幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 1042
感想 : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480843074

感想・レビュー・書評

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  • DaiGoさんが勧めまくっていた作品です。どうやらその影響でamazonでは売り切れてしまったようで。
    わたしはといえば、緊急事態宣言が出る直前、自分の職場が確実に休業になると踏んで、まだ在庫がある時に入手して、自粛に備えた。そしてこの本を読んで、生まれ変わって職場に舞い戻ってやろうと決意した。一度にたくさん読み進めるのは結構大変で、少しずつ、ノートを取りながら読んで三週間、やっと読了。

    自分が抱えている不安や人間関係においての生きづらさからDaiGoさんの動画を観るようになり、それでマインドフルネスが今の自分にベストなのかなと思い、この本を手に取ることに。
    この本の何よりも素晴らしいところは、翻訳本にも関わらず、訳が大変読みやすくわかりやすいという点だ。

    常に不安がつきまとって新しいことをするのにしり込みしてしまうとか、人からの評価を気にしすぎてストレスを抱えてしまうとか、そういった人向けなんじゃないかな、という気がする。ちなみにわたしはいずれにも当てはまる。愛着スタイルだって、典型的な不安型だ。

    まえがきから結構衝撃的なことが書いてある。
    動物が生存し、子孫を残すための本質的な要件として、⓵食糧、②水、③隠れ家、④セックスがある。原始人の心を占める最優先事項は「自分を傷つけそうなものに気を配り、危険を避けること」、つまり「殺されないこと」だ。危険を予知・回避できれば生き残り、子孫を残せる。そして現代人の心は用心し、起こることを評価し、判断するようになった。そして多くの時間を心配事に費やすようになった。

    これには結構衝撃を受けた。
    人類皆心配性。これは自分だけじゃない。少し安心する。いや、かなり安心する。

    そもそもこの本の原書は「The Happiness Trap」つまり「幸福の罠」だ。
    「幸福の罠」、つまり幸せになろうなろうとすればするほど、幸せとは真逆の方向を向いてしまうというものだ。例えば、自分の中に不快な感情(例えばイライラ)が発生した時に、その感情を追い払おうとしたり、コントロールしようとする。その時は追い払えても、コントロールした気になっても、またすぐに、同様に不快な感情は襲ってくる。そうすると、またその感情を追い払うために今度はお酒を飲んだり、そうすると睡眠に支障が出たりと、幸福になるために感情をどうにかこうにかしたところで、それは幸福ではなく、不幸の道へ向かっているということだ。

    この考え方はすごかった。まさにわたしもこの「幸福の罠」にはまりこんでいた。

    わかりやすい事例が載っていた。例えばわたしは、時折高級ホテルのデザートビュッフェに行く。何ヶ月も前から予約をして、行く。一緒に行く友人と約束する際の決まり文句は「おいしいもの食べて、ストレス発散しよう!!!」だ。そう、わたしたちにとってのビュッフェの目的は「ストレス発散」なのだ。根本の原因が「不快な思考・感情から逃れるため」であれば、「楽しむ」ことは難しい。確かに、いくら高級ビュッフェを食べたところで、その余韻が残っている時にはストレスはどこかへ消えている。けれど週も真ん中まで来ると、ビュッフェの前に抱えていたストレスが、ビュッフェなんてなかったかのように、またしてもわたしの中に居座っている。
    この本では、「不快な思考・感情から逃れる」ためではなく、ビュッフェを「心から楽しむ」方法を教えてくえる。

    そしてまたしても、このループが自分だけが陥っているわけじゃない、という安心感。
    「こんなに苦しんでいるのは自分だけなんじゃないか」と思うことはよくあるけれど、読み進めていくうちに「そうそうそう!!!!」と思わざるを得ないことばかりが書き連ねてあった。
    「自分は無価値」と思い、少しでも自分に価値があると思いたくて、仕事を一生懸命するあまりに、残業ばかりし、家庭をおざなりにする女性が、事例として出てくる。わたしもそうだった。社会貢献的な仕事に就いて、必死に働いた。もちろんやりたい仕事でもあった。しかし、疲弊した。ある日通勤に支障が出て、その後働けなくなった。なぜその仕事に就いたか。根本は、誰かに、ひいては親に、認められたかったからだ。自分の価値=仕事の価値で決まる、そう思い込んで、社会貢献的な仕事を選んだ。

    そういった日々を過ごしてきて思う。価値とはなんだ。
    この本の最後では、徹底して、自分の価値に向き合う場面が出てくる。この本を読んでいる間、ずっとノートを取っていたのだけれど、価値に向き合う場面は、字も乱れたし、涙が止まらなくなった。それでも、これまでの、自分なりの心の整理術だとしんどいので、頑張って最後まで読んだ。

