線の冒険 ――デザインの事件簿 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480438003

作品紹介・あらすじ

線とは、点が動くことによってできた、運動の軌跡。旋回する線、立体化する線、饒舌な線……。そこに生まれるドラマを読む。解説 横尾忠則

感想・レビュー・書評

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  •  本書でいう「線」とは、幅が極端に狭い「面」ではなく、点が動くことによってできた、運動の軌跡のことを指す。そして線の軌跡は、多くのドラマをもたらすだろう。
     ということで、子午線や光速を測るためのメートル法の話。マルセル・デュシャンの〈大ガラス〉のひび割れ。魔法陣の軌跡。真珠湾攻撃後、最初の東京爆撃を決行したドゥリットル隊各機の軌跡と、アメリカに向けた風船爆弾の軌跡(アメリカ本土に900〜1000個届いたということは知らなかった)。
     朝鮮戦争の前線の動き。何度も地図で見たことはあったが、正に線の軌跡。
     そして、エッフェル塔、東京タワー。 

     思いも寄らぬ線の軌跡に酔ってしまいそうに、話は次から次へと進んでいく。収録されている多数の図や写真を見ているだけでも楽しくて堪らない。

  • ふむ

  • 線や軌跡をテーマに、さまざまな話が続く。上から下に刃が落下して処刑するギロチンと上から下に爆弾を落とす空爆、この二つを直線運動として同じものとして捉える感覚など、自分にはない視点だった。線を活用してフォントがだんだん立体化していること、地図記号は逆に線のために平面化、単純化され動きがなくなってきていることなど、いろいろなジャンルの話題が出てきておもしろい。

  • 2022/3/26日経

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著者プロフィール

松田行正
本のデザインを中心としたグラフィック・デザイナー。自称デザインの歴史探偵。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社、牛若丸主宰。『眼の冒険』(紀伊國屋書店)で第37 回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。著書に、『デザインってなんだろ?』(紀伊國屋書店)、『デザインの作法』(平凡社)、『にほん的』(河出書房新社)、『独裁者のデザイン』(河出文庫)、『眼の冒険』『線の冒険』(ちくま文庫)、『RED』『HATE !』『急がば廻れ』『デザイン偉人伝』『アート& デザイン表現史』『戦争とデザイン』『宗教とデザイン』(左右社)などがある。

「2023年 『グラフィック・ビートルズ(3,600円+税、牛若丸・Book&Design)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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