ひとはなぜ「認められたい」のか ――承認不安を生きる知恵 (ちくま新書)
- 筑摩書房 (2021年1月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480073693
作品紹介・あらすじ
ひとはなぜ「認められないかもしれない」という不安を募らせるのか。承認欲求を認め、そこから自由に生きる心のあり方と、社会における相互ケアの可能性を考える。
感想・レビュー・書評
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ふだん人とコミュニケーションする上で、「承認」というものがどういう風に存在しているか、作用するか知れる本。
「認められたい」ということよりも、人が無自覚に薄々感じている「不安」が、その人の行動に大きく影響しているのだと知れてよかった。
過去の経験、体験として承認を十分に得られなかった人は、それを反映したり補償する形で歪んだ価値観や行動様式を持っているというのは自分に当てはめてもそうかもという風に思った。
存在の承認、行為の承認によって、その人の価値を認識すること、認めることが人と人とのコミュニケーションにおいて大事なんだなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんとなく普段感じていたことを、ある程度で学的にに言語化していただいた。著者自身がいうように「わかりやすく」書いたとされている。丁寧さの記述と繰り返しの箇所が多いと感じた。著者の考える処方箋は、「相互ケア社会」を作る上での、人に対する「教育の重要な役割」(P.231)としているが、既述にもう少し具体性があれば関係者の施策に資することができただろう。
以下に備忘録の意味でいくつか引用した。 -
リソースははっきりしてないが、読んでいて納得しながら読み進められる。
個人的には、障がい者や高齢者に焦点を当てて承認不安について説明している章の内容が目新しくて勉強になった。「どうしてそう考えるのか」「どうしてそうするのか」を掘り下げて質問することによって、理解と共感につなげていくという点も分かってはいるもののなかなか実践できていないポイントだったので、言語化されていることにより意識がむいてよかった。 -
読んでてもちっともすとんと落ちなかった。
よくわからない。そのひとこと。
あたりまえのことを小難しく言いまわしてるという印象もある。
この人がこういってる、という引用も多くてよくわからない。
とにかく残念だった。よくわからなくて。 -
評論家が書いた本って感じ。
合わなかった。 -
私はずいぶんと承認欲求が強いと思っているので読んでみた。特に病気を患った中での葛藤や他者への攻撃性、怒りなどの極端すぎる感情に振り回される自分についての考え方の取っ掛かりになったように思う。
子育てについてなども記載があるが、あくまで子供の育成に目を向けているので個人的には子育て中の友人におすすめできないと思う。子育て真っ最中の友人が読んだら自分の至らなさに絶望してしまいそうだ。ケアする側のことについてはほとんどなにも記載がない。(本書のテーマから逸れるからだと思うがそれゆえにケア側にはおすすめしたくないと思った。) -
姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→https://library.koutoku.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BB00003608
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2023年9-10月期展示本です。
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00553118 -
今は自分のやりたいことを自由に発信できる世の中だが、同時に自分のやっていることを多くの人に監視もされている。
知り合いでもなく会ったことも話したこともない人達に自分の行動や発言を監視されるというのはある意味怖い時代なのかもしれない。 -
『「認められたい」の正体』の続編的位置づけ。「存在の承認」をベースとした相互ケア社会の実現が、承認不安がまん延する世の中への処方箋になるという。「存在の承認」=「ただそこにいてくれるだけでよし」については、岸見一郎氏のアドラー関係の書籍でも言及されていた。 山竹氏本人もあとがきで触れていたが、相互ケア社会については、少々理想主義的でもある。そもそも、世の中のほとんどの人は、このような新書など読まない(もっと言うと、本すら読まないし)ので、この考え方を広めていくことが課題でもある。