    緊急事態宣言が、仮に延長して、5月末くらいまでになったとしても、その時には、自分が生まれ変わったと言えるほどの進化はしていないと思う。でも、この本を読み終えて、日々の生活の中で、気付いたことがたくさんあった。マインドフルネスは、気付いた瞬間に実践できる。だからこれからは気付いたらすぐに実践して、っていうのを繰り返していくしかない。

    次の著作「相手は変えられない ならば自分が変わればいい」も、ステイホーム期間中に読もうと思っている。かなり疲れるかもしれないけれど。

  • 『幸福になりたいのなら幸福になろうとしてはいけない』
    ラリー・ハリス著
    ※心理療法医師

    1.購読目的
    2020年から自身の心と向き合うことの時間を増やしています。カウンセリングの先生からの推奨で読み始めました。

    2.僕が考える購読層
    すでに、自身の課題解決のためにアドラー心理学や嫌われる勇気を読んだ経験のある方には推奨したい書籍です。
    理由は、具体的に自己を見つめなおすプロセスが記載されているからです。
    三分ほどのプロセスが複数パターン紹介されています。
    そのプロセスをえて、自身の価値、行動、思考感情との分離らを体感できる可能性があるからです。

    3.僕が再認識したこと。
    ①コントロール不可能
    他者、外部
    感情、思考する自己

    ②コントロール可能
    自己
    行動する自己

    ③行動する自己の前の前提
    ▲感情と戦わない。
    →受け入れる。場所をつくる。感謝する。

    行動
    →自身の価値にそう、やりやすい行動の一歩を踏みだす。

    4.最後に
    書籍には、「幸せになろうとするあまり、僕たちは無意識に快適な感情を追い求め、そして不快な感情と闘争している」と記載ありました。
    また、「それを繰り返すことが自身の人生に消耗である」ともありました。
    300ページなので最終章の方、価値を見出す領域から読むも有益かもしれません。


  • この本には、充実した生活を送るためには、「心の声に惑わされず、今という瞬間に集中する!そして自分の価値に沿って生きることが大切ですよー」と書かれています。
    心の安定のさせ方、自分の価値に沿って生きる等、参考になりました。

    ぜひぜひ読んでみて下さい

  •  面白かったです。ラスハリスの本は二冊目。以前読んだ本と内容が重複してる部分もあり、面白さが半減したので評価は3となりました。

     この本では、大前提として「楽園は存在しない」ことを強調しています。幸せだけの世界はない。嫌なことは必ずし起こる。しかし、そのネガティヴな感情に人生を囚われないようにするにはどうしたら良いか、ということが書かれています。

     方法は大きく分けて3つに分解できます。
    一つ目は、メタ認知することです。本書では、観察する自己と書かれていました。まず、ネガティヴな感情を認識します。「自分は〜と思っている・考えている」のように。そして、その状況をありのまま受け止めます。すると、ネガティヴはいずれ消え去ります。(ポジティブな気持ちになることもありますが、これはあくまでもおまけ。気持ちを受け入れるだけで良い。)なぜ、これができると良いのか。これができると、怒って人にぶつかったり、自己嫌悪に陥って悲しみに囚われることは無くなります。
    この方法は、マインドフルネスと似通っています。感情や思考を全てメタ認知し、受け入れ、そのままにし、そして今を生きるのです。基本的に、思考とは幻想です。自分は無能だとか、失敗したらどうしようだとか。そういうのは、自分の考えであり幻想であります。それらを、ひたすらメタ認知するのです。

    二つ目は、価値を定めることです。一つ目ができるようになっただけで、ネガティヴに囚われなくなりかなり楽になります。(繰り返しますが、ネガティヴは感じます。ただ、それのせいで自暴自棄になることがなくなるのです)ここからは、幸福に向かいましょう。大切なのは価値を定め、それに基づいた目標を設定することです。
    価値とは「どのように生きたいか」です。
    優しくありたいとか、健康でいたいとか、成長したいとか、自然と触れたいとか、そういうものです。
    お金持ちになりたいとか昇格したいとかは目標です。なぜ、目標ではなく価値が大切なのか。それは、プロセスの段階で楽しめるからです。優しくありたいという価値のもと、親に毎日感謝を伝える目標を立てたとします。これは、自分がコントロールできる行動で、常に幸せを感じられます。しかし、お金持ちになりたいという目標を立てたとしましょう。お金持ちになるまで、あなたは幸せを感じることはできないです。しかも、お金持ちになれるかもわかりません。自分ではコントロールできないのです。
    価値に基づく、目標を立てることで、あなたは自分がコントロールできる行動で、常に幸せを感じることができます。だから、価値が大切なのです。

