- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480688583
作品紹介・あらすじ
女子一〇〇%の濃密ワールドで洗礼を受けた彼女たちは、卒業後も独特のオーラを発し続ける。インタビュー、座談会、同窓会や文化祭潜入などもまじえ、知られざる生態をつまびらかにする。
感想・レビュー・書評
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中高6年間を女子校で過ごし、大学でも(共学ではあるけど)その頃のメンバーと集まることが多かった。
思春期の多感な時期に、ほとんど異性と交流も持たず(合コンはあったが)伸び伸びと自由に過ごした結果、女子校出身者たちは対異性免疫の低さから、様々な失敗を繰り返してきた…。
自身も女子学院出身のなめ子氏いわく、「女子校出身者は男を見る目がない」。純粋培養ゆえ男性というものを知らなすぎたり、逆に野獣のように恐れてみたりと、警戒も度が過ぎる。
社会に出てから思うのだ…。どうも、年齢と恋愛経験値の釣り合いがとれない自分に気付く度。女子力の低さにがっかりされる度。あの日に、あの女ばかりの学生生活に帰りたいと…。
ページェント(クリスマス礼拝)や文化祭の懐かしさ!合唱!球技大会!創作ダンス!
本書で取り上げられているのは都内の女子校ばかりなので、関西出身者としては関西版の女子校分類も読んでみたいなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私も中高女子校なので、面白そうと思い読んでみた。内容は東京都内の女子校を中心に書かれている為、地方のミッション系女子校に通った私としてはなかなか共感できない部分もあったが概ね楽しく読めた。ここに書かれている事は一部の意見でしかないと思うし、若干過剰に書かれている感じはした。
私自身は思春期の多感な時期を女子校(我が母校に限るが…)で過ごせて良かったと今でも思う。 -
共感できる一方で何だか羨ましくなってしまった。
私は現時点で女子校に通っているけど、学校生活あるあるはともかく、文化祭とか異性交流ともなると、コロナ云々があり、共感、、、と、いう、より、かは、、、ああ、普通だったらこんな生活ができていたんだ、みたいな感じだった。まぁ多少は誇張してるところもあるかもしれないけど。
私としては共感対非共感(?)が五分五分くらいの本で、女子校関係ない人が読んでも面白いと思う(むしろ関係者じゃない方が面白く読めるかも)。 -
3年間しか女子校に在籍しなかったからか、この本に出てくるような濃密な女子校ワールドの味はよくわからずに卒業してしまいました。
いや、正しくは周囲を冷静に観察できないままにというべきなのかもですが…。
浅いレベルの「女子校あるある」(牛歩的着替えで男性教師へ反抗、暑い時期はかなり酷い格好で授業をきく、等々)は共感できたけど、もっと深い”一種の闇”のようなエピソードは読んでいてちょっと気後れ気味に。
でも確かに中学や小学校から上がってきた友だちの話を思い返すと当てはまるようなこともチラホラ…。
さらにインタビュー記事に出てくる方々のお話(男子校出身の方のも含めて)もやや別次元のことのように思えたり。3年間が短かったのか、わたしが鈍感すぎたのか…。
自分の高校時代と重ねあわせてちょいちょい「???」となりつつも、なめ子さんの軽い毒をまぶした面白誇張表現がさく裂していてテンポよく読めました。 -
課題のために寄った図書館でなぜかふと手にとってしまった一冊です。文春で文章を拝見することは何度かありましたが、辛酸さんの著書を読んだのは初めてでした。女子校でのエピソードを赤裸々に語る内容なのですが、「あるある!」と共感できるものから「え、そんなのありえない」と驚いてしまうものまで…やはりここで語られている女子校のほとんどが名門で偏差値も高い女子校だから普通の女子校出身だとそもそも違ってくる部分も多いのでしょうか。中でも衝撃を受けたのが修学旅行かなんかでお酒を持ち寄った際に辛酸さんが酔っ払って先生たちの前で踊りを披露したというエピソードです。かたや我が校はお酒なんてもってのほか、修学旅行でカップラーメンを持ち込んだ生徒がいただけで学年主任に怒られていました。違いはあれど、「今となっては良い思い出」であるのと、基本的に守られた空間である点では女子校というのはどこも似たようなものなのかもしれません。
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辛酸なめ子さんご自身は女子学院中学・高校のご出身とか。
