江藤淳と大江健三郎 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480435330

作品紹介・あらすじ

大江健三郎と江藤淳は、戦後文学史の宿命の敵同士として知られた。その足跡をたどりながら日本の文壇・論壇を浮き彫りにするダブル伝記。(大澤聡)

感想・レビュー・書評

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  • まず、著者が江藤淳と大江健三郎のダブル評伝を客観的に書こうという意思が毛頭ないところが面白い。その意味で本書は偏見に満ちた一冊なのだけれど、だからこそ、江藤ファンでも大江ファンでもないのに、わけもなく夢中で読んだ。要するに本書は、江藤と大江をある時期に読み込んだ著者自身の私評伝だといってもいい。
    本書における江藤淳は、「名誉欲にまみれた天皇礼賛右翼の批評家」、大江健三郎は、「学者にコンプレックスのある、いささかロリコン気味の、勉強家で酒乱の小説家」、として定義されている。
    とはいえバカにしているわけではなく、両者に対して多かれ少なかれの敬意があるがゆえに、本書は誠意に満ちた本に思えて仕方がない、その意味で、もっとも客観的な評伝だと思われるのだ。

  • 単行本で既読。

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著者プロフィール

小谷野 敦(こやの・あつし):1962年茨城県生まれ。東京大学文学部大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家、文筆家。著書に『もてない男』『宗教に関心がなければいけないのか』『大相撲40年史』(ちくま新書)、『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)、『現代文学論争』(筑摩選書)、『谷崎潤一郎伝』『里見弴伝』『久米正雄伝』『川端康成伝』(以上、中央公論新社)ほか多数。小説に『悲望』(幻冬舎文庫)、『母子寮前』(文藝春秋)など。

「2023年 『直木賞をとれなかった名作たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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