なんらかの事情 (ちくま文庫 き 30-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480433343

感想・レビュー・書評

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  • R3.6.6 読了。

     残念ながら、面白さがわからなかった。

  • 短くて軽くて面白くて、いつの間にか静かな妄想の世界に迷い込んでしまう岸本さんのエッセイ。待ち時間に読みながらそのままうとうとしてしまった。『雪強盗』『素敵なアロマ生活』『瓶記』『Mさんち』『おめでとう』『会う』が好き。

  • 岸本佐知子の妄想という名の暴走エッセイ第二弾

    気楽に読めてクスッと笑える。
    ホントに不思議な方です。

    「やぼう」に爆笑しました\(//∇//)


  • 「なんらかの事情」 岸本佐知子(著)

    2016年 3/10 文庫第1刷発行 (株)筑摩書房

    「ねにもつタイプ」の第2弾らしい…

    岸本佐知子さんの翻訳がとても良い感じなので
    エッセイに手を出してしまったが…

    とても変な人だって事が良く分かりました。

    依然として好きです。

  • 岸本佐知子さん:この人の思考回路は全くもって謎ですね。
    スーパーコンピューター富岳を独占使用し、最新鋭のAIに解析させても予測不能に違いありません。
    ごく普通な日常の一コマから、あれよあれよという間に異次元の世界に連れていかれてしまいます。

    ひとつの話が終わる毎に「ばっかじゃないの!?」とか「そんなわけないでしょ!」とか「そもそも何の話題だったんだっけ?」と思ってしまう。
    でも時々「あれっ!まともじゃん!」と、共感している自分に気付くのは、洗脳され岸本佐知子化されてきたのかも知れません♪

    中華料理のテーブルのあのくるくる廻る部分に乗りたい。
    "あのタクシーの後を追って!"と言ってみたい。
    皇帝ペンギンの後ろからそっとお腹に手を回してみたい。

    と、誰もが思ったことがありそうな(?)事柄がきっかけなのに、実際に行ったら何が起きるかまでを詳細に描くことができる所がすごいですね。

    「耳」の話は特に面白かった。耳かきが好きだという話から耳は変だという内容に変わっていくのだが、三浦しをんさんと一緒に語らせたら人間の耳っていったいどんな存在になるのだろうと思いました。

  • いちばん早いと思ったレジが、最も遅くなる。

    買ったばかりの服のボタンが、初めて着ようとした時に、ぶらぶらになって垂れ下がってる(しかもそこそこ高いやつ)。

    家庭科の授業で配られた裁縫セットの中にあった、アルミの円盤部分に、なぜかローマ皇帝の横顔みたいな模様がある、針穴に糸を通すための道具のような、間がもたない気がしてついつい入れてしまった飾りが、心の琴線に触れる。

    上記について、すごい、私の心が読まれてるよ。
    なんか分かってくれる人がいる! 
    と、思わず心の中で快哉を叫んでしまった。

    ダースベイダーも夜は寝るのだろうかと考えることや、アロマを嗅ぐ時の「くんかくんか」って表現は、私のツボにはまり、万物の律儀さの単純なものほど果てしなく深い内容には、宇宙を想像して心細さを感じてしまったり、あまりに共感できる点が多く、失礼ながら友達になりたいと思ってしまった。

    エッセイは、著者自身の心の内を読んでいるような感覚をもたらす時があり、今回は、私個人の存在を意識するようで、ちょっと恥ずかしい思いにもなったが、それ以上の嬉しさがあったので、次第に全く気にならず、楽しく読めました。

    が、上記のことも全て妄想だったらどうしよう。

  • 岸本佐知子 『なんらかの事情』 : 常識的思考パターンからの自由|年間読書人(2024年2月6日)
    https://note.com/nenkandokusyojin/n/n2dc50fd5db4e

    岸本さんもしくは兄さん的なもの|単行本|円城 塔|webちくま(2013年2月1日)
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/883

    ネにもつタイプ傑作選|webちくま
    https://www.webchikuma.jp/category/nenimotsu

    筑摩書房 なんらかの事情 / 岸本 佐知子 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480433343/
    (単行本)
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480815163/

  • 昨年「ねにもつタイプ」を読んでからずっと岸本節に取り憑かれている。エッセイを読んでいるはずだったのに、いつの間にか背筋がスッとなるような奇妙で可笑しくてちょっと恐い、知らない世界に吸い込まれている。その感覚が気持ち良すぎて、一編読むごとに顔を上げて“クゥー”となっている。

  • 岸本佐知子の翻訳した小説をはじめて読んだのはいつだったか。
    彼女のエッセイをはじめて読んだのはいつだったか。
    どちらが先だったか?

    兎にも角にも、彼女は「岸本佐知子が訳した小説」といういちジャンルを確立している数少ない翻訳家のひとりである、私の中で。

    その想像力(創造力?)に嫉妬すら感じております。

    「サザエのふた屋」とか!

    途切れなく引かれた一本の線のように、まっすぐまっすぐ伸びていく、思考の道すじ。
    紙の上に収まらず、すうっと伸びていく。
    普通の人間なら少なくとも紙の中に収まるはずなのだ。
    恐れを知らず、線はすうっと伸びていく。
    この世ではないどこかを伸びていく。

  • エッセイであろう、ということ以外、前情報が全くない状態で読み始めてしまったら・・・見事にツボッた。
    これは1人で電車などでは読んではいけないヤツです。どうしても笑ってしまう。
    出だしは何てことはない、些細な話なのに、徐々にスピードを上げて壮大なスケールの妄想の世界へ放り込まれて、気がついたら、その渦の中でグルングルンに翻弄されている感じ。そして突然ポイッと現実世界に引き戻されているのだ。
    本当に体感したのか、夢の世界での話なのか、思い出が膨らみすぎたのか、物事を掘り下げすぎて深みにはまってしまったのか、はたまた妄想なのか、境界線の曖昧さが不思議な世界観を醸し出していると思う。
    肩を震わせて笑いながら、まんまとその世界で泳がされてしまった。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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