三章 メディア・コングロマリットの光と影 125
第四章 ”次に来る”メディア産業図 175
エピローグ 223
p011 かつて、「神の言葉」は羊の皮に古語で手書きされていた。それは大聖堂の奥深くにしまわれ、高僧のみが見ることを許された「秘伝」だった。ところが、十五世紀のグーテンベルグによる活版印刷技術の発明によって、それは紙に印刷された、誰もが読める「聖書」に代わった。
p011 佐藤卓己「現代メディア史」
p022 08年6月からの1年間で2万人以上のジャーナリストがレイオフされた。全米の記者数は01年の56400人がピークだったから、わずか2年間で35%が失業したという数字は衝撃的である。
p035 アメリカの第三代大統領トーマス・ジェファーソン「新聞のない政府と、政府のない新聞のいずれかを選べと言われれば、私は躊躇なく後者を選ぶ。」
p040 グーグル・マリッサ・メイヤー「デジタル時代のニュースの消費構造は、ニュースを網羅して価値づけたフルページの紙面ではなく、そこから切り離された個別の記事へと移ったということなのです。」
p066 グーグルのビデオ・ジャーナリスト養成講座
p081 1930年代までは、全国に100紙以上の新聞がひしめいていた。
新聞・雑誌に対して原料用紙の割り当てという生殺与奪の権を握っていた政府は、国家総動員体制を強化する一環として「一県一紙政策」という言論統制を実行する。
終戦時には57紙余りまでに統合された(佐藤卓己「現代メディア史」)
p082 日本新聞協会の加盟社の中で上場している企業はない。
日刊新聞法という法律により、株式譲渡には取締役会の承認が必要とされている。
新聞は再販適用業種である。
日本の新聞代金は、国際的に見て割高である。1990年代、ワシントン・ポストは3ヶ月分宅配購読は18ドル前後だった。
新聞代金がもっとも高いニューヨークでも、NYU・WSJの宅配は、取り始め3ヶ月間のプロモーション価格が一ヶ月当たり20ドル前後。
p083 販売店は売れる見込みのない新聞を大量に抱え込んでいる。
p085 各新聞社は発行部数がいかに多いか、という見栄の張り合いをはめない、もちろん広告単価も下げたくない。
p100 最後の「護送船団」とも呼ばれてきたマスコミ業界は「言論機関である」というおごりと行政の保護によって、本来やるべき体質改善をなおざりにしてきた。 -
筆者は新聞業界の人なのかな?新聞を軸に話が進んでいく。アメリカでは新聞のない街があるんだとか。日本でのメディア・コングロマリットのあり方について検討している。なかなか興味深い。
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新聞が読まれなくなった。テレビも見られなくなった。インターネット社会はさらにさらに拡大し、世界は狭くなっていく・・・・。これが書かれたのは6年前。変化はさらに加速しているわけで、こうした書籍の息が短いのは仕方がない。もっと新しくもっと身近なものを知りたいというのが、消費者だから。
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ちょっと期待していた内容と異なっていた。
結局、テレビや新聞は消滅するのか?
自分で考えろということか。
どうも内容が難解だと思ったら、慶應SFCでの講義録という位置づけらしい。
どうりで・・・ -
文字通り、日本と世界(アメリカ)のメディアの興亡史を見て、次世代メディアが何かを占った一冊。
日本は比較的わかるものの、世界の方は前提知識がないと難しい感じ。 -
次に来るメディアの話、ではなく、新聞やTVをとりまく業界についてアメリカの実態をもとに、日本でどうなるか?を考えた本。
結局のところは、全国戸別配達網に基づく高い新聞購読料をベースにした新聞社や、多重構造の下請けによって成り立つTV業界などが現在甘受している既得権益はもはや過去のものとなりつつあり、コンテンツのデジタル化が進むにつれて、最終的には通信・放送・マスコミが垂直統合的に一体となったコングロマリットになっていくんじゃないの、ということを言っているのだと理解した。
で、まあそれはその通りだと思うが、すぐに到来する未来ではないような気がする。
読み物としては、全体の論調が新聞記事調で、こういう動きがありますよ、ということを俯瞰的に論じてはいても、結論や主張が明確に述べられているわけではないので、読んでいていまいち腑に落ちる感じがなく、たとえて言うなれば、新聞に載ってるちょっと突っ込んだコラムを読んだような気分。
まあ著者が新聞の人だから当然といえば当然か。
業界的な話は多いので参考にはなります。 -
[ 内容 ]
世界的な経済危機、さらに少子高齢化や、インターネット社会の誕生によって、国民の新聞離れ・テレビ視聴の多様化という構造変化が急速に進んだ。
その結果、既存メディア業界の経営は、軒並み崖っぷちに立たされている。
この状況から日本のメディア産業は、どのようなビジネスモデルを見出し、再編成されてゆくのだろうか。
日本の未来予測にとって重要な指標となるアメリカの事例を参照しながら、メディア産業の未来を描く。
[ 目次 ]
プロローグ
第1章 アメリカ新聞界のカタストロフ(「新聞死亡ウォッチ」;「新聞社に最悪のニュース」 ほか)
第2章 化石のような日本メディア界(日本新聞界のいま;なぜ売れていない新聞を引き受けるのか ほか)
第3章 メディア・コングロマリットの光と影(流れなかった緊急放送;FCC(連邦通信委員会)の歴史 ほか)
第4章 “次に来る”メディア産業図(メディア・ホールディングスの誕生;挫折した竹中改革 ほか)
エピローグ
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
読了:2010/08/16 図書館