世界システム論講義: ヨーロッパと近代世界 (ちくま学芸文庫 カ 39-1)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480097187

感想・レビュー・書評

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  • 2時間程で世界の歴史と覇権がどのように動いてきたかがわかりやすくまとまっていふ良書。

  • 「世界システム論」はイマニュエル・ウォーラステインが提唱した概念で、国家ではなく交易・経済を有機的なシステムとして捉える。国家を超えるという意味での「世界」であり、全世界を意味するわけではない。
    https://sessendo.blogspot.com/2021/02/blog-post_4.html

  • 17世紀にオランダが隆盛を極めた後、イギリスやフランスがいかにして世界のシステムを構築していったのか、アジアとの位置づけが理解できた。

  • 最初はだるいが、半分過ぎて面白くなってきた。
    産業革命は奴隷貿易の産物、
    アメリカを作ったのは故国で食いつめた貧民と流刑者、
    フランス革命は… と、
    世界システムの目で見ると革命の神話は崩れ去る。

  • 2017/05/01 再発見

  • KM1a

  • 新しい歴史の考え方
    モギセカと併せて読むと理解が深まりそう
    (難しいけど)

  • 「イギリスは、工業化されたが、インドはされなかった」のではなく、「イギリスが工業化したために、その影響をうけたインドは、容易に工業化できなくなった」のである。(p.26)

     結局のところ、イギリス人にとって、植民地とは、「世界商品」の生産地であると同時に、社会問題の処理場でもあったのである。禁欲で勤勉な中流のイギリス人が、自由のためにアメリカ植民地をつくったわけでは毛頭ないのである。(p.159)

     ジャガイモというものは、「他の国の主食となっている(小麦など)より、はるかに安価に、しかも大量に供給されるので、この植物の栽培が着実に広がっていったことが、アイルランドでイングランドほど人口増加に抑制がかからなかった原因である、とパトリック・カフーンは力説した。(p.191)

  • 世界史の見方が180度変わることは間違いない。

    世界は一つのシステムなのだ。
    だから、すべての事に理由がある。

  • 歴史学の分野でシステム論と呼ぶからには、当然、ニクラス・ルーマンのシステム論が根底にあるのだろう。ルーマンがひたすら抽象的な理論に徹したのに対し、これなどはその考え方を中世〜近代世界史に適用した、具体的な学説の例といったところか。
    しかし本書ではじゅうぶんに「システム論」的なところが感じ取れず、世界史を「社会システムの自律的動向」として把握しきることは困難だった。
    ところどころに面白い知見も見られるが、どういうわけかそうした個別の知が相互につながってくることがなく、単なる「雑学」のような、ばらばらの知識のように見えてしまった。なので、読んだときにはおもしろく思っても記憶に残らず、それは全体像のゲシュタルトに結びつかないからなのである。
    本書が壮大な学術を語り尽くすには小ぶりに過ぎるということもあるだろう。個々の章はばらばらであり、「システム」の統一感が出てこなかった。
    世界システムの中核としてのヨーロッパ文化と、中国などアジア文化等との関係など、示唆的なところはあったのだが・・・。

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著者プロフィール

1940年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科博士課程中退。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授、京都産業大学教授、佛教大学教授などを経て、現在、大阪大学名誉教授。著書に『工業化の歴史的前提』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史』(平凡社)、『民衆の大英帝国』(岩波書店)、『砂糖の世界史』(岩波書店)、『世界の歴史25 アジアと欧米世界』(共著、中央公論新社)、『イギリス近代史講義』(講談社)、訳書にウォーラーステイン著『史的システムとしての資本主義』(岩波書店)、コリー著『イギリス国民の誕生』(監訳、名古屋大学出版会)、イングリッシュ/ケニー著『経済衰退の歴史学』(ミネルヴァ書房)、ポメランツ著『大分岐』(監訳、名古屋大学出版会)他多数。

「2013年 『近代世界システムIV』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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