ちくま日本文学全集 51 幸田文

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480102515

感想・レビュー・書評

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  • 幸田文の小説はキャラクター小説として読める。露伴というキャラの使い方が抜群にうまいのである。関係ないとこでも露伴がふらっと出てきて全体を締めるようななことをぽつり言う。言わせていると言ったほうが正しいかもしれない。幸田文は意外とフィクション作家だったりもする。

    『姦声』という小説はレイプ小説として面白い。抵抗のあまり男の口の中に入れた指の感触まで書く(「ぬるぬるしていた」)ところは、すでに小説家の凄味がある。作家になる前の体験をここまで鮮明に記憶で書けるか。フィクション作家だったりもするという所以がここにもある。

  • ※一部既読。まだ読み終わってない

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著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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