ユーモレスク (ちくま文庫 な 36-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480423405

感想・レビュー・書評

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  • アラクネはユーモレスクの続編かと思ったら違った。
    プレゼンして幹部たちだけがわかる理由でニヤついた、ざわめいた、のが嫌な気分にさせる。後にKが教えてくれるのが、話の筋、とはいえ。

    主人公は四人家族で弟は五年生の遠足で貯水湖に行って帰ってきていない。
    寂しい感じで、解決もしない。
    隣人の文彦と弟が仲が良かった事を知り、知らなかった弟の一面を知る。

    この隣り合った二軒は不憫すぎる。特に文彦。
    周子の家は弟が行方不明。貯水地の水が抜かれても見つからなかった。
    比和家は10年ほど前に父親が心不全で死に、すみれは引率した生徒が行方不明。隣家の息子が行方不明になる前に服装を注意していた。そんなスカーフは変だし男がするものじゃない。すみれが死に、最終的には母親も死んで、文彦としては安心したかも。母親がおかしくなりだしたのは父親が死んでから、すみれが自分と違う方向に進みだして加速。文彦はよくグレなかった。すみれと母親の関係で本がありそうな。
    周子の職場に現れる文彦の元カレ達とお見合い相手。
    元カレ?の副島和も。シングルで母親が死んで、引き取られた先は母の古い友人と言われていたのが父親で、異母弟がいて。

    弟の真哉がピアノのユーモレスクを好きだったのは、好きな文彦が弾いていることを知っていたから。
    デパートの符丁、雨、万引き、売り上げ達成。知ってたら客でも楽しいかも。
    バイオリンを質流しせずに済んだ男性はデパートのトイレで身だしなみを整えて、どうやって質流しせずに済んだんだろう。

    すみれの死亡理由何だったっけ?

  • 6年前から行方不明の弟のことも、仕事や隣人のことも、終始一定の温度で語られているからか、そのまますんなり受け入れてしまえる。
    姉である主人公にとってはどれも特別じゃない日常なのかと錯覚しそうになるけれど、そんなわけはないのだろう。片づけをしたり貯水湖を見に行く場面では、現実に引き戻されるように寂しさを感じた。

  • 1つ1つの物語が読み進めるうちに繋がっていくから、どのシーンも油断できない。ミステリーをあまり読まないので、不慣れだったものの新鮮だった。
    三の宮さんや萌との会話も面白い。
    それにしても真哉くんが、切ない…よ。

  • 行方不明になった弟の姉・周子目線。入り組んだ人間関係が「ネクタイ」を通してだんだん明らかになっていくミステリーっぽい展開は面白かったけれど、う〜むそこまでグッと来なかった

  • 男同士の密かな感情をそっと覗き見る隠微さになんというか、BL好きな人の心をこう…そっと撫でてゆくようなそんな気持ちになった。
    長野さんの作品では同性同士の関係になると、どちらがどうみたいな役割が決まっていたりするものが多い中でどちらとも言えない感じを醸し出している感じが個人的には好感が持てた。
    服飾品の中でネクタイと言えば「束縛」をやはり端的に表現するものなのだろうか…と彼等の一連の情事を見るにつけ連想させられる事になった。
    後半の「アラクネ」のレースと蜘蛛の巣を思い浮かばせる情景は幻想的で印象に残った。

  • 学校の図書室で表紙を見て借りてきたので、読んでいる途中で同性愛を取り入れた作品だと気付き、少々驚きました。(実際にこんなに身近にそう何人も同性愛者がいるものなのか?と疑問に思いました)

    すごく人物の関係性がいりくんでます。和くんがこの話が進んでく上での重要人物ですね。弟がいなくなって何年もたってから、周子が知らかった弟のことがどんどんわかっていきます。周子たち家族が弟真哉の死を受け入れていく過程が、止まっていた時がようやく流れていく感じがします。いつも大切な人の面影を生活の中で自然と探してしまうのは、なんだか切ないですね。弟のことに区切りをつけて、一歩進もうとする家族の姿が印象的でした。

    会話文など回りくどい書き方があったりして、少し読みづらかったです。

  • 周子…だと…!?(笑)

  • 2009/05/12

  • 長野さんっぽくないかもだけど、ほんわり、柔らかい空気が流れるような作品で、けっこうスキでした。
    ピアノの音が聴きたくなります。

  • 衣服の描写が綺麗

    ネクタイとかシャツとかいい…

    今回は女子が主人公だからふつうの話かと思ったら安定のほもだった

    副島くんすき

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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