    三つ目は、行動に移すことです。価値に基づく目標を実践するのです。ここで、必ずネガティヴな感情が現れます。不安や怒り、悲しみなどです。これらと戦ってはいけません。受け入れるのです。不安を感じたら、ゆっくり深呼吸して、行動に移しましょう。不安を感じても、価値に基づく行動はできます。メタ認知を働かせて、感情に囚われた行動をしないようにしましょう。

    以上です。かなり、個人的な要約なので、気になる方は是非手に取ってみてください。

    この本で出てきた一番面白い考え方は、自尊心は必要ないということです。自尊心の欠如は、あくまでも思考であり、事実ではありません。それらを感じたら、メタ認知を働かせて去るまで待てばいいのです。自尊心が低くても、ACTの元では行動に移すことが可能なのです。

  • よくある言説「同じ現象でも、ネガティブにもポジティブにも解釈できる。ポジティブに捉えるようにしょう(以上)」
    この本の主張「ネガティブな感情を否定する必要はない。その感情のための居場所を作ってあげよう。具体的にはまず○・・・」

    このように、理想論やあるべき論ではなく、具体的に行動できる形で心を平穏にするための方法が書かれている。おかしなスピリチュアルな本や自己啓発本を何冊も読むくらいなら、これ1冊だけでいいかもしれない。
    残念なのは、洋書にありがちな繰り返しが多く冗長なところ、訳文が読みにくいところ。

  • 感情や思考のワナに気付かせて貰えました。受け入れて、つながって、効果的に行動する。なによりも驚いたのが、長年考えて応えがでなかった「自分を大切にする」ということがどういうことなのかがある瞬間にすっと心に落ちたこと。とても救われました。

  • ACTの基本行動原則
    A (accept)、C (connect)、T (take effective action)

    1.脱フュージョン、2.拡張、3.接続(つながる)、4.観察する自己、5.価値の確認、6.目標に向かっての行動

    1.脱フュージョン
    思考は単なる物語。思考が彷徨ったら、心よありがとうと言う。
    不快な思考をあるがままの姿でただの情報としてつかむ。

    2.拡張
    不快な感情のために居場所をつくる。
    受容、存在を許してやる。
    体をスキャンする。(悲しみを感じる部位、イライラする感じ等)

    3.接続(つながる)
    集中、没頭する。現在に生きる。
    呼吸、音、周りの物に注目する。いまの行動に完全に集中して日々の行動をする。
    いつも何気なく行っていることを、初めて行うことのように行う。

    4.観察する自己
    観察する自己は行動の全てを見ているが、価値判断はしない。常に存在している。見ている物、音、匂い、味、感覚、思考に注意を向け観察する。
    そして観察している自己に気づけば、つながることができる。

    5.価値の確認
    どんな人間になりたいか?自分にとって重要なことは何か?
    価値と繋がっている人は生きる意欲を見い出すことができる。心の根本にある欲求、富ではなく価値を優先させて行動する。今すぐに価値に沿った行動は起こせる。

    6.目標に向かっての行動
    価値によって動機づけられた効果的な行動。死者の方がうまくできることを目標にしない(○○をやめる、落ち込まない、〜やらない等)。
    目標を達成するために不快な感情を受け入れる。積極的の大切さ(YESという)。目標に従うにあたって何度道を外れてもいい。

    本書を読み、上記の行動原則に従えば、不快な感情、嫌な気持ちにむやみに囚われることを減らせると思う。嫌な感情は悪い物ではないと思うだけで心が軽くなるのではないだろうか?これはケリー・マクゴニガル氏の「スタンフォードの自分を変える教室」にもメインになっている教えだ。

    今後は自分の不快な感情から逃げずに向き合いながら最適な行動を自分の価値観に従ってとっていけるようになりたい。

  • メンタリストDaiGoさんおすすめ本やっと読めた。内容を要約するとタイトルの通り、幸福になろうと努力すればするほど不幸の連鎖が起きるということ
    理由としては、多くの時間を実際には起こらない出来事を心配することに費やすなどがある。
    たしかに、悩みすぎて考えすぎて、疲れてしまうなんてことはよくある。本書はその思考に対しての受け入れ方を示しており、具体的な行動なんかも載っていて読み応えがあった。自分の価値観、それらを実りあるものにするため、紙に書き出すという項目は非常に楽しかった。また何度も読み直したい。

