正法眼蔵随聞記 (ちくま文庫 ミ 1-1)

制作 : 懐奘 
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480080226

作品紹介・あらすじ

日本仏教の巨星にして曹洞宗の開祖・道元禅師に影の形に添うごとく参侍し、のち永平二世を嗣いだ懐弉禅師が随侍当初四年間の師の教えを、聞くにしたがって書きとめたものが『正法眼蔵随聞記』である。道元の人と思想、主著『正法眼蔵』を理解するうえでの最良の入門書でもある。本書は、最も信頼のおける写本である長円寺本をもとに厳密な校訂を施し、詳細な注、わかりやすく正確な訳を付した、他の追随を許さない決定版である。巻末に「道元・その人と思想」(増谷文雄)を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738615

  • ”曹洞宗の開祖・道元禅師の教えを、4年間随侍した弟子・孤雲懐弉(こうんえじょう)禅師が聞くに従って書きとめたもの。読みは「しょうぼうげんぞうずいもんき」。

    直近1ヶ月に知り合いの方数人との別れがあり、志や覚悟についての記述(特にp.201「この日一日、たった今だけ命があると思って…」)が心に響いた。

    また、「身心一如」について、「身をもって得る」だから「坐禅を」という論に腹落ちした。

    <キーフレーズ>
    ★自分は病気があるから、病気をなおして後に立派に修行しようと思うのは、道心がないからである。(p.33)

    ・広く学び、博く書物を読むことは、到底できるものではない。すべて思い切ってやめるがよい。ただ一つの事について、心得や、秘訣を習い、先輩の修行のあとをもよく調べて、一つの行に専心努力し、人の師匠ぶったり、先輩顔をしないことである。(p.75)

    ・人は皆仏性があるのだ。いたずらに卑下してはならない。(p.129)

    ・まず心を調え、その動きをおししずめてしまえば、身を捨てることも世を捨てることも、たやすいことである。ところがなかなかそれができないで、物を言うにつけても動作の仕方につけてもただ人目ばかりを考えている。(p.154)

    ★この日一日、たった今だけ命があると思って、時をむだにせず、仏道を学ぶことに身を入れなければならない。その覚悟ができれば、その後はまことにたやすいものである。生まれつきのよしあし、りこうかばかかは全く問題ではない。(p.201)
     ※この覚悟!

    ★教家などでも「身と心は一つのものである」と言い、「身をもって得るのだ」と言っているけれども、なおそれは「身と心が一つのものだからだ」と断わりを言っている。まちがいなく身が道を得るのだということがはっきりしていない。
     (略)心でもって仏法をおしはかり考えている間は、無限に長い時間の間、幾千たび生まれかわっても、道は得られはしない。心を投げ捨て、知識や見解や理会をすっかりやめた時に、仏道が得られるのである。(略)
     だから、心の思いはかりや、知識・見解を全く捨てて、ひたすら坐禅すれば、もう少し道に親しむことができるのである。だから、道を得ることは、間違いなく身をもって得るのである。(p.234)
     ※身心一如の意味。
     

    <きっかけ>
     一般社団法人 人間塾 2015年3月読書会 課題本。”

  • ログピで書いた内容の再掲。

    すごくなんと言うか、道徳の本みたい。
    そして、なんかこう、いろんな例外を悉く網羅しようとする試み?

    仏教ってやっぱり奥が深いなあと感じると同時に、ある種の陳腐さというか、物凄い単純さをどこまでも突き詰めて行く感じなのかな、とも思う。

    きっと、「これが教義である」と手に取れる形で提示することも簡単に出来るんだろうけど、そこに書かれている物事の本当の意義は、言葉面から受ける解釈が万人にとって一意なものではないから、あえてそうしないのかな、なんて。

    だから、とにかく「只管打坐」なのだろうね。自己を滅し、世界を滅す。すべてを滅した後に残るのが、きっと「大悟」なわけだ。自己や世界が残っているうちは、その陰に隠れて見えない。

    そしてこの「大悟」が、デカルトの言うところの「我思う、ゆえに我あり」なんだろう、と思ったり。違うかな。

  • なんとなく道元の仏教を感じることができた。
    驕り高ぶることなく、物事に善悪をつけず、師の言うことを無条件に受け入れ、修行に打ち込む。
    確かにこれは理想であって、これが達成できれば、仏教はいつまでも優れたものであったのだろう。
    ただ、実際には修行を受けた全員がこの境地に至ることはできず、(実際非常に難しいことだと思う)仏教は堕落し、真に仏教的観点を得たければ、自分で尊敬できる師を選ぶべきなのである。

  • 自分を捨てること、一つのことに集中すること、頭で考えるのではなく行動することなど、学問するときの心得を説いた書。

  • おごらず、たかぶらず、心の持ち方を考える時、取り出す本です。
    時代を超えて、時間を超えて、人の心の持ち方を教えてくれる1冊。道元という人が、身近に感じられます

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著者プロフィール

Eihei Dogen (1200-1253) was the founder of the Soto Zen school in Japan. A prolific writer, his masterwork, the 95-chapter Treasure of the True Dharma Eye (Shobogenzo)—of which Bendowa comprises the opening chapter—is considered one of the seminal works in Buddhist literature and a classic among religious and spiritual writings.

「2022年 『Master Dogen's Zazen Meditation Handbook』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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