- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480860668
作品紹介・あらすじ
西芳寺『狂雲集』、当麻寺『死者の書』、三輪山『万葉集の精神』…異色かつ贅沢な対談で読む日本文化史の新しい視座。
感想・レビュー・書評
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磯崎氏が建築を、福田氏がそれに関わる文芸作品を互いに提示しながら、建築と文芸について縦横無尽に語り尽くした対談集。建築と日本史の基礎知識がないと読むのに大変辛いかもしれない。正直、わからない部分が多々あった。
対談は建築・文芸に止まらず、どれを読んでも「日本とはなにか?」に行き着く。建築と文芸を通してみる日本文化論でもある。
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空間の行間
(和書)2010年06月11日 21:48
2004 筑摩書房 磯崎 新, 福田 和也
意外と読み易い本でした。
磯崎新はとても好きだし、福田和也は石原莞爾の本で読んだことがあった。
村上春樹の自我については、自己同一性の幻想ということでの幻想であるという部分がとても上手く捉えてられているのかなって思った。 -
38012
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資料番号 : 010751865
請求記号 : 521.0イ -
建築家と文芸評論家の対談...と言ってしまえばそれまでだが、実は凄い本。
主題となる時代(たとえば平安末期)を選び、当時を象徴する建築物(厳島神社)と文芸(平家物語)をそれぞれがピックアップし、それらをモチーフに時代の文化や思想を語りつくすという企画。とにかくディープな二人の会話なので、中身も相当濃厚な知性の格闘技だ。正直言って、書かれている内容の1割も理解できなかったが、オタクのマニアック加減を外から観察して覚えるような感慨。
それとタイトルが良い。内容を端的に示し、きっちり韻を踏んで、活字にしても美しい『空間の行間』。素敵すぎる。
もともとは雑誌の連載企画だが、単行本のあとがきで仕掛け人が明かされる。伝説のプロデューサー・康芳夫だということで、妙に納得してしまった。 -
私にとって面白かったのは、日本建築と日本文学との比較の中から磯崎新氏の思考(思想)・建築観が、氏の難解な著作より分かり易い形で読み取れたことであった。加えて日本と中国・朝鮮の歴史、文学、芸術に関する磯崎氏の膨大な知識量を再認識し、翻って己の無知さ加減を猛省した。やはり勉強は必要だ。
日経新聞で連載された磯崎氏の「私の履歴書」をまとめて読んだところであったので、万博をめぐる丹下健三、岡本太郎の件などは「私の~」が丁度良いサブテキストとなった。
本の内容は、磯崎氏がひとつの歴史的文化的区分を代表する日本建築を提示し、福田氏がその時代を担うような文芸または思想のテキストを取り上げ、両者を併置・対置したときに見えてくる文脈や照応を探る企画の対談。全12回+番外編から成る。
磯崎氏の言う「表現する根拠の不在」は、モダニズム以降における建築表現上の課題だと思うが、例えばカーンのような根拠の求め方は非常に魅力的であるものの、あまりに一般的ではない(万人が到達できる方法ではない)。最近もてはやされている「環境」が「表現する根拠」になり得るとも思えない。はっきりとしたビジョンはイメージできないが、「不在」を「不在」のまま放置することなく、不在を埋めることが可能かどうかを根気強く考え続けていくことが、せいぜい自分にできることではあるまいか、と思う次第です。 -
磯崎新の博識に驚いた
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面白い対話。もう一度歴史人物や建築を勉強してから読み直したい。