フラナリー・オコナー全短篇〈上〉 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425911

感想・レビュー・書評

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  • アメリカ文学なので、そのベースがない自分には今ひとつわからないところもあった。いったん中断。

  • 好き。

  • 南部ゴシックというジャンルがあるようで。こないだ読んだバリー・ハンナとか、欲望と言う名の電車とか。あくまで白人側から書かれたテイ。特徴というのか見事だなと思ったのは、自分の向けた視線の先にあるものを、歪めることのないままの姿勢で書くスタイルなのかな。あんまり女性的とかいう表現は使いたくないが、照準を定めた場所に向けた猟銃に掛ける執拗な湿り気を帯びた視線というか熱い呼吸を恥じることなくしまい忘れている。男性はジャンル分けを恐れ、そういう足跡を消したがるような気がする。若い頃から非常に成熟した作家である。

  • 再読。山内マリコ氏の著作に感じたのと同じ感じ。

  • タイトルの通り、オコナーの全短篇を集めた文庫本上下巻の、上巻。
    短篇集『善人はなかなかいない』の他、初期作品6本が収録されている。
    『善人はなかなかいない』は文春文庫のアンソロジー『厭な物語』にも収録されていて、そちらが初読だった。『厭な物語』だけあって読後感は悪いのだが、当然、こちらで読んでも変わらずw
    基本的に救いようのない話が多い。また、『賢い血』の訳者あとがきにあった『「キリストを中心とするのではなく、キリストに憑かれている」南部』というモチーフは短篇の方がより解りやすいと感じた。
    『善人はなかなかいない』の他には、『聖霊のやどる宮』と『人造黒人』が良かった。読後感は良くないけどw

  • 外国文学を読むための知識/教養として「キリスト教」を知ってはいるが、理解できてるわけでない。
    なので、真っ向から信仰について書かれたものは、わかりやすいのだが、なんとなく感じられる「キリスト教」的な感じがよくわからない…。

    フラナリーオコナーもそう。

    アメリカ南部の貧しい人々の「救い」のないようなどうしようもない物語で、突き放され残酷な物語。
    神に祈る者は殺され、神の国を求めた少年は溺れ死ぬ。聖書を売る男は食わせ者で義足を奪う。まさに「善人はなかなかいない」。

    どちらかというと「神はいない!」という話のような気がするが、そうじゃないらしい。
    浄土真宗の悪人正機的な意味合いがあるのか??
    救いはどこにあるのだろうか。

    これをノワールにすると、ジム・トンプソン?
    山本周五郎と似てるんだけど、突き放されている。
    中上健次の短篇っぽい?紀州とアメリカ南部、似ているかも。

    「田舎の善人」「強制追放者」の強烈な『いやーな感じ』、堪能しました。

  • ちくま哲学の森『悪の哲学』所収の『善良な田舎者』を読み、この本にたどり着く。

    全開のノワール。暴力と恩寵は必然的に結びつくという独自のカトリック観(この意味でモーリアックは手ぬるい)。北野武が同様の発言。「最も残酷な暴力には最も強烈な愛が結びつかなければならない」。

  • 2009年4月1日購入

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