バ-ボン・ストリ-ト・ブル-ス (ちくま文庫 た 55-1)

著者 :
  • 筑摩書房
4.05
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本棚登録 : 237
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424303

作品紹介・あらすじ

フォークソングが一世を風靡した頃、奇妙な曲「自衛隊に入ろう」が話題になった。「あたりさわりのないことを歌いながら、皮肉や揶揄などの香辛料をパラパラふりかけるやり方が好き」な高田らしいデビュー曲である。以後、世の流行に迎合せず、グラス片手に飄々と歌い続けて40年。いぶし銀のような輝きを放ちつつ逝った、フォークシンガー高田渡の酔いどれ人生記。

感想・レビュー・書評

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  • 高田渡さんが生前
    飲み友達だった方と
    いろんな四方山話をさせて
    もらうことがある

    時折、
    「渡ちゃん」(そう呼んでいたとのこと)の話になって
    それこそ いろんな「渡ちゃん噺」が飛び出して
    抱腹絶倒になることが よくある

    聞けば聞くほど
    あぁ 渡ちゃんは「人たらし」
    それも 特別魅力的な「人たらし」
    だったのだなぁ
    と 思わせられる

    魅力的な人を 魅力的に語る
    いや 語り継いでいくこと
    その話を 聞かせてもらえることも
    また 人生を豊かにしてくれる

  • かなり昔の話だが、吉祥寺の「のろ」という呑み屋で友人と呑んでいたときに、高田さんと偶然一緒になったことがあった。本書によると、コンサートはやっていたが、アルバムは1枚だけしは出していない80年代だったと思う。当時は加川良が新譜を久々に出したり、ライブもしたりと精力的で、自分もライブを見に行ったりしていたのだが、高田さんの音楽に生で触れたことはなかった。
    いつかは、と思いながら結局触れずじまいで、もうかなわぬ夢となってしまった。
    ストイックに生きたんだなあ、と本書を読んで感じる。歌への想いもスタイルもずっと変わらなかったんだなあと思う。最終章に「もういせやしか居場所がなくなっている」と書いてあるのが切ない。そのいせやももう別のお店のように綺麗になってしまった。天国の高田さんは何を思うのだろうか。

  • ここ1,2年、人間味が漏れちゃってたり素直故に溢れ出ちゃってるリアルな人好きなんだな〜って自覚するようになったけど、高田渡はまさにそれですごく愛おしく感じた。

    彼の思考も(人間味も含まれてるかもだけど)彼なりの筋が通っていて、かつ自分とリンクする部分もあってかなり好き。

    いつでも飾らず等身大で、でも酒を煽らなきゃどうしようもできない弱さも持っている彼をとても好きになった。

  • わたしの青春は、この年代の人たちの学生運動、フォークソング、ファッションを仰ぎ見て、模倣して生きていた。

  • 「自衛隊に入ろう」など、皮肉や揶揄などの香辛料を振りかけたような高田渡の曲。
    グラス片手に歌い続けて40年。
    フォークシンガー高田渡の酔いどれ人生記。
    仙台の「源氏」に行ったなぁ。

    (前略)仙台の街中には「源氏」という感じのいい店があった。この店で飲める酒は、ひとり三杯までと決まっている。ビールはたしか二本までだったか。(中略)お酒を頼むと昔の湯沸器みたいな機会からお燗のお酒が出てくるのだが、それにちょっと量が多めのお通しがついてくる。次に二杯目のお酒を頼むと、また別のお通しが出てくる。そして三杯目のお酒を頼んだときについてくるのが赤だしの味噌汁。やんわりと「もうこれで終わりですよ」と告げているわけだ。 ー 154ページ

  • 2019年4月14日に紹介されました!

  • 結局一度も生で聞くことが出来なかった高田渡さん。お亡くなりになる1年ほど前に偶々見たDVDに渡さんが出て歌ってらっしゃって、エンケンさん目的に買ったDVDだったのに、すっかり渡さんのファンになりました。訥々としゃべる面白さ、味の世界そのものの歌の世界。今までハードロック、へヴィーメタルばっかり聴いていた耳になんとも心地よく響いたのを覚えています。その後予定されていたライブに行く予定をしていたのですが、残念ながらツアー中に倒れてそのままお亡くなりになってしまいました。ずいぶんお年を召していたと思っていましたが50代だったんですよね。もっとご自愛されていればまだまだ現役だったろうに・・・・
    この本は子供時分の話からお亡くなりになる数年前迄を総括するような内容で、偏屈で可愛らしくてどうしようもない渡さんの姿があります。この本を読みながら渡さんのCDを聴いていると文を朗読している彼の声が聞こえてくるようで心がぽかぽかします。
    ちなみに息子の高田蓮さんは僕の一つ年上でした。それもなんとなくうれしい。

  • 本が好きな人にこそ、是非読んでほしい。

    高田渡というフォークシンガー。
    好きだなぁ、歌も話し方も。

    初めて聞いた時には、
    「いい歌、歌うなぁ。いい歌詞だ」
    と思ったけど、実は詩人の言葉だったんだと少し残念になり、この本を読んで
    「やっぱりいいなぁ。この言葉を選んで、この歌に仕上げてるってすごいことだ」
    と思い直した。

    皮肉のさじ加減が本当に絶妙。

    「底の浅い人にはきっとわからないんだ。わかった自分はきっとなかなかなものだ」
    と、チビチビ酒飲みながらギター弾いてるよ。

  • H27/8/30

  • 【再読】★☆★☆
    06/20
    長島有『いろんな気持ちが本当の気持ち』

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著者プロフィール

1949年1月1日-2005年4月16日。岐阜県出身。1969年に高石音楽事務所に所属し、「五つの赤い風船」とのカップリング・アルバムでURCレコードからデビュー。71年にベルウッドから名盤『ごあいさつ』をリリース。75年には細野晴臣達とLAレコーディングを行ない、翌年に『FISHIN'ON SUNDAY』を発表。その後もマイペースな活動を送る中、2004年に公開されたドキュメンタリー映画『タカダワタル的』で人気が再熱。時代に流されない生き方に、改めて幅広い世代のファンが共感を覚えた。2005年に急逝するも、その存在は今も多くのミュージシャンに影響を与え続けている。

「2021年 『高田渡の視線の先に-写真擬1972-1979-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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