- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480815705
感想・レビュー・書評
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「出産も、子育ても、
自分の思い通りにいかない日々を積み重ねていく。
その時間から、人生も人も思い通りにはできない
というのを学んだ」
この言葉は、最愛のわが子が失踪し、
すべての力をかけて子を探した母が、
子の死を受け入れた時に語られた言葉。
圧倒されるというか、刺さるというか、
語彙力無さすぎて表現し難いのだけれど
残しておきたい言葉が他にもたくさんあった。
その一部↓
誰も好き好んで被害者になったわけではない。
不条理な暴力にあっただけだ。
その苦しみの上に、さらにスティグマを抱えて
生きていかなければならないのだろうか。
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私自身は、きっとこれからも間違い続け、
不完全な母であり続けるだろう。
また知らず知らずに、
子供を傷つけてしまうに違いない。
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人生は失うことの連続だった。
これからも大切なものを失っていくのだろう。
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いつかこの生を終える時が来るだろう。
その日はゆっくりと来るかもしれないし、
突然来るかもしれない。
それでも人間はこの世に生を受けた時点で、
終わりが必ずくる。
生まれてすぐなくなる子もいれば、
百二十歳まで生きる人もいるし、
悲しい終わり方もある。
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「花畑の花を踏みにじる権利なんて誰にもありません」
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その日の情景はいまだに忘れられない。
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子どもは母と一体化した相手ではなく、
自分の思い通りにならない他者である。
...
母は、人は、弱くても、不完全でもいい
この本は、そう教えてくれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レポなのか?小説なのか?判別しかねる書き出し。
借りた本でもあったので、3、4話で離脱。極端で、ちょっとついていけない、と思う私は、幸せ者か? -
命をお腹に宿した時、命をこの世に産み落とした時、その命に何かあった時、なぜ母親が苦しまねばならないのだろう。母親も一人の人間として喜びも苦しみも抱えて生きている。全ての母と子が一人の個として尊重されつつ大切にされる社会になることを願う。
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2023/10/22
なぜそんなに人気なのかは分からなかった。 -
ちくまに連載された、さまざまな母が登場する17の短篇ノンフィクション。アベレージはもちろん高く、著者自身の話を含めてどれを読んでも静かに面白い。「母は死ねない」はこの作品のテーマや結論というよりは、ある話では著者の確信になったり、疑いの対象になったりしながら全編を漂っている。
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読み終えて
自分の母親のことをしばらくの間考えた
ガリガリ君サイン
知らなかった -
ここには様々な母が登場する。わが子を殺された母や難病の子を育てる母、精子提供で子を産んだり、特別養子縁組で子をもった人もいた。夫との関係も困難で、暴力や暴言で自尊心が失われた女性たちもいた。生き抜こうともがいても、死を選んだ母もいた。
本書で取り上げた母や娘たちは、母であることの、あるいは母に対しての、理想と現実とのギャップに苦しんでいた。母親たちが「かくあるべき姿」があると思いこむ背景には、それぞれの問題だけが存在するのではない。母であることの美化も卑下
も必要ない、かくあるべき親子も家族もないことに気づかせられる一冊だ。
京都外国語大学付属図書館所蔵情報
資料ID:659482 請求記号:367.3‖Kaw -
母親としての著者自身のことも折々に交えながら、DVを受けている母親、AID(非配偶者間人工授精)(+α)で子どもを授かった母親、突然失踪してしまった子どもの母親、難病の子どもを持った母親、児童殺傷事件の被害者の母親、中絶を経験した母親、レズビアンの母親、特別養子縁組で子どもを育てる母親、自死を選んだ母親など、様々な状況に置かれた母親を取り上げるノンフィクション。一般的なノンフィクションというよりは、文学的エッセイに近い文体。
かなり重い、壮絶な状況に置かれた母親がたくさん登場し、胸が苦しくなった。特に、子どもが失踪して後に白骨化した遺体が見つかったり、事件に巻き込まれて子どもが殺されてしまった母親の話は万感胸に迫るものがあった。一方、重度の聴覚障害を抱えながら難病の子どもを育てつつ、「産んでごめんねとは思わない」というユカコさんの話には希望を感じた。
また、多くの人の中に母親というものの「呪縛」が厳然としてあることも感じたが、本書で言われているように、そのような「かくあるべき」ということから解き放たれ、不完全さを受け入れるということも(夫など周りも含め)必要だろう。
本書では、いずれの話でも父親の存在感が薄いように感じたが、子どもを育てるという点で、授乳以外に父親も母親と変わるところはないはずであり、自戒も込めてだが、もっと子育てにおける父親の役割が高まっていくことが、「母親の呪縛」を解く上でも重要だと思う。