  •  「幸福になりたいなら、幸福になろうとしてはいけない」非常に逆説的なタイトルであるが、読了してなるほどと腑に落ちた。
     自分自身、これまで様々な自己啓発本を読んできたが、確かに著者がいう「幸福の罠」に囚われていたと思う。
     後悔、嫉妬心、恨み、劣等感 様々なマイナス感情がやってくるが、これはコントロールできるものではないらしい。過ぎてしまったことだから忘れようとしても、形を変えて繰り返し現れる。コントロールしなくていいと思えば、少し気が楽になる。
     自分の中に二人の自分がいて、「思考する自己」が悩んでいるのを、「観察する自己」が冷めた目でみるというのが「脱フュージョン」の手法。なるほど、このように持って行けばいいのか…。
     ACT(Acceptance & Commitment Therapy)の受け入れる(Accept)は、我慢したり、達観することでも、諦めることでもないという。湧いてくる感情を、白黒付けず「あるがまま」に認識し、その中で自分の大切なものを選んで(Choose)、専念する(Commitment)。そうすることで心が癒される(Therapy)ことを望む。
     感情はコントロールできなくても、行動は自分の意志で決めることができる。よし、ACTの名のとおり、あとは実行(Take action)あるのみ。

  • ・不安により私たちはそわそわし、呼吸の回数が増え、早口になる。だが私は反対のことをする。意識的にゆっくり話し、ゆっくり呼吸し、ゆっくり動く
    ・ACT。accept思考と感情を受容する。connect自分の価値とつながる。take effective action効果的な行動をする
    ・価値を目的とした人生は、目標達成を目的とした人生よりも満足度が高い。目標達成の過程をも楽しむことができるからだ
    ・浮かんでくる思考を、行きかう車のように扱い、自分の行動に意識を集中しよう
    ・もし障害にイエスと言い続けても、人生が楽になる保証はない。次に現れる障害はさらに難しいものかもしれないからだ。しかしイエスということが習慣になるだろう。そして、そこから得られら経験はあなたの強さの源になる
    ・「成功は最終目的ではない。失敗は致命的ではない。大事なのは継続する勇気だ」ウィンストン・チャーチル
    ・「もし最初の挑戦がうまくいかなければ何度でもやってみろ、それでもうかくいかなければ別のやり方でやってみろ」
    ・「悲観主義者はあらゆる好機の中に困難を見出し、楽観主義者はあらゆる困難に好機を見出す」ウィンストン・チャーチル
    ・ACTの基本原理。?脱フュージョン―思考、イメージ、記憶をあるがままに、単なる言葉と映像として認識し、それらと戦ったり逃げたり、値する以上の注意を向けたりすることなしに、現れるまま、去るがままにさせる。?拡張―感情、感覚、衝動、などに居場所を作ってやり、それと戦ったり逃げたり、過度に注目してたりせず、来て去っていくがままにさせる。?接続(つながる)―心を開き、興味を持ち、受容の心をもって「今・ここ」での経験に百パーセント注意を向ける。自分が現在していることに完全に集中・没頭する。?観察する自己―自分の中の超越的な部分であり、困難な思考や感情を、それらに傷つけられることなしに観察できる視点を持つ。自分の中で決して変わらない部分、ずっと存在し続け、決して傷つけられることのない部分。それは肉体的な存在ではない「完全なる気づき」である。?価値の確認―自分にとって一番大切なものを明確化する。どんな人間になりたいか、何が重要で意味があり、自分が人生で支持するものは何か。?目標に向かっての行動―自分の価値と一致した効果的な行動をする(何度道から外れようと気にしない)
    ・過去は存在しない。それは現在の記憶以上のものではない。未来も存在しない。それは現在の思考やイメージでしかない。あなたにあるのは現在この瞬間だけなのだ。それを最大限に活かそう
    ・危機が訪れた時、自分に尋ねよう。「これによってどんなふうに成長できるだろうか?学べることは何だろうか?どんなスキル、知識、性格の強みを伸ばせるだろうか?」

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著者プロフィール

医師で心理療法士、ストレスマネージメントの権威でもある。自らもアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)で不安との戦いを乗り越えた経験をもつ。著書『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない(Happiness Trap)』が世界30か国で読まれ100万部を超えるベストセラーとなり、各地でマインドフルネスの活用方法を指導するワークショップを行う。英国生まれで現在はオーストラリア・メルボルン在住。

「2021年 『自分自身にやさしくすれば悩みの出口が見えてくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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