- Amazon.co.jp ・本 (109ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480803955
感想・レビュー・書評
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最初はなかなか読み進まなかったが、途中からだんだん面白くなってきた。ふふっと思いながら読んだり不思議な気持ちになったり。
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個人的に、とてもスキ!な24このやさしいイラストと1つのイラストに3ページのユニークな文章で構成された本。
どうやらイラストレーターのフジモトマサルさんが描いたイラストに合わせて吉田篤弘さんがアンサーの形で文章を添える、というバトンの受け渡しのような企画だったらしい。
なるほど、そういうことかぁ!とあとがきを読んで納得。
文章は、読み始めはエッセイかな?と思いきや、どこか童話チックで、哲学的でもあり、そうでもなかったり、でもなんだか心になじむ。そしてオチがよき。これを物語と読んでいいのかはわからない。不思議。物語、という解釈でいいのかな。「という、はなし」なのだから物語か。良き。
「読書の情景」というテーマでイラストも文もかかれているので、どこを読んでも本ひいては読書への思いに溢れている。
そのようなテーマだったとは全く知らずに読み始めたけど、読書の日、そして深秋の夜に読むのにふさわしい本だった。と嬉しくなりました。
全体的に好きだけど、特に好きだなと思った「はなし」は、「夜行列車にて」「背中の声」「読者への回復」「虎の巻」「眠くない」「影の休日」「背中合わせ」「日曜日の終わりに」…あたりですね。と書いてみて、ほとんど半分じゃん!笑と自分で笑ってしまった。うん。好きなんです。
さらに好きなはなしの好きな文章を一部備忘録がてら引用させていただきます。
少しのネタバレも嫌という方はご注意ください。
…そもそも自分が何者であったのか、ようやく思い出す。「読者」であること。肩書きはそれだけでいいのだ。ー読者への回復より
「しかし、わたくしの休日が長くなればなるほど、人々が<陽>と<笑い>を忘れます。…<影>は<陽>があってのもの。人があってこそのものです。」
だからやさしい<影>は、雨がすぐにやむことを願って、さっと読み終えることのできる薄手の本しか読まないのです。ー影の休日より
本は死なない。
どうやらこの一行を誰かに伝えたくて、またあたらしい本をつくる。毎日、あたらしい次の本を想い、書いたり、編集したり、装幀したり、印刷したり、販売したり、宣伝したりする。
本は人よりずいぶん長く生きる。ー恋と発見
以下、備忘録がてら各話のタイトルを。
夜行列車にて
背中の声
読書への回復
灯台にて
虎の巻
待ち時間
地上の教え
何ひとつ変わらない空
居残り日録
眠くない
かならず
影の休日
寝静まったあとに
話の行き先
寝耳に水
ひとり
背中合わせ
とにかく
海へ
希有な才能
日曜日の終わりに
暗転
時間を買う
恋と発見
あとがきのまえがき
あとがきのあとがき
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挿絵が可愛かった。寝耳に水が好きだった。コンセプトを知らずに読んだのであとがきを見てなんだかいまいちハマりきれなかった理由がわかった。
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イラストに合わせて話を書かれた本♫
絵と文がベストマッチ!
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日曜日の終わりに、が好き。
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"本は死なない。
どうやらこの一行を誰かに伝えたくて、またあたらしい本をつくる。毎日、あたらしい次の本を想い、書いたり、編集したり、装飾したり、印刷したり、販売したり、宣伝したりする。
本は人よりずいぶん長く生きる。
「そうです、そのとおり」ーー若くして古書店の店主となった友人が、秘密を打ち明けるときのニヤニヤ顔で教えてくれた。"[p.100_恋と発見] -
『村上さんのところ』の絵だ!と思った。木漏れ日の中でバクが寝転んで読書をしている挿絵が大好き。
PR誌「ちくま」って楽しい。
このあいだ読んだときも心ひかれたけど、こうして単行本になったものも好き。 -
フジモトマサルさんの絵に弱く、表紙買い。
一話ごとに収録されている絵もカラーで
登場する動物たちがいちいち愛らしく、
見ていて飽きない。
絵物語集というだけあって、マサルさんの
絵ありきで書かれたお話たちなんだそう。
普通逆だと思うし、そう思って読んでいたので
あとがきでその事実を知ってびっくり。
改めて、絵から想像してお話を読んでみるのも
面白いかもしれない。
すべて読書についての物語で、エッセイ?
と思わせて意外な人物が語り手だったりして、
吉田さんワールドに惹き込まれました。
3ページ構成という短い文章の中で
こんなにまとまりのあるお話を描けるとは…。
小一時間でさらっと読めるんだけど、
手元に置いてマサルさんの絵とともに、
思い出したように何度も読みたい本。 -
フジモトマサルのイラストに吉田篤弘が文章をつける、前代未聞の「挿絵」ならぬ「挿文」連載をまとめた本。
あとがきを読むまでその仕組みに気づかず、読後に改めてイラストと文章を照らし合わせて「なるほど、このイラストからこんなお話を考えつくとは」と吉田篤弘の発想力に驚かされた。
イラストがあり、文章もやさしく、児童書のようなテイストなので、老若男女問わずたくさんの人が気軽に楽しめる1冊に仕上がっている。 -
文章が先にあってそこに絵をつける「挿絵」ではなく、フジモトマサルさんの絵に吉田篤弘さんが文章をつけるという「挿文」。シュールでクセになり、毎日少しずつ読みました。お気に入りはキツネの「眠くない」です。