倫理学入門 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480099044

作品紹介・あらすじ

倫理学こそ哲学の中核をなす学問だ。カント研究の大家が、古代ギリシアから始まるその歩みを三つの潮流に大別し、簡明に解説する。解説 三重野清顕

感想・レビュー・書評

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  • 放送大学のテキストとして執筆されたということで、非常にまとまりのある、読みやすい書籍である。「人間とは何か」の議論は、「人間の本性」と「人間らしさ」とに分けて考察し、倫理学が問題にするのは後者であると論じる。そこから、自然主義、歴史主義、実存主義について概説し、最終的には人間を「人と人との間」として捉えたうえで、全ての人間に対する尊厳から導かれる「人類倫理」を主張する。書名の通り、倫理学の入門書として優れていると考える。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738711

  • 倫理学がたずねるもの:
    人間とはなにかという問い
    人間としての本性
    人間らしさ
    人間性について:
    自然主義の見方
    歴史主義の見方
    実存主義の見方
    自然主義(1)―アリストテレスの倫理:
    アリストテレスの人間観
    人間の徳
    問題点の検討
    自然主義(2)―エピクロスとストア派の倫理:
    ヘレニズム時代の倫理
    エピクロス
    ストア派
    主我主義と主他主義:
    主我主義
    主他主義
    主我と主他
    自然主義(3)―功利主義の倫理:
    功利性の原理
    最大多数の最大幸福
    ミルによる修正
    功利主義批判と義務論:
    幸福と快
    行為と理性
    義務論の考え
    カントの倫理学:
    義務と善い意思
    定言命法とその定法
    自律と理性信仰
    歴史主義と倫理:
    歴史的相対主義
    唯物論的歴史主義
    歴史主義に対する批判
    実存主義と倫理:
    実在の本来性―ハイデッカーの場合
    実存の理由―サルトルの場合
    実存主義の批判―他者の問題
    人「間」と倫理:
    回顧と展望
    人「間」としての人間
    フォイエルバッハの考え
    「私と汝」のその後の展開:
    ブーバーの私と汝
    実存主義と汝
    残された問題
    役割関係と役割倫理:
    役割関係とペルソナ
    役割行動と役割期待
    残された問題
    和辻倫理学:
    人間存在の根本構造
    人倫的組織
    和辻倫理学における人格
    社会倫理と人類倫理:
    ベルグソンの社会的道徳と人類道徳
    役割倫理としての社会論理
    人類倫理への道

  • 倫理学というのは確かにこういうものだった時代があったねえ。まあ宇都宮先生はえらい。

  • 某非常勤先の2019年度基礎共通科目の運営費にて消耗図書資料として購入。2019年7月8日(月)に読み始める。

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著者プロフィール

1931年生まれ。東京大学大学院博士課程退学。北海道大学教授を経て、現在、北海道大学名誉教授。
著書:『人間の間と倫理』以文社1980年、『カントと神』(第12回和辻哲郎文化賞受賞)岩波書店1998年、『カントの啓蒙精神』岩波書店2006年、他多数。
訳書:『永遠平和のために』岩波文庫1985年、『判断力批判』上下巻、以文社1994年、『道徳形而上学の基礎づけ』以文社1998年、『純粋理性批判』上下巻、以文社2004年など。

「2007年 『道徳形而上学の基礎づけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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