- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480804396
感想・レビュー・書評
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☆☆☆3つ
なんとも不思議な感じの物語でございます。
「話虫干」とはなんぞや、と思った読者の問にマヅは答えてくれてからお話は始まります。でも一向に真の物語らしき部分はわたしには見えてきませんでした。
いや、面白くなかったとか、著者の言いたい事が分からなかったとか言うつもりは無いのですが、最後まで見えなかったというのが正直な感想です。すまぬ。
(大塚まさじ、という古くからの歌い手さんが書いた『旅のスケッチ』という本を読んで、まさじさんの他の著書やら曲やらに興味を持って、あちこち調べて見聞きしています。二年ほど前に高田渡という人の『バーボン・ストリート・ブルース』という本に触れた時と少し似た状況です。ただ決定的に違うのは、まさじさんはまた会えるけど渡さんにはもう絶対に会えない、という事。なにやらこの『話虫干』と意味通づるところがあったので書いてみました。再びすまぬ。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何気ない日常
親しい友人
しかしふと感じる疑問
この友人とはいつ知り合ったのだろうか?
私はいつから彼のことを知っていたのだろうか?
彼はこの世の人間なのだろうか?
発想はすごく面白かったです。
名作をちゃんと読んでいて、ある程度文豪達の知識がある人なら、より楽しめるのではないかと思います。
ただ、ラストの畳みかけ方が少し急だったかなと…。
ですが、素敵な友情の話です。
悲しい結末よりは、好きです。
三人の物語が、実り多く幸あるものになることを願います。 -
本好きなら思わず武者震いしたくなるようなSFファンタジーです。
夏目漱石やホームズに、小泉八雲や啄木まで絡んで、舞台があの「こころ」なのですから、普段は何でもありのSFを避けて読まないのですが、これは惹かれます。作家が小路さんですから、面白くない理由がない。最後の落ちは、「こころ」を愛する読者目線で書かれているのが感じ入りました。
小路さんと共通の好みを発見して、ますますこの作家が好きになりました。 -
話虫を干す話虫干し作業をする話
最初、なんかに似てる~とか思いながら読んでたらそういうことでしたか!と納得しました。
だいぶ昔に「こヽろ」を読んだので細かいところは忘れてる自分が残念。
もう一度読まなきゃって気になりました。
ちょっと尻すぼみ感はあるけど、私も彼らと生活を共にしたら「こヽろ」を知る者としては同じようにしてあげたくなるよね。
違う名作でも話虫干してほしいです。 -
本の物語に自分が存在しているというのは羨ましくもあり、まさに読んでるときの感覚はそれだなぁ…と、主人公をみて思いました。羨ましくなる本です
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どこかずれた物語。舞台は小説「こゝろ」。
本の中に入り込んで、物語をめちゃくちゃにしてしまう「話虫」。それを退治し、物語を正常な状態に戻す「話虫干」。
小説「こゝろ」の世界が改変された。
出てこないはずの登場人物、どころか作者まで現れた。
登場しないはずの登場人物の誰かが話虫である。話虫干遂行中図書館員の糸井は、「私」と「K」の友人になりすまし、話虫が何者かを探っていた。が、相手はなかなか尻尾を掴ませない。登場人物は益々増えて…
どこに落ちるかわからず、やきもきしながら読んでいました。
しかし残念なことに、私は「こゝろ」を読んだことがない。粗筋は知っていますが。古典文学苦手。知っていればもっと面白かったかもしれない。 -
夏目ファンならこんな状況になりたいだろうなぁ。