僕の中では娘を女子校に通わせたいという想いが日増しに強くなっているため、そのイメージを確実なものとするために、女子中/女子高毎の校風や気質が紹介されている本書を手に取ってみました。
女子校タイプ別図鑑では、お勉強系の最高峰である桜蔭から深窓お嬢様系の学習院、聖心まで、マッピング、分類されており、例えも面白く、なるほどと思いました。
学業面や情緒面のみならず、恋愛、事件、性、いじめ など軽妙なタッチで語られます。
若干、性や下ねた系の話が多いように感じましたが、それが女子校の実態なのかも知れません。(笑)
でも、こういう本は真面目に読むのではなくて、イメージや妄想を膨らませるための復読本として気軽に読むのに最適です。 -
辛酸なめ子さんによる女子校に関しての実体験、取材に基づくエッセイ、レポートなど
学校説明会、文化祭、同窓会への潜入、卒業生、配偶者、教師等関係者の対談といった、取材やアンケートなど一部データに基づく主張がされてある
ただ、全体的に辛酸なめ子さんのフィルターがかかった分析になっているため、どうしても偏った表現になってしまっている
定量的なものではなく、こんな傾向もありそうだという定性的なものとして読むのがよいと思う
辛酸なめ子さんらしい表現が多数
処女率、男ウケ、モテといった自虐を含んだ偏見に塗れた分析とか、下品で下世話に感じて受け入れられない人もいるでしょうねぇ……
女子校といってもお嬢様系なのか、カトリック色が強いのか、学力重視なのか、自由さを売りにしているのかによって変わる
冒頭で女子校の特徴をいくつかのタイプに分け、学力と規律の軸で散布図に表されているのでわかりやすい
・女子校出身者の特徴
自然体で女を武器にする事が自然にはできない
男の目がないため、容姿を気にせずに多感な時期を過ごすことができる
女性同士のライバル感が薄い
女の敵は女ではないと思っている
女性同士でお互いに素直に褒め称えたり認め合えたりする
女子だけの社会で育つので、男に頼らずに何でもできるという意識がある
女子の中で、ボーイッシュとガーリー、フェミニンのばらつきが大きくなる
女子校出身者は男を見る目がないと言われるのは、男性と接する経験が少ないから
ドロドロしていると思われがちだが、逆に関係はフラット
いじめが然程陰湿ではない
他には、恋愛事情など
男女、女同士の関係それぞれ
学校によっては同じ学年でなければOKとか、微妙な違いがあるようで
すべてがどうとは言えなそう
興味深かったのが、桜蔭の文化祭レポート
数学部の部屋に入ると「数学クイズ」が手渡され、桜蔭合格をめざす小学生女子にまって、開成の男子校生が挑戦していた
辛酸なめ子さんによれば「問題を出すというのは、桜蔭生にとってコミュニケーションの重要な手段なのかもしれません。求婚者たちに難問を出し続けた竹取物語のお姫様のような自尊心を感じます」との事
あと他にも結婚相手に求めるのは容姿で、年収に関しては自分が稼げばいいという発想をしつつも、容姿が野暮ったいとか
桜蔭は女子校の中でも結構異質なのかもしれない
一番面白かったのが、第一部と第二部の扉に載っている辛酸なめ子さんの写真
「中学入学時、まじめ人間だった頃」と「三十代で女子校時代にコスプレ退行」
昔っからあんな感じだったとか、未だに女子校生の雰囲気をまとているのがウケる
私自身の女子校へのイメージとしては、この中でも挙げられているけど、ジェンダーの幅でしょうか
女子集団の中で、より男っぽく振る舞う人と、より女っぽく振る舞うように分散しているイメージ
ジェンダーに悩む人こそ、女子校に入った方がその期間は楽に生きられそうな気がする
まぁ、その後は世間とのズレにもっと苦しむことになりそうですけど
あと、若い男性教師が人気という傾向以外にも、おじいちゃん先生が人気というのもある気がする
総じて、前述の通り辛酸なめ子さんの偏見による意見が多い
特に共学の女子へのイメージが偏りすぎ
共学の女子だって男子の目を気にしない人はいるし、女子同士のライバル視しない関係もあると思うよ
なので、その辺の偏見込みとして読むのがよいと思う -
男女比率が1:9の”ほぼ”女子校に通っていたので、共感する点が多々あって面白かった。
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文字通り、女子校出身の筆者が、女子校の悲哀等を交えて書いた一冊。
男が思い描く「女の花園」的目線を打ち砕く弱冠スノッブな筆調なのは当然として、自分の生涯知りうることのない世界なので、色々と参